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【2026年最新】雇用保険の傷病手当とは?4つの条件と最大330日もらう方法

傷病手当とは?

退職後に予期せぬ病気やケガで働けなくなってしまったら、収入が途絶え、生活や治療に大きな不安を感じる方も多いでしょう。そんな時に頼りになるのが、雇用保険の「傷病手当」です。

この記事では、受給条件・最新の支給金額(2026年4月時点)・申請方法・審査で落ちないコツまで、雇用保険の傷病手当について網羅的に解説します。

編集部

退職前にこの制度を知っているかどうかで、療養中の生活が大きく変わります。最後まで読んで、ご自身の状況に合った活用法を見つけましょう。

※当社には社労士が在籍しています。

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目次

雇用保険の傷病手当とは

雇用保険の傷病手当とは、ハローワークで求職の申込みをした後に、病気やケガが原因で15日以上継続して働けなくなった場合に、失業保険(基本手当)の代わりに支給される給付金のことです。

目的は、病気やケガで療養している間の生活を支え、安心して治療に専念できるようにすることにあります。あくまで雇用保険の制度の一部であり、「働きたい意思はあるけれど、病気やケガで一時的に働けない」という状態の方を対象としています。

編集部

よく混同されがちな健康保険の「傷病手当金」や、雇用保険の「基本手当」とは異なる制度であり、それぞれの違いを正しく理解することが、ご自身の状況に合った適切なサポートを受けるための第一歩となります。

雇用保険の傷病手当と2つの類似制度との違い

「傷病手当」という名前がつく制度には、雇用保険の「傷病手当」のほかに、健康保険の「傷病手当金」があります。また、雇用保険には「基本手当(失業保険)」もあり、これら3つの制度は目的や対象者が異なります。ここでは、それぞれの違いを詳しく解説します。

違い①:健康保険の「傷病手当金」との比較

最も混同しやすいのが、健康保険から支給される「傷病手当金」です。この2つの制度の最大の違いは、対象となるのが「在職中」か「離職後」かという点す。

編集部
健康保険の「傷病手当金」は、会社の健康保険に加入している被保険者が、業務外の病気やケガで会社を休み、給与が支払われない場合に支給されます。つまり、在職中の生活を保障するための制度です。

一方、雇用保険の「傷病手当」は、会社を退職し、ハローワークで求職活動を始めた後に働けなくなった離職者が対象となります。管轄も異なり、傷病手当金は「健康保険組合や協会けんぽ」、傷病手当は「ハローワーク(公共職業安定所)」です。

違い②:雇用保険の「基本手当(失業保険)」との比較

次に、同じ雇用保険の制度である「基本手当(失業保険)」との違いです。この2つの違いは、「働ける状態にあるかどうか」という点です。

基本手当(失業保険)は、失業した方が次の仕事を見つけるまでの生活を支えるための給付です。そのため、受給するには「働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態」であることが大前提となります。

対して傷病手当は、病気やケガによって「働く能力がない状態」になってしまった場合に、基本手当に代わって支給されるものです。ハローワークでの求職活動も免除されます。つまり、働ける状態になれば基本手当に、働けない状態が続けば傷病手当に切り替わる、という関係性です。

一目でわかる比較表|傷病手当・傷病手当金・基本手当

これら3つの制度の違いを、以下の表にまとめました。ご自身の状況がどれに当てはまるか確認してみましょう。

制度名 雇用保険 傷病手当 健康保険 傷病手当金 雇用保険 基本手当(失業保険)
管轄 ハローワーク 健康保険組合、協会けんぽ ハローワーク
対象者 離職後に求職申込をし、その後病気やケガで働けなくなった方 在職中に業務外の病気やケガで働けなくなった方(※退職後も継続給付の条件あり) 離職後、働く意思と能力があるが就職できない方
状態 働くことができない 働くことができない 働くことができる
目的 働けない期間の生活保障 療養中の生活保障 失業中の生活保障と再就職支援
支給額の目安 基本手当と同額(離職前賃金の約45~80%) 過去12か月の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日 × 2/3 離職前賃金の約45~80%
求職活動 不要 不要 必要
同時受給 傷病手当金、基本手当との同時受給は不可 傷病手当、基本手当との同時受給は不可 傷病手当、傷病手当金との同時受給は不可

健康保険の傷病手当金と失業保険の関係をより詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>傷病手当金と失業保険は両方もらえる?同時受給の可否と切り替え方法

雇用保険の傷病手当を受給するための4つの条件

雇用保険の傷病手当を受給するには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。ご自身が該当するか、一つずつ確認していきましょう。

条件1:ハローワークで求職の申込みをした後に病気やケガをしたこと

傷病手当は、あくまでも基本手当(失業保険)の受給資格がある方を対象とした制度です。そのため、大前提として、離職後にハローワークを訪れ、受給資格の決定を受けている必要があります。

重要なのは、「求職の申込みをした後」に病気やケガになった、というタイミングです。

もし、離職前から治療している病気が悪化した場合や、退職の直接の原因が病気やケガである場合は、原則として傷病手当の対象にはなりません。その場合は、後述する「受給期間の延長」の手続きを検討することになります。

条件2:病気やケガにより15日以上継続して職業に就けない状態であること

傷病手当の対象となるのは、一時的な体調不良ではなく、ある程度長期にわたる療養が必要な場合です。具体的には、病気やケガのために継続して15日以上、求職活動や就労ができない状態であることが求められます。

この「15日間」には、基本手当が支給されない「待期期間(7日間)」も含まれます。

例えば、待期期間中に10日間働けない状態になった場合、待期満了後、さらに5日間働けない状態が続けば、合計15日となり条件を満たします。

条件3:離職日以前2年間に被保険者期間が12か月以上あること

これは基本手当(失業保険)を受給するための基本要件と同じです。原則として、離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者であった期間が通算して12か月以上必要です。

ただし、倒産・解雇など会社都合による離職者(特定受給資格者)や、正当な理由のある自己都合退職者(特定理由離職者)の場合は、この条件が緩和され、「離職日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上」あればよいことになっています。

特定理由離職者に該当する具体的なケースを知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>特定理由離職者とは?該当する条件・メリット・手続きの流れをわかりやすく解説

条件4:健康保険の傷病手当金や労働災害保険の給付を受けていないこと

公的な所得保障制度は、原則として重複して受け取ることはできません。そのため、同じ病気やケガを理由として、健康保険の傷病手当金や、労災保険の休業(補償)給付などを受け取っている期間中は、雇用保険の傷病手当を申請することはできません

編集部
ただし、傷病手当金の支給額が雇用保険の傷病手当の日額より低い場合は、その差額分を傷病手当として受け取れるケースもあります。

詳細は管轄のハローワークにご確認ください。

雇用保険 傷病手当の支給金額と計算方法

傷病手当で一日あたりいくらもらえるのかは、生活設計を立てる上で非常に重要です。ここでは、支給額の計算方法について具体的に解説します。

傷病手当の支給額は基本手当(失業保険)と同額

傷病手当の1日あたりの支給額(傷病手当日額)は、本来受け取るはずだった基本手当(失業保険)の1日あたりの支給額(基本手当日額)と同額です。

つまり、傷病手当に切り替わったからといって、もらえる日額が減るわけではありません。計算の基礎となるのは、離職前の賃金です。

傷病手当日額 = 基本手当日額

この基本手当日額は、以下の手順で計算されます。

  1. 賃金日額を計算する
  2. 賃金日額給付率を掛けて基本手当日額を算出する

賃金日額と基本手当日額の計算シミュレーション

具体的な計算方法を見ていきましょう。

1. 賃金日額の計算
賃金日額は、離職直前の6か月間に支払われた賃金(賞与等は除く)の合計額を、180で割って算出します。

賃金日額 = 離職前6か月の賃金合計 ÷ 180

【シミュレーション例】
離職前の月収が30万円(賞与除く)だった場合

  • 6か月の賃金合計:30万円 × 6か月 = 180万円
  • 賃金日額:180万円 ÷ 180 = 10,000円

2. 基本手当日額の計算
次に、算出した賃金日額に、年齢や賃金水準に応じた給付率(45%~80%)を掛けて、基本手当日額を求めます。

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(45%~80%)

給付率は、賃金日額が低い人ほど高くなるように設定されています。上記のシミュレーション例(賃金日額10,000円、35歳)で計算してみましょう。

基本手当日額:10,000円 × 50%(※) = 5,000円

(※給付率は賃金日額と年齢により変動します。ここでは仮に50%として計算)

この場合、傷病手当の日額も5,000円となります。1か月あたりに換算すると、約15万円が支給される計算です。

ご自身の受給額をより正確に試算したい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>失業手当の計算シミュレーション【2026年最新】受給額がわかる早見表つき

給付率(45%~80%)は年齢と賃金日額で決まる

給付率は、離職時の年齢と賃金日額によって細かく定められています。これは、低所得者層への手厚い保護を目的とした仕組みです。

  • 賃金日額が低い方:給付率は約80%に近づきます。
  • 賃金日額が高い方:給付率は約50%(60歳~64歳は45%)に近づきます。

自分の正確な給付率や日額を知りたい場合は、ハローワークで確認するのが最も確実です。

基本手当日額の上限額・下限額【令和7年8月改定の最新版】

基本手当日額には、年齢区分ごとに上限額が定められており、毎年8月1日に改定されます。下限額は全年齢共通です。

2026年4月現在、適用されているのは令和7年(2025年)8月1日改定の金額です。前年度から全区分で引き上げられました。

離職時の年齢 基本手当日額の上限額(円) 前年度からの増額
30歳未満 7,255円 +190円
30歳以上45歳未満 8,055円 +190円
45歳以上60歳未満 8,870円 +235円
60歳以上65歳未満 7,623円 +203円
下限額(全年齢共通) 2,411円 +116円

参照:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更~令和7年8月1日(金)から実施~」

たとえば賃金日額が17,000円ある29歳の方でも、上限額が適用されるため、基本手当日額(=傷病手当日額)は7,255円となります。賃金が高い方ほど上限額の影響を受けやすい点に注意しましょう。

雇用保険 傷病手当の支給期間

傷病手当がいつから、どのくらいの期間もらえるのかは、療養計画を立てる上で重要な情報です。支給期間に関するルールを正しく理解しておきましょう。

支給日数は基本手当(失業保険)の残日数が上限

傷病手当が支給される日数の上限は、もともと定められていた基本手当(失業保険)の所定給付日数から、すでに基本手当を受け取った日数を差し引いた日数となります。

傷病手当の支給上限日数 = 所定給付日数 - 既に受給した基本手当の日数

例えば、所定給付日数が90日の方が、基本手当を10日間受け取った後に病気になり、傷病手当に切り替えた場合、傷病手当を受け取れるのは最大で残りの80日分となります。傷病手当を受け取った日数は、基本手当を受け取った日数としてカウントされます。

離職理由別の所定給付日数一覧(一般・特定受給資格者・就職困難者)

所定給付日数は、離職理由・年齢・被保険者期間によって90日~360日の範囲で決まります。会社都合や病気を理由とした退職、障害のある方への支援は手厚く設定されています。

以下に主なケースをまとめました。

【一般の離職者(自己都合退職など)】

被保険者期間 1年未満 10年未満 10~20年未満 20年以上
全年齢 90日 120日 150日

【特定受給資格者・一部の特定理由離職者(倒産・解雇・病気等による退職)】

年齢 1年未満 5年未満 10年未満 20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30~34歳 90日 120日 180日 210日 240日
35~44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45~59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60~64歳 90日 150日 180日 210日 240日

【就職困難者(障害のある方など)】

年齢 1年未満 1年以上
45歳未満 150日 300日
45~64歳 150日 360日

参照:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」

うつ病・適応障害などで退職した場合、特定理由離職者として認められれば最大330日もの所定給付日数となる可能性があります。所定給付日数の判定は最終的にハローワークが行うため、自分が該当しそうな場合は必ず相談しましょう。

詳しい給付日数の解説は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>失業保険の受給期間は何日?「90日〜360日」の給付日数を退職理由・年齢別に徹底解説

7日間の待期期間中は支給されない

基本手当(失業保険)と同様に、ハローワークで求職の申込みをした後の最初の7日間は「待期期間」と呼ばれ、この期間は傷病手当も基本手当も支給されません

待期期間が満了した翌日からが支給の対象となります。もし待期期間中に病気やケガで働けない状態になった場合、その日数も「継続して15日以上」のカウントには含まれますが、手当そのものは支給されない点に注意が必要です。

支給期間が残ったまま就職が決まった場合(再就職手当)

傷病手当の受給中に病状が回復し、安定した職業に就いた場合、一定の条件を満たせば「再就職手当」を受け取れる可能性があります。

再就職手当は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることなどが条件となります。これは、早期の再就職を促進するための制度です。

編集部
傷病手当を受けていても、回復して就職すればお祝い金がもらえると覚えておくとよいでしょう。受給できるかどうかは、就職先のハローワークに確認してください。

雇用保険 傷病手当の申請方法と手続きの流れ

実際に傷病手当を申請する際の手続きは、どのように進めればよいのでしょうか。ここでは、具体的なステップと必要書類について解説します。

申請手続きの4ステップを解説

申請は、原則として以下の流れで進みます。

1.管轄のハローワークへ報告・相談

病気やケガで15日以上働けない状態になったら、まずは電話などで速やかに管轄のハローワークにその旨を報告し、傷病手当の申請をしたい旨を伝えます。今後の手続きについて指示を受けましょう。

2.必要書類の準備

ハローワークから「傷病手当支給申請書」を受け取ります。この申請書には、医師が記入する「証明書(意見書)」の欄があるため、かかりつけの医療機関に持参し、証明を依頼します。

3.ハローワークへ書類を提出

必要事項を記入した「傷病手当支給申請書」に、「雇用保険受給資格者証」などの必要書類を添えて、ハローワークの窓口に提出します。提出は代理人や郵送でも可能な場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

4.支給決定・振込

提出された書類をもとにハローワークが審査を行い、支給が決定されると、指定した金融機関の口座に傷病手当が振り込まれます。申請から振込までには、通常1週間から2週間程度かかります。

申請に必要な書類一覧と入手方法

申請には主に以下の書類が必要です。不備がないように事前に準備しましょう。

傷病手当支給申請書

ハローワークの窓口で受け取るか、ハローワークのウェブサイトからダウンロードすることも可能です。申請者本人が記入する欄と、医師が記入する証明欄があります。

雇用保険受給資格者証

ハローワークで求職の申込みをした際に交付される書類です。申請時に原本を提出します。

医師の証明書(意見書)

「傷病手当支給申請書」と一体になっています。病名、初診日、労務不能と認められる期間などを、診察した医師に記入してもらう必要があります。医療機関によっては文書作成料がかかる場合があります。

その他状況に応じて必要な書類

場合によっては、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類、印鑑などが必要になることがあります。ハローワークの指示に従ってください。

申請期限と提出先(管轄のハローワーク)

傷病手当の申請は、原則として、傷病のあった日(働けなくなった日)の翌日から起算して1か月以内に行う必要があります。ただし、多くの場合は療養後の最初の失業認定日にまとめて申請するよう指示されます。

提出先は、ご自身が求職の申込みを行った管轄のハローワークです。引っ越しをした場合でも、原則として最初に登録したハローワークで手続きを行います。

雇用保険の傷病手当の審査で落ちる典型パターンと対策

4つの条件をクリアしていても、思わぬ理由で不支給になってしまうケースは少なくありません。ここでは、申請者が見落としがちな盲点と、その回避策を解説します。

給付制限期間(1~3か月)中に発症すると不支給になる仕組み

自己都合退職の場合、待期期間(7日間)の後にさらに「給付制限期間」が設けられます。2025年4月の法改正により、給付制限は原則1か月へと短縮されましたが、過去5年以内に2回以上自己都合退職をしている場合などは3か月に延長されます。

結論として、この給付制限期間中に病気やケガをしても、原則として傷病手当は支給されません。傷病手当は基本手当の代わりに支給される性質のものであるため、もともと基本手当が出ない期間は対象外となるからです。

ただし、給付制限の終了後も働けない状態が続く場合は、その時点から傷病手当の対象となり得ます。給付制限期間と療養期間が重なる方は、ハローワークに必ず状況を報告しましょう。

参照:厚生労働省「令和7年4月からの雇用保険の基本手当の給付制限期間の短縮について」

給付制限の最新ルールについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>【2025年改正対応】雇用保険の自己都合退職で失業手当を早くもらう7つの方法と手続き

医師の証明書の記載不備で差し戻しになるパターン

傷病手当の審査で意外と多い不支給理由が、医師の証明欄の記載不備です。特に以下のような記載は差し戻しになりやすいので注意しましょう。

不備の種類 具体例 対策
労務不能期間が空欄 診察日のみ記載されており、いつから働けないか不明 「○月○日~○月○日」と具体的な日付で記入してもらう
傷病名が抽象的 「不調」「体調不良」など曖昧な表現 診断名(例:うつ病、適応障害、椎間板ヘルニアなど)を明記してもらう
就労困難な理由が不明確 「療養が必要」とだけ記載 「集中力低下のため」「歩行困難のため」など具体的な根拠を記載してもらう

申請書を医療機関に持参する際は、ハローワーク提出用であることを明確に伝え、記載漏れがないよう医師に確認をお願いしましょう。記載不備による再提出は数週間のロスにつながるため、初回の提出時から精度を高めることが重要です。

「労務不能」と判断されない症状の境界線

傷病手当の支給は労務不能(働ける能力がない状態)であることが大前提です。しかし、この「労務不能」の判定は、症状の重さだけで決まるわけではありません。

たとえば次のようなケースは、症状はあっても労務不能と判断されないことがあります。

  • 軽度のうつ症状で通院はしているが、短時間なら働ける状態
  • ケガの治癒過程で、デスクワーク程度なら可能な状態
  • 慢性疾患で定期通院中だが、就労に直接の支障はない状態

このような中間的な症状の場合、医師が申請書に「軽労働は可能」「制限付きで就労可能」などと記載すると、ハローワーク側で「働ける状態」と判断されて不支給となるリスクがあります。

労務不能と認められるには、少なくとも従前と同程度の業務(離職前の職務内容)に就けない状態であることを医師に証明してもらう必要があります。診察時には離職前の職務内容を伝え、適切な証明をお願いしましょう。

編集部

医師に「労務不能」と判断してもらうためには、症状を遠慮なく具体的に伝えることが大切です。「これくらい大丈夫」と我慢せず、生活への影響を率直に話しましょう。

ケース別|雇用保険の傷病手当に関する疑問

ここでは、多くの方が疑問に思う具体的なケースについて解説します。

退職後に傷病手当を受給する手続きの流れ

退職してから傷病手当を受給するまでの一般的な流れは以下の通りです。

  1. 退職後、住所地を管轄するハローワークで求職の申込みと受給資格の決定を受ける。
  2. 求職活動中に病気やケガをし、15日以上働けない状態になる。
  3. ハローワークに連絡し、傷病手当の申請意思を伝える。
  4. 「傷病手当支給申請書」を入手し、医師の証明をもらう。
  5. 必要書類を揃えてハローワークに提出する。
  6. 審査後、支給が決定され、手当が振り込まれる。

在職中に雇用保険の傷病手当は受給できる?

在職中の方は、雇用保険の傷病手当を受給することはできません。
雇用保険の傷病手当は、あくまで離職者を対象とした制度です。在職中に業務外の病気やケガで仕事を休む場合は、健康保険の「傷病手当金」の対象となります。

申請先はご自身が加入している健康保険組合や協会けんぽになりますので、勤務先の担当部署に相談してください。

うつ病などの精神疾患も傷病手当の対象になるか

うつ病や適応障害などの精神疾患も、傷病手当の対象となります。
身体的なケガだけでなく、精神的な不調により医師から「労務不能」と判断されれば、受給の対象です。重要なのは、専門医による客観的な証明です。

「傷病手当支給申請書」の医師の証明欄に、就労が困難である旨を具体的に記入してもらう必要があります。

一人で抱え込まず、まずは主治医やハローワークの担当者に相談しましょう。

パート・アルバイトでも受給は可能か

パートやアルバイトといった雇用形態にかかわらず、雇用保険の加入条件を満たしていれば受給は可能です。
雇用保険の加入条件は、主に以下の2つです。

1週間の所定労働時間が20時間以上であること

31日以上の雇用見込みがあること

これらの条件を満たして雇用保険に加入し、かつ傷病手当の受給条件を満たしていれば、正社員と同様に手当を受け取ることができます。

傷病手当と失業保険(基本手当)はどちらが得か?

働けない状態になったとき、傷病手当と基本手当、どちらを選ぶべきか迷うかもしれません。また、療養が長引く場合は別の選択肢も存在します。

金額は同額|すぐに働けないなら傷病手当を選択

前述の通り、傷病手当の日額と基本手当の日額は同額です。そのため、1日あたりにもらえる金額に損得はありません。

どちらを選ぶかの判断基準は、シンプルに「働ける状態かどうか」です。医師から労務不能と判断されているにもかかわらず、無理に基本手当を受け取ろうと求職活動を行うことは適切ではありません。

働けない状態が15日以上続くのであれば、正直にハローワークに申し出て、傷病手当に切り替えるべきです。傷病手当受給中は、求職活動の義務も免除されるため、治療に専念できます。

受給期間の延長手続きで給付を最大限活用する方法

もし、病気やケガの療養が30日以上長引くことが予想される場合、「傷病手当」を受け取るのではなく、「受給期間の延長」という手続きを選択する方が有利な場合があります。

雇用保険の基本手当は、原則として離職日の翌日から1年間(受給期間)のうちに、所定給付日数のすべてを受け取る必要があります。しかし、病気やケガで30日以上働けない場合は、この受給期間を最大で3年間延長することができるのです。

この延長手続きを行えば、療養中は給付を受けず、回復して働ける状態になってから、改めて基本手当の受給を再開できます。これにより、所定給付日数を満額受け取れる可能性が高まります。

傷病手当を受け取ると、その分、所定給付日数が消化されてしまいます。長期療養が見込まれる場合は、どちらが自分にとって有利か、ハローワークの担当者とよく相談して決めましょう。

受給期間延長の手続きの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
>>失業保険の申請期限はいつまで?「原則1年」のルールと過ぎた場合の対処法を解説

傷病手当と併用できる4つの公的支援制度【生活費が足りない時の選択肢】

傷病手当の支給額は離職前の賃金の約45~80%にとどまるため、療養が長引くと生活費が不足する場面もあります。傷病手当と併用できる公的支援制度を活用すれば、医療費・生活費の負担を大きく軽減できます。

医療費の負担を軽減する高額療養費制度

高額療養費制度は、1か月の医療費自己負担額が一定の上限を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。傷病手当の受給中も、健康保険に加入していれば(任意継続・国保への切替を含む)利用できます。

入院や手術で医療費がかさんだ月でも、自己負担上限額(年齢・所得により月額35,400円~約25万円)を超えた分は戻ってくる仕組みです。事前に「限度額適用認定証」を申請しておけば、窓口での支払い自体を上限額までに抑えられます。

所得区分(70歳未満) 1か月あたりの自己負担上限額の目安
年収約370万円~約770万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
年収約370万円以下 57,600円
住民税非課税世帯 35,400円

申請先は、加入している健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険のいずれかです。

精神疾患の通院費を抑える自立支援医療制度

自立支援医療制度(精神通院医療)は、うつ病・適応障害・統合失調症など精神疾患で継続的な通院が必要な方の医療費自己負担を、原則3割から1割へ軽減する制度です。

世帯の所得に応じて月額の自己負担上限額(2,500円~20,000円程度)も設定されるため、「通院費が高くて治療を諦めかけている」という状況を回避できます。傷病手当の受給中で精神科や心療内科に通っている方には特に有効です。

申請窓口は、お住まいの市区町村の障害福祉担当課です。主治医に診断書(意見書)を作成してもらい、所定の申請書とともに提出します。認定までに1~2か月かかるケースもあるため、早めに動きましょう。

生活費を低利・無利子で借りられる生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得者・障害者・高齢者世帯を対象に、生活費や医療費を低利または無利子で借りられる公的貸付制度です。傷病手当だけでは生活費が足りない期間のつなぎ資金として活用できます。

主な使途には次のようなものがあります。

緊急小口資金:当面の生活費10万円以内(無利子)

総合支援資金:生活再建までの生活費月15万円以内、最大12か月

福祉資金:療養や介護に必要な経費(連帯保証人ありなら無利子)

申請先は、お住まいの社会福祉協議会です。借金とは異なり、収入要件を満たせば返済負担を抑えながら活用できます。

最後のセーフティネットとなる生活保護制度

傷病手当でも生活福祉資金貸付制度でも生活が成り立たない場合、最後のセーフティネットとなるのが生活保護制度です。傷病手当と生活保護は同時利用が可能で、傷病手当を収入として算定したうえで、最低生活費に足りない分が生活保護費として支給されます

生活保護を受けると、医療費(医療扶助)も原則自己負担なしで受けられるため、療養中の不安が大きく軽減します。「生活保護は受けたくない」と感じる方も多いですが、療養中に経済的に追い詰められて状態が悪化するよりは、一時的に活用して回復を優先するという選択肢もあります。

申請先は、お住まいの市区町村の福祉事務所です。

編集部

公的支援制度は、申請して初めて使える制度ばかりです。「自分は対象外かも」と決めつけず、まずは窓口に相談してみましょう。

雇用保険の傷病手当に関するよくある質問(Q&A)

最後に、雇用保険の傷病手当についてよく寄せられる質問をまとめました。

雇用保険で傷病手当はもらえますか?

はい、もらえます。ただし、本記事で解説した4つの条件(①ハローワークでの求職申込後に病気やケガをした、②15日以上働けない、③雇用保険の被保険者期間が一定以上ある、④他の給付を受けていない)をすべて満たす必要があります。

傷病手当と失業保険は両方もらえますか?

いいえ、傷病手当と失業保険(基本手当)を同時に受け取ることはできません。傷病手当は、働けない状態のときに基本手当の代わりに支給されるものです。働ける状態になれば基本手当に、働けない状態であれば傷病手当に、とその時の状態に応じてどちらか一方が支給されます。

ハローワークの傷病手当はいくらもらえますか?

支給額は、失業保険(基本手当)の日額と同額です。これは、離職前6か月間の賃金に基づいて計算され、おおよそ離職前賃金の45%~80%が目安となります。令和7年8月改定後の上限額は、45~59歳の方で1日8,870円、下限額は全年齢共通で2,411円です。

傷病手当の申請に診断書は必要ですか?

一般的に病院が発行する「診断書」そのものではなく、ハローワークが指定する「傷病手当支給申請書」にある医師の証明欄への記入が必要です。この証明書が診断書の代わりとなります。医師に労務不能であった期間などを証明してもらう必要があります。

傷病手当の受給中にアルバイトをしてもいいですか?

原則として、アルバイトはできません。傷病手当は「病気やケガで働くことができない状態」の方に支給されるものです。もしアルバイトをして収入を得た場合、働ける状態とみなされ、手当が不支給となる可能性があります。万が一、収入があった場合は必ずハローワークに申告してください。不正受給と判断されると、厳しい罰則が科されることがあります。

まとめ:雇用保険の傷病手当を正しく理解して生活の安定をつかもう

雇用保険の「傷病手当」は、離職という不安な時期に予期せぬ病気やケガに見舞われた際の生活を支える、非常に重要なセーフティネットです。

健康保険の「傷病手当金」や雇用保険の「基本手当」との違いを正しく理解し、ご自身の状況に合わせて適切な手続きを行うことで、安心して療養に専念できます。受給条件・最新の支給金額(令和7年8月改定)・申請方法・審査落ちの対策・併用できる公的支援制度まで押さえれば、もう迷うことはありません。

編集部

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