生理前になると心身の不調を感じ、悩んでいる方もいるのではないでしょうか?生理前に表れる不調は「PMS(月経前症候群)」の可能性があります。
PMSの症状や程度には個人差があり、人によっては日常生活に影響を与えるケースも少なくありません。しかし、自分の症状やパターンを把握して事前に対策することで、PMSの苦痛を緩和することが可能です。
本記事ではPMSの原因や症状、受診の目安などを解説します。さらに、PMSの症状を緩和する過ごし方も紹介します。また、症状のセルフチェックシートも用意していますので、「自分はPMSなの?」と不安な方はぜひ確認してみてください。
目次
- 1 PMS(月経前症候群)とは?
- 2 PMSの症状|生理前にチェックしてみよう
- 3 PMSは年齢によっても症状や影響が異なる
- 4 PMSとPMDD(月経前不快気分障害)の違い
- 5 PMSの症状を緩和する4つの方法
- 6 当院がPMS・PMDDの診察で確認するポイントと心の変化
- 7 月経前のつらさを来院前から伝えられる当院の初診体制
- 8 月経周期ごとの変化を追いながら進める当院の継続診療
- 9 当院に寄せられるPMS・PMDDのご相談例
- 10 PMS・PMDDで心療内科への相談を考える状態
- 11 PMSに関するよくある質問
- 12 PMS(月経前症候群)の症状がある場合は医療機関で受診しよう
- 13 PMDD(月経前不快気分障害)とは
- 14 PMDD(月経前不快気分障害)の診断基準
- 15 PMDD(月経前不快気分障害)の症状
- 16 PMDD(月経前不快気分障害)のセルフチェック
- 17 PMDD(月経前不快気分障害)の原因
- 18 PMDD(月経前不快気分障害)のよくある質問
- 19 PMDD(月経前不快気分障害)かもしれないと思ったら医師に相談しよう
PMS(月経前症候群)とは?

PMS(月経前症候群)とは、生理前の3〜10日間に精神的・身体的な不調が表れる状態です。症状や程度には個人差があり、多くの場合、生理が始まると症状が軽快もしくは消失するとされています。日本では、生理がある女性の70〜80%ほどが生理前に何らかの症状が見られるといわれており、決して珍しい疾患ではありません。
PMSの原因ははっきりと解明されていませんが、女性ホルモンの変動によるものと考えられています。排卵してから生理が来るまでの間(黄体期)には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。しかし黄体期の後半になると、分泌量は急激に減少します。つまりこの時期は女性ホルモンの分泌が大きく増減するため、バランスが乱れやすくなるのです。こうしたホルモンバランスの乱れが、不調の原因のひとつとして考えられています。ほかにもストレスや生活習慣も、症状の表れ方や程度に影響するとされています。
PMSは、周囲に理解されにくく学校や仕事を休みにくいことから、症状を我慢して生活している方も多いようです。
PMSの症状|生理前にチェックしてみよう

PMSでは、不安やイライラなどの精神的症状と、頭痛や腹痛などの身体的症状が表れます。症状の程度は人によって異なり、症状が重い方は、日常生活や社会活動に支障をきたす場合もあります。
PMSの症状の例としては以下の通りです。
気になる症状があるか、ぜひチェックしてみてください。
- 感情が不安定になる
- イライラする・怒りっぽくなる
- 気分が落ち込む
- 不安が大きくなる
- 日中に眠くなる、もしくは夜に熟睡できない
- 物事に集中できない
- 意欲が湧かない
- 涙もろくなる
- のぼせやすい
- 食欲が出ない、もしくは食べ過ぎてしまう
- めまいがある
- だるさがあり、疲れやすい
- 腹痛、頭痛、腰痛などがある
- 便秘や下痢になる
- 吐き気がある
- むくみやすくなる
- お腹や乳房の張りを感じる
- 肌が荒れやすい
- おりものの量が増える
上記の症状が重いと、学校や仕事に行けなくなったり、人間関係でのトラブルを引き起こしたりする恐れがあります。
生理前にこれらの症状が気になる場合には、まずは婦人科を受診しましょう。それでも精神的症状が強い場合には、精神科や心療内科を受診して医師に相談するのがおすすめです。
PMSは年齢によっても症状や影響が異なる
PMSは年齢によっても、表れる症状や影響が異なるとされています。
10〜20代は、にきびによる肌荒れや眠気などが見られやすい傾向にあります。
一方30〜40代は、仕事だけでなく家事・育児による負担も大きく、疲労感や頭痛などの身体的症状に加えて、イライラや焦燥感などの精神的不調が表れやすいといえるでしょう。
もちろん生活する環境や人によって症状は変わりますが、仕事や家事が手につかず周囲に迷惑をかけてしまったり、人間関係でのトラブルに発展したりするケースも少なくありません。
PMSとPMDD(月経前不快気分障害)の違い
PMSと似た疾患に、精神的不調が顕著に表れる「PMDD(月経前不快気分障害)」という状態があります。
PMSとPMDDの違いは、精神的不調が強く表れているかどうかです。DSM-5(アメリカ精神医学会の診断基準)では、「著しい感情の不安定性」「著しいいらだたしさ」「著しい抑うつ気分」「著しい不安」のうち、1つ以上が存在することが「PMDD」の診断基準の1つとなっています。
PMDDについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
PMSの症状を緩和する4つの方法

PMSの症状は、薬以外でも過ごし方や生活習慣によって緩和させることが可能です。具体的には、以下の点を意識すると効果が期待できます。
- 生活習慣を見直す
- 軽い運動やリラクゼーションを取り入れる
- 休息を取る
- 基礎体温を記録する
気になる症状がある場合は、記録をつけることから始めましょう。症状が表れるタイミングや程度を把握することで対処しやすくなるだけでなく、事前に症状が緩和される過ごし方を意識できるようになります。
1生活習慣を見直す
PMSの症状は、生活習慣が大きく影響している可能性もあります。症状を悪化させる行動は、意識的に避けることが大切です。注意したい生活習慣の具体例としては、以下の通りです。
- カフェインの多いもの(チョコレートを含む)やアルコールの摂取を控える
- 禁煙する
- ストレスをためない
- 栄養バランスのよい食事を摂取する
タンパク質やビタミン、カルシウムを多く含む食材を摂取すると、イライラや不安を落ち着かせて、精神状態の安定をもたらす効果が期待できるとされています。しかしサプリメントなどを摂取する場合は、低用量ピルとの飲み合わせに影響する恐れがありますので、服用前に主治医に問題がないか確認すると安心です。
2.軽い運動やリラクゼーションを取り入れる
ストレスによってPMSの症状が強く表れることもあるため、軽い運動やリラクゼーションを生活に取り入れるのも効果的です。
気分転換やリラックスすることで、ストレスを軽減できます。自分の好きなことに熱中したり、趣味を楽しんだりするのも有効です。
3.休息を取る
PMSの症状が表れているときは、十分な休息を取りましょう。早めの就寝を意識して、規則正しい生活を心がけることが大切です。
症状が強いときには無理をせず、状況によっては学校や仕事を休むことも検討しましょう。
4.基礎体温を記録する
PMSは生理が始まる3〜10日前の黄体期に表れるため、ある程度症状が出るタイミングを予測できます。そこでおすすめなのが、基礎体温を測ることです。
基礎体温は、安静時に測ることが大切なので、朝目覚めて起き上がる前がよいとされています。基礎体温が測定できる専用の体温計を使用すると、より正確に体温を確認できるでしょう。普段よりも約0.3度以上高い時期を高温相と呼び、黄体期はこの期間にあたります。
タイミングを把握することで、無理のないスケジュール管理ができ、規則正しい生活を送ることへの意識づけにつながります。
当院がPMS・PMDDの診察で確認するポイントと心の変化

PMS・PMDDの診察では、精神的な不調が月経前に集中し、月経開始後にどのように変化するかを確認します。
症状の種類だけでなく、仕事や学校、家事、人間関係に生じている影響も大切な判断材料です。
- 精神症状が現れる時期と月経開始後の変化
- イライラ・抑うつ・不安の強さ
- 仕事や家庭生活に生じている支障
- 月経周期と症状を記録したメモ
- 月経前以外にも続く精神的な不調
- 婦人科での検査や治療の状況
月経周期と精神状態の関係を一つずつ整理し、心療内科で対応する症状や婦人科との連携を検討します。
精神症状が現れる時期と月経開始後の変化
PMS・PMDDでは、月経が始まる数日前から気分の落ち込みやイライラが強くなることがあります。
月経開始後に症状が軽くなるか、月経が終わった後も続いているかが重要な確認点です。
毎月同じ時期に不調が繰り返されている場合は、月経周期との関係を把握しやすくなります。
正確な日付を覚えていないときは、直近の月経前後の様子からお伝えください。
イライラ・抑うつ・不安の強さ
月経前になると怒りを抑えられない、突然涙が出る、強い不安に襲われる方がいます。
普段であれば気にならない出来事にも敏感になり、自分を責めてしまう場合もあるでしょう。
診察では、気分の変化がどの程度続き、自分でコントロールできる状態かを確認します。
つらい考えや衝動が現れる場合も、隠さず医師へ相談することが大切です。
仕事や家庭生活に生じている支障
集中力の低下や強い倦怠感により、月経前だけ仕事のミスや欠勤が増えることがあります。
家事や育児が進まず、家族との会話で感情的になってしまうケースも少なくありません。
症状がある日数だけでなく、社会生活へどの程度影響しているかも診察のポイントです。
勤務や家庭内で特に困っている場面を、具体的にお伝えいただけます。
月経周期と症状を記録したメモ
PMS・PMDDの状態を把握するには、月経日と精神症状を継続して記録する方法が役立ちます。
イライラ、不安、抑うつ、眠気などを、その日の程度と一緒に簡単に残す方法です。
手帳やスマートフォンのアプリなど、負担なく続けられる方法で問題ありません。
記録を持参すると、症状が現れる時期や治療後の変化を共有しやすくなります。
月経前以外にも続く精神的な不調
気分の落ち込みや不安が月経前以外にも続く場合は、別の精神疾患が関係している可能性があります。
もともとのうつ病や不安障害が、月経前に一時的に悪化しているケースも考えられるでしょう。
診察では、症状が比較的落ち着く時期があるか、月を通して続いているかを確認します。
過去に精神科や心療内科へ通院した経験がある方は、治療歴もお伝えください。
婦人科での検査や治療の状況
月経不順や強い腹痛、経血量の変化などがある場合は、婦人科での確認が必要です。
すでに婦人科を受診している方には、検査結果や処方されている薬について伺います。
低用量ピルや漢方薬を服用している場合は、お薬手帳などをご持参ください。
身体症状と精神症状の両方が強いときは、婦人科との併診を提案することがあります。
月経前のつらさを来院前から伝えられる当院の初診体制

PMS・PMDDでは、症状が強い時期に予約や受診の手続きを進めることが負担になる場合があります。
当院では、症状が比較的落ち着いている時間に予約と問診を進められる仕組みを用意しています。
- 月経周期に合わせて選択できるオンライン予約
- 空き枠がある場合の当日受診
- 気分の変化を事前に共有できるWEB問診
- 月経前後の経過を確認する30~45分程度の初診
- 婦人科受診の必要性に関するご案内
- 精神症状に対するお薬と診断書の相談
診察時にうまく説明できない方も、事前問診や症状のメモを参考にしながら受診できます。
月経周期に合わせて選択できるオンライン予約
初診予約は、WEBまたはLINEから24時間受け付けています。
電話をかける必要がなく、体調や気分が比較的落ち着いている時間に手続きを進められる方法です。
予約画面に表示されている日時から、受診しやすい時間帯を選択できます。
完全予約制となっているため、予約が確定したことを確認したうえでご来院ください。
空き枠がある場合の当日受診
初診枠に空きがある日は、予約手続きを行った当日に受診できる場合があります。
当日分が埋まっているときは、翌日以降の予約可能な日時から選択する流れです。
予約から受診までの日数は、希望する曜日や時間帯によって変わります。
早めの相談を希望する方は、WEB・LINEに表示される最新の空き枠をご確認ください。
気分の変化を事前に共有できるWEB問診
予約確定後は、来院前にWEB問診へ回答していただきます。
月経前に現れる精神症状や発症時期、仕事への影響、服用中のお薬などを入力する問診です。
対面では伝えにくい怒りや抑うつ、自分を傷つけたい気持ちについても事前に記載できます。
すべてを詳しく説明する必要はなく、答えられる範囲からご入力ください。
月経前後の経過を確認する30~45分程度の初診
初診は、来院からお会計まで30~45分程度が一つの目安です。
症状が現れる時期や月経開始後の変化、生活への影響、過去の治療歴を順番に確認します。
受付は予約時刻の5分前を目安としているため、予約時間に合わせてご来院ください。
症状や確認事項によっては、実際の所要時間が前後する場合があります。
婦人科受診の必要性に関するご案内
月経不順や不正出血、強い腹痛などがある方には、婦人科での診察をおすすめする場合があります。
心療内科では、婦人科領域の検査や低用量ピルの処方に対応できないことがあるためです。
精神的な症状が特に強い場合は、婦人科の治療と並行して心療内科へ通院する方法もあります。
どちらを先に受診すべきか迷う方は、現在の症状を診察時にご相談ください。
精神症状に対するお薬と診断書の相談
強い抑うつや不安、イライラなどに対して、医師が必要と判断した場合はお薬を検討します。
初診当日から処方できることもありますが、症状や併用薬を踏まえた判断が必要です。
精神症状によって勤務や通学が難しい方は、休職・休学の診断書について相談できます。
診断書の発行時期は一律ではなく、月経周期の記録や経過観察が必要となる場合もあります。
月経周期ごとの変化を追いながら進める当院の継続診療

PMS・PMDDの治療では、一時点の気分だけでなく、複数の月経周期を通した変化を確認することが重要です。
精神症状や生活への影響、お薬の効果を振り返りながら、治療内容と通院間隔を調整します。
- 月経周期と精神症状を並べた経過確認
- 抑うつや不安に合わせた薬物療法
- 婦人科で処方された薬との併用確認
- 治療開始後における2週間程度での再診
- 状態が安定した後の月1回程度の通院
- 勤務や家庭環境に合わせた休養の検討
- 月経前以外に続く症状の再評価
治療方法や通院頻度には個人差があるため、その月の症状だけで判断せず、経過を見ながら方針を決定します。
月経周期と精神症状を並べた経過確認
再診では、前回の月経前にどのような精神症状が現れたかを振り返ります。
症状が始まった日や月経後に落ち着いた日を確認すると、周期との関係が分かりやすくなるでしょう。
記録を毎日続けることが難しい場合は、症状が強かった日だけ残す方法でも構いません。
仕事や人間関係で起きた出来事も、症状の変化と合わせて確認します。
抑うつや不安に合わせた薬物療法
PMDDによる強い抑うつや不安には、SSRIなどの抗うつ薬を検討する場合があります。
連日服用する方法や月経前の一定期間に服用する方法があり、症状によって選択肢は異なります。
処方後は気分の変化に加え、吐き気や眠気などの副作用についても確認が必要です。
服用方法や薬の種類は、診察結果を踏まえて医師が判断します。
婦人科で処方された薬との併用確認
低用量ピルや漢方薬などを婦人科から処方されている方は、薬の内容を診察時に確認します。
心療内科のお薬を追加する場合、飲み合わせや重複する副作用への注意が必要です。
お薬手帳がないときは、薬の袋やスマートフォンで撮影した写真でも確認できます。
自己判断で婦人科の薬を中止せず、双方の医師へ服用状況を共有してください。
治療開始後における2週間程度での再診
治療を始めた時期は、2週間に1回程度の再診を目安とする場合があります。
精神症状の変化やお薬の効果、副作用を早い段階で確認することが目的です。
月経周期や処方内容によっては、次回の月経前後に合わせて受診日を設定することもあります。
具体的な再診時期は、初診時の状態を踏まえて医師と相談しながら決定します。
状態が安定した後の月1回程度の通院
精神症状や服薬状況が安定してきた後は、月1回程度の通院へ移行する場合があります。
月経周期ごとの変化を確認するため、症状が軽い月も定期的な振り返りが大切です。
仕事や家庭環境の変化によって、以前より症状が強くなる可能性もあります。
受診間隔を変更したい場合は、自己判断で中断せず医師へご相談ください。
勤務や家庭環境に合わせた休養の検討
月経前の数日間だけ、出勤や家事を続けることが難しくなる方もいます。
毎月無理を重ねることで、睡眠不足や抑うつが強まり、回復に時間がかかる場合もあるでしょう。
勤務状況や家庭内の負担を確認し、休養や職場への配慮が必要かを検討します。
診断書の記載内容や休養期間は、診察時の状態を踏まえた医師の判断です。
月経前以外に続く症状の再評価
治療を続けても月経前以外の抑うつや不安が残る場合は、診断を見直すことがあります。
うつ病や不安障害などが併存していると、月経開始後も症状が十分に軽くならない場合があります。
調子が良い期間の長さや、月を通した気分の変化を確認することが重要です。
症状の経過に合わせて、薬の使い方や治療の優先順位を再検討します。
当院に寄せられるPMS・PMDDのご相談例

PMS・PMDDによる精神症状は、月経前の数日間だけ現れる場合もあれば、長い期間続く場合もあります。
本人の努力では感情を抑えられず、仕事や家族関係への影響をきっかけに受診する方も少なくありません。
- 月経前になると家族への怒りを抑えられないケース
- 強い落ち込みによって仕事を休んでしまうケース
- 月経前だけ人間関係のトラブルが増えるケース
- 不安や涙が止まらず自分を責めるケース
- 月経が始まると精神症状が軽くなるケース
症状の強さや現れる時期、治療による変化には個人差があるため、実際の経過を確認しながら対応します。
月経前になると家族への怒りを抑えられないケース
普段であれば気にならない家族の言動に強く反応し、怒鳴ってしまうことがあります。
感情が落ち着いた後に後悔し、自分を責めてさらに気分が落ち込むケースです。
月経前に同じ状態を繰り返していると、家族関係にも大きな負担が生じます。
症状が現れる時期と家庭内での出来事を整理し、治療方法を検討します。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。
強い落ち込みによって仕事を休んでしまうケース
月経前になると起き上がれないほど気分が落ち込み、出勤できなくなることがあります。
集中力や判断力が低下し、仕事のミスが増える方も少なくありません。
毎月同じ時期に遅刻や欠勤が続くと、職場での評価や本人の自信にも影響します。
勤務状況を確認し、治療とあわせて休養や診断書の必要性を検討します。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。
月経前だけ人間関係のトラブルが増えるケース
月経前になると相手の言葉を否定的に受け取り、同僚やパートナーと衝突することがあります。
普段よりも拒絶に敏感になり、連絡を避けたり関係を終わらせようとしたりする場合もあります。
月経開始後には考え方が変わり、発言や行動を後悔するケースもみられます。
対人関係の変化と月経周期を一緒に振り返ることが大切です。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。
不安や涙が止まらず自分を責めるケース
特別な理由がないにもかかわらず、突然不安が強くなり、涙が止まらなくなることがあります。
「自分には価値がない」「周囲に迷惑をかけている」と考え続けてしまう場合もあるでしょう。
つらい考えが強まり、自分を傷つけたい気持ちが現れるときは早めの相談が必要です。
月経前だけの症状だと我慢せず、現在の状態を医師へお伝えください。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。
月経が始まると精神症状が軽くなるケース
月経前は強い抑うつやイライラがあるものの、月経が始まると急に落ち着くことがあります。
症状のない時期には元気に過ごせるため、医療機関へ相談する必要がないと考える方もいます。
しかし、毎月のように生活や人間関係へ支障が出ている場合は、治療を検討する目安です。
症状が軽くなった時期も含めて記録し、月経周期との関係を確認します。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。
PMS・PMDDで心療内科への相談を考える状態

月経前に気分が変化すること自体は珍しくありませんが、生活へ大きな支障が出ている場合は注意が必要です。
精神症状が強いときや婦人科の治療だけでは改善が不十分なときは、心療内科への相談をご検討ください。
- 毎月繰り返される強い抑うつやイライラ
- 月経前に増える遅刻・欠勤・早退
- 家族やパートナーとの深刻な衝突
- 月経前に現れる強い不安や不眠
- 自分を傷つけたい気持ちや絶望感
- 月経開始後も続く精神症状
月経に伴う一時的な変化と決めつけず、本人や周囲の負担が大きくなっている場合は早めにご相談ください。
毎月繰り返される強い抑うつやイライラ
月経前になるたびに強い抑うつや怒りが現れ、普段どおりに過ごせないことがあります。
症状が毎月繰り返される場合は、偶然の気分変化ではなく月経周期との関係が疑われます。
月経日と症状を記録すると、発症する時期や症状の強さを整理しやすくなるでしょう。
我慢を続けず、日常生活への影響を医師へお伝えください。
月経前に増える遅刻・欠勤・早退
強い倦怠感や気分の落ち込みによって、月経前だけ勤務が難しくなることがあります。
仕事へ行けても集中できず、途中で帰宅する状態を繰り返す方も少なくありません。
毎月同じ時期に勤務へ影響が出ている場合は、治療や職場の配慮を検討する必要があります。
欠勤日や体調の記録があると、診察時に状況を共有しやすくなります。
家族やパートナーとの深刻な衝突
月経前の感情変化によって、家族やパートナーへ強い言葉をぶつけることがあります。
本人も止めたいと考えているものの、その場では怒りを抑えられない場合があります。
関係の悪化や別居など、生活へ大きな影響が出る前に相談することが大切です。
家族との間で起きている状況についても、話せる範囲で医師へお伝えください。
月経前に現れる強い不安や不眠
月経前になると理由のない不安が強まり、落ち着かなくなる方がいます。
考えが止まらず眠れない、夜中に何度も目が覚めるなど、睡眠へ影響する場合もあるでしょう。
睡眠不足が続くと、翌日のイライラや抑うつがさらに強くなる可能性があります。
不安の内容や睡眠時間を確認し、必要な治療を検討します。
自分を傷つけたい気持ちや絶望感
PMDDでは、月経前に強い絶望感や自己否定感が現れる場合があります。
自分を傷つけたい、消えてしまいたいと感じる状態は、早急な相談が必要です。
一人で安全を保てないと感じるときは、家族や身近な方にも状況を伝えてください。
差し迫った危険がある場合は、救急医療機関への相談も必要となります。
月経開始後も続く精神症状
月経が始まっても抑うつや不安が軽くならず、長期間続くことがあります。
この場合は、PMS・PMDDだけでなく、うつ病や不安障害などの可能性も考える必要があります。
月経前とそれ以外の時期で、症状の強さに違いがあるかを確認することが重要です。
精神的な不調が継続している場合は、月経周期を待たずにご相談ください。
PMSに関するよくある質問

ここでは、PMSに関するよくある質問を3つ紹介します。気になる質問がある方は、確認してみてください。
PMSの症状は生理中も続くの?
一般的にPMSは、生理が始まると症状が落ち着くとされています。なかには生理中にも症状が続く方もいるようですが、症状が強くなることはありません。
生理中に症状が強く出る場合は、月経困難症などほかの疾患の可能性があるため、婦人科を受診するのがよいでしょう。「PMSが長引いている」と自分で判断するのは危険です。
PMSについて彼氏や夫に説明したほうがよいの?
PMSではイライラして攻撃的になったり、気持ちが落ち込んだりといった精神的症状が見られることがあります。このような症状が原因で、彼氏や夫などとうまくコミュニケーションが取れずにいると、お互いの関係性に影響を与える恐れもあるでしょう。
事前にPMSについて説明して、理解や協力を得ると安心です。パートナーの理解や協力が得られることで、不安やストレスが軽減され、症状の緩和にもつながります。
しかし人によっては「うまく説明できない」「話してもなかなか理解してもらえない」といったこともあるでしょう。その場合には、一緒に婦人科を受診して専門家の話を聞くのも有効です。
PMSで診断書はもらえるの?
婦人科を受診してPMSと診断されれば、医師に診断書を作成してもらうことも可能です。
PMSに悩まされている方のなかには、症状が重く、日常生活や社会活動に大きな支障をきたしている方もいるでしょう。状況によっては、仕事を休むよう医師に勧められることも少なくありません。その場合、医師に診断書をもらい会社に提出することで、休職できるケースもあります。
PMS(月経前症候群)の症状がある場合は医療機関で受診しよう

PMSの症状や程度は、人や生活環境によって異なります。生活習慣を変えることで、症状が緩和されることもあるでしょう。
しかし、症状が重く日常生活や社会活動に支障をきたしている場合には、各症状を和らげる薬に加え、根本的な治療として低用量ピルや漢方薬が必要なケースもあります。まずは婦人科などの医療機関で受診しましょう。
PMSによる精神的なつらい症状は、「新宿心療内科よりそいメンタルクリニック」でも診察可能です。気になる症状がある方は、ぜひ当院へお越しください。
参考・出典
・月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|公益社団法人 日本産科婦人科学会(JSOG)
・PMS(月経前症候群)とは|一般社団法人 日本家族計画協会(JFPA)
・PMS,PMDDの診断と治療|白土なほ子|昭和大学学士会 昭和学士会誌第77巻第4号
・月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)|社会福祉法人 恩賜財団 京都済生会病院
・精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療
「生理の前はなんだか調子が悪い」「体の症状だけじゃなく、精神的にも症状があるけど大丈夫なのかな……」
このような不安を抱えていませんか?
月経にまつわる悩みやトラブルは、経験したことのある方も多いでしょう。しかし、中には症状が重く、日常生活に支障をきたしてしまうケースもあるのです。月経前に見られる不調のことを、PMS(月経前症候群)といいます。そして、その中でも特に精神的な症状が強く表れている状態を、PMDD(月経前不快気分障害)といいます。
この記事では、PMDD(月経前不快気分障害)の診断基準や症状、原因、治療について解説しています。また、PMS(月経前症候群)やうつ病との違い、よくある質問も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
PMDD(月経前不快気分障害)とは

PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)とは、「月経前不快気分障害」のことです。
月経前に起こる不調はPMS(月経前症候群)と呼ばれ、身体的なものや精神的なもの、またその重症度も人それぞれです。
この症状のうち、精神的な症状を著しく伴うものがPMDD(月経前不快気分障害)に該当するとされています。PMDD(月経前不快気分障害)は、1994年に診断名が定められ、2013年には抑うつ障害群のカテゴリーに分類されました。
PMS(月経前症候群)の中でも、特に精神的な不調が著しい場合に、PMDD(月経前不快気分障害)と診断されるのです。
PMSとの違いは?
PMS(Premenstrual Syndrome)とは「月経前症候群」のことで、月経前3~10日の間に見られる身体的・精神的症状です。月経開始とともに軽快または消失するのが特徴とされています。
PMS(月経前症候群)ではさまざまな症状が表れますが、精神症状が強く見られる場合にはPMDD(月経前不快気分障害)と診断されます。つまり、PMS(月経前症候群)の中でも精神的な不調が強く、日常生活に支障をきたしてしまう状態がPMDD(月経前不快気分障害)です。
そもそも月経とは?
ここで、月経について改めて確認しておきましょう。個人差はありますが、初めての月経である初潮の平均年齢は12歳、そして閉経するのは50歳だといわれています。
排卵が起こることによって子宮内膜が厚くなりますが、受精に至らなかった場合にはこれが剥がれ、体外に排出されます。この仕組みが月経です。
正常な月経は、下記の表の通りです。
| 周期 | 25~38日 |
| 期間 | 3~7日 |
| 経血量 | 20~140ml |
月経周期が不規則な場合を「月経不順」、月経の時期以外の出血を「不正出血」といいます。厚生労働省の調査によると、月経が不規則であると回答したのは21.8%で、そのうち医療機関を受診した経験があるのは43.9%でした。月経不順を自覚していながらも、半数以上は受診していないことがわかります。
PMDD(月経前不快気分障害)の診断基準
PMDD(月経前不快気分障害)について、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)を紹介します。
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A.ほとんどの月経周期において、月経開始前最終週に少なくとも5つの症状が認められ、月経開始数日以内に軽快し始め、月経終了後の週には最小限になるか消失する。 B.以下の症状のうち、1つまたはそれ以上が存在する。 (1)著しい感情の不安定性(例:気分変動:突然悲しくなる,または涙もろくなる、または拒絶に対する敏感さの亢進) (2)著しいいらだたしさ、怒り、または対人関係の摩擦の増加 (3)著しい抑うつ気分、絶望感、自己批判的思考 (4)著しい不安、緊張、および/または“高ぶっている”とか“いらだっている”という感覚 C.さらに、以下の症状のうち1つ(またはそれ以上)が存在し、上記基準Bの症状と合わせると、症状は5つ以上になる。 (1)通常の活動(例:仕事、学校、友人、趣味)における興味の減退 (2)集中困難の自覚 (3)倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如 (4)食欲の著しい変化、過食、または特定の食物への渇望 (5)過眠または不眠 (6)圧倒される、または制御不能という感じ (7)他の身体症状、例えば、乳房の圧痛または腫脹、関節痛または筋肉痛、“膨らんでいる”感覚、体重増加 D.症状は、臨床的に意味のある苦痛をもたらしたり、仕事、学校、通常の社会活動または他者との関係を妨げたりする(例:社会活動の回避;仕事、学校、または家庭における生産性や能率の低下)。 E.この障害は、ほかの障害、例えばうつ病、パニック症、持続性抑うつ障害(気分変調症)、またはパーソナリティ障害の単なる症状の増悪ではない(これらの障害はいずれも併存する可能性はあるが)。 F.基準Aは、2 回以上の症状周期にわたり、前方視的に行われる毎日の評価により確認される(注:診断は、この確認に先立ち、暫定的に下されてもよい)。 注:基準A~Cの症状は、先行する1年間のほとんどの月経周期で満たされていなければならない。 |
出典:日本精神神経学会日本語版用語監修、髙橋三郎ほか監訳:DSMー5精神疾患の診断・統計マニュアル、医学書院、2014
PMDD(月経前不快気分障害)が疑われる場合には、医師が診察して状態を把握し、診断されます。
この診断基準をもとに、PMDD(月経前不快気分障害)はどのような症状が表れるとされているのかを見ていきましょう。
PMDD(月経前不快気分障害)の症状

先に述べたDSM-5の診断基準によると、PMDD(月経前不快気分障害)では、下記の症状のうち1つ以上が存在するとされています(基準B)。
- 著しい感情の不安定性
- 著しいいらだたしさ、怒り、または対人関係の摩擦の増加
- 著しい抑うつ気分、絶望感、または自己批判的思考
- 著しい不安、緊張、および/または“高ぶっている”とか“いらだっている”という感覚
さらに、下記の症状のうち1つ以上が存在し(基準C)、先ほどの基準Bと合わせて5つ以上の症状になるとされています。
- 通常の活動における興味の減退
- 集中困難の自覚
- 倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如
- 食欲の著しい変化、過食、または特定の食物への渇望
- 過眠または不眠
- 圧倒される、または制御不能という感じ
- 他の身体症状
PMDD(月経前不快気分障害)では情緒不安定、怒り、不安、抑うつ気分などの症状が表れ、日常生活に支障をきたしてしまうことがわかるでしょう。
PMDD(月経前不快気分障害)のセルフチェック

月経前の心身の不調によって、「PMDD(月経前不快気分障害)かもしれない……」と不安になることもあるでしょう。
ここでは、PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)のセルフチェックを紹介します。月経開始1週間前頃から表れ、日常生活や仕事などに実際に支障が出ているものを選択するようにしてください。
| 感情が不安定になる |
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| いらだち、怒りの感情があり、対人関係でいさかいが増える |
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| うつっぽさ、絶望感を感じ、自分に批判的になる |
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| 不安、緊張、高ぶっているという感覚がある |
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| 仕事・学校・友人関係・趣味に対しての興味が減る |
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| 集中力が低下する |
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| 疲れやすく、気力がわかない |
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| 食欲が増したり、特定の食べ物を食べたくなる |
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| 過眠または不眠になる |
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| 圧倒される、または自分をコントロールできない感覚がある |
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| 乳房の痛みや張り、関節痛や筋肉痛、頭痛、むくみ、体重増加などの身体症状がある |
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出典:月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD)チェック|ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班)
「はい」と答えた数と内容によって、PMS(月経前症候群)またはPMDD(月経前不快気分障害)の可能性があるかがわかります。なお、セルフチェックの診断結果はこちらを参照してください。
ただし、これはあくまでセルフチェックなので、気になる症状がある場合には医療機関で相談することをおすすめします。
PMDD(月経前不快気分障害)の原因

PMDD(月経前不快気分障害)の原因やメカニズムは正確にはわかっていませんが、黄体ホルモンの変動が関係していると考えられています。PMDD(月経前不快気分障害)の症状が表れるのは、黄体期のエストロゲンが減少する時期と一致しているといえるからです。
また、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの増加を促す薬が有効であることから、神経伝達物質も関与しているのではないかと考えられています。
加えて、PMDD(月経前不快気分障害)がある場合、うつ病の並存率が高い傾向にあります。うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンなど神経伝達物質の減少が原因であるとされています。PMDD(月経前不快気分障害)と神経伝達物質の関係性を裏づける一例といえるでしょう。
PMDD(月経前不快気分障害)のよくある質問

ここでは、PMDD(月経前不快気分障害)に関するよくある5つの質問について見ていきましょう。
- PMDDで受診する目安は?
- PMDDは婦人科と精神科のどっちに行けばいいの?
- PMDDになりやすい人は?
- PMDDとうつ病の違いは?
- 自分でできるPMDD対策はある?
それぞれ詳しく解説していきます。
PMDDで受診する目安は?
月経の前には、何らかの症状を経験したことのある方も少なくないでしょう。PMDD(月経前不快気分障害)は、PMS(月経前症候群)の中でも精神的な症状が顕著に表れている状態です。
厚生労働省の調査によると、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)があるときに「我慢している」と答えたのは38.5%でした。このことから、症状があってもなかなか受診には至っていない現状がわかるでしょう。しかし、日常生活に支障をきたすほどの症状が繰り返し起こる場合には、一度医師に相談することをおすすめします。
PMDDは婦人科と精神科のどっちに行けばいいの?
PMDD(月経前不快気分障害)の症状がある場合、婦人科と精神科のどちらを受診しても問題ありません。しかし、月経周期が不安定だったり、出血量が多かったり少なかったりする場合には、婦人科で相談してみるとよいでしょう。婦人科でPMDD(月経前不快気分障害)と診断されれば、状況に応じて精神科や心療内科に行くことも可能です。
また、「PMDD(月経前不快気分障害)の治療」の章でも述べたように、PMDD(月経前不快気分障害)の薬物療法の第一選択薬はSSRIという抗うつ薬です。そのため、精神的な症状が強い場合には、精神科や心療内科で相談するとよいでしょう。
PMDDになりやすい人は?
一般的に、PMDD(月経前不快気分障害)はストレスによって症状が悪化するといわれています。中でも、家庭や仕事におけるストレスが増加しやすい30代では、症状が悪化しやすいとされています。
PMDD(月経前不快気分障害)のリスク因子として、下記のようなことが考えられています。
- ストレス
- 季節の変化
- マタニティブルー、産褥期うつ病
また、生活習慣の改善によって症状の緩和が期待できる点から、不規則な生活をしている場合にもリスクが高まるといえるでしょう。
PMDDとうつ病の違いは?
PMDD(月経前不快気分障害)とうつ病の違いは、月経が関係しているかどうかです。PMDD(月経前不快気分障害)は月経周期に伴って起こる規則性がありますが、うつ病は月経周期に関係なく症状が表れます。この点が、PMDD(月経前不快気分障害)とうつ病の異なる点だといえるでしょう。
また、DSM-5によると、PMDD(月経前不快気分障害)はうつ病やパニック障害などが増悪したものではないとされています。近しい症状が見られ、ときには並存することもありますが、別個の疾患として位置づけられています。
自分でできるPMDD対策はある?
PMDD(月経前不快気分障害)では、食事や生活習慣の見直しによって症状が改善するケースがあるとされています。食事では、特に動物性タンパク質を摂るとよいでしょう。動物性タンパク質には、鉄や亜鉛、ビタミンB6など、症状緩和の一助となる成分が多く含まれています。また、カフェインの摂りすぎには注意しましょう。
そのほか、ストレスをためないことや適度な運動、規則正しい生活も効果的だといわれています。十分な睡眠やリラックスする時間の確保も、PMDD(月経前不快気分障害)の症状緩和に有効でしょう。
PMDD(月経前不快気分障害)かもしれないと思ったら医師に相談しよう

月経の前には、精神的にも身体的にもあらゆる不調が起こることがあります。この不調はPMS(月経前症候群)と呼ばれ、月経の3~10日前に見られます。PMS(月経前症候群)の中でも精神的な症状が顕著に表れている状態が、PMDD(月経前不快気分障害)です。主な症状は、情緒不安定や怒り、抑うつ気分、不安などで、加えて身体的な症状が表れることもあります。これらによって日常生活に支障をきたしている場合に、PMDD(月経前不快気分障害)が疑われます。
PMDD(月経前不快気分障害)の原因ははっきりと解明されていませんが、黄体ホルモンが関係していると考えられています。治療は、まず生活習慣の見直しをおこない、改善が見られなければ薬物療法をおこないます。薬物療法の第一選択薬は、SSRIと呼ばれる抗うつ薬です。
PMDD(月経前不快気分障害)とうつ病は似ている点もありますが、月経周期に関係しているかどうかが異なります。月経開始とともに症状が軽快・消失することから、我慢してしまう方も少なくないでしょう。しかし、適切な治療によって対処できることもあるのです。気になる症状がある場合には、まずは受診してみることが大切です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

精神科医・産業医
三重大学医学部卒業後、桑名市総合医療センターで初期研修を修了。
その後、南勢病院精神科での勤務、かわいクリニック/新宿よりそいメンタルクリニックでの診療を経て独立。
日本精神神経学会に所属し、日本医師会認定産業医としても活動。
https://tomo-mental.com
参考サイト・文献
・PMS、PMDDの診断と治療|白土なほ子|J-STAGE
・精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療|大坪天平|J-STAGE
・月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|日本産科婦人科学会
・産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020|日本産科婦人科学会
・月経について|働く女性の心とからだの応援サイト(厚生労働省委託事業)
・「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす 影響に関する調査」単純集計結果(2022年3月28日)|厚生労働省
・月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD)チェック|ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)
・月経前症候群(PMS)|日本女性心身医学会