「失業手当、自分はいくらもらえる?」
退職を考え始めたとき、最も気になるのがお金の問題ではないでしょうか。
失業手当の金額は、年齢・退職前の給与・離職理由によって一人ひとり異なります。
この記事では、シミュレーション(シュミレーション)で自分がどのくらい受給できるのかをまとめています。
編集部本記事は社会保険労務士が在籍する編集部が、雇用保険法・厚生労働省の公式情報に基づき作成しています。最新情報は必ずハローワークでご確認ください。
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70万80万
| 退職区分 | 給付日数 | 給付総額 |
|---|---|---|
| 自己都合 | — | — |
| 当サービス利用おすすめ | — | — |
失業手当の計算方法をシミュレーション付きで3ステップ解説
シミュレーターで算出された金額が、どのような仕組みで決まるのかを知っておくと、より深く制度を理解できます。失業手当の支給総額は、以下の3つのステップで計算されます。
- 賃金日額を計算する
- 基本手当日額を計算する
- 支給総額を計算する
それぞれの手順を、具体的な例を交えながら見ていきましょう。
ステップ1:賃金日額を計算する
まず、退職前のおおよその日給にあたる「賃金日額」を算出します。
計算式:退職前6ヶ月間の給与総額 ÷ 180日
「給与総額」とは、基本給だけでなく、残業代や通勤手当、役職手当などを含んだ、保険料や税金が引かれる前の金額です。ただし、賞与(ボーナス)や退職金は含みません。
【計算例】
退職前6ヶ月間の給与総額が180万円だった場合
1,800,000円 ÷ 180日 = 10,000円
この場合の賃金日額は10,000円となります。
ステップ2:基本手当日額を計算する
次に、1日あたりに支給される失業手当の金額である「基本手当日額」を計算します。これは、ステップ1で算出した賃金日額に、国が定めた「給付率」を掛けて算出します。
計算式:賃金日額 × 給付率(約50%~80%)
給付率は、賃金日額が低い人ほど高く、高い人ほど低く設定されています。これは、低所得者層の生活をより手厚く保障するための仕組みです。給付率は年齢によっても異なります。
【年齢別・賃金日額に応じた給付率の目安】
| 離職時の年齢 | 賃金日額 | 給付率 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 3,014円以上 5,340円未満 | 80% |
| 5,340円以上 13,140円以下 | 50%~80% | |
| 13,140円超 14,510円以下 | 50% | |
| 30~44歳 | 3,014円以上 5,340円未満 | 80% |
| 5,340円以上 13,140円以下 | 50%~80% | |
| 13,140円超 16,110円以下 | 50% | |
| 45~59歳 | 3,014円以上 5,340円未満 | 80% |
| 5,340円以上 13,140円以下 | 50%~80% | |
| 13,140円超 17,740円以下 | 50% | |
| 60~64歳 | 3,014円以上 5,340円未満 | 80% |
| 5,340円以上 11,800円以下 | 45%~80% | |
| 11,800円超 16,940円以下 | 45% |
※2025年8月1日時点の金額。毎年8月1日に改定されます。
【計算例】
賃金日額が10,000円、年齢が35歳の場合、給付率は50%~80%の範囲で計算されます。
仮に給付率が約60%だとすると、
10,000円 × 60% = 6,000円
この場合の基本手当日額は6,000円となります。
なお、基本手当日額には上限額が定められています。賃金日額が非常に高い場合でも、上限額以上の手当は支給されません。
ステップ3:支給総額を計算する
最後に、失業手当をいくら受け取れるかの総額を計算します。
計算式:基本手当日額 × 所定給付日数
「所定給付日数」とは、失業手当を受け取れる最大の日数のことで、離職理由や年齢、雇用保険の被保険者期間によって決まります。(詳しくは後述)
【計算例】
基本手当日額が6,000円、所定給付日数が90日だった場合
6,000円 × 90日 = 540,000円
この場合の支給総額の目安は540,000円となります。
失業手当の計算結果を左右する「2025年8月改定」の変更点
失業手当の計算に使われる基本手当日額の上限額・下限額は、毎年8月1日に改定されます。2025年8月の改定では全年齢区分で引き上げが行われました。ここでは改定前後の具体的な変動幅と、シミュレーション結果への影響をまとめています。
基本手当日額の上限額・下限額はいくら変わった?
2025年8月の改定により、基本手当日額の上限額は全年齢区分で190円〜235円アップしました。下限額も116円引き上げられています。
以下の表で、改定前(2024年8月〜)と改定後(2025年8月〜)の差額を確認してみてください。
【基本手当日額の上限額:新旧比較表】
| 年齢区分 | 改定前(〜2025年7月) | 改定後(2025年8月〜) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 29歳以下 | 7,065円 | 7,255円 | +190円 |
| 30〜44歳 | 7,845円 | 8,055円 | +210円 |
| 45〜59歳 | 8,635円 | 8,870円 | +235円 |
| 60〜64歳 | 7,420円 | 7,623円 | +203円 |
【下限額】
| 改定前 | 改定後 | 差額 | |
|---|---|---|---|
| 全年齢共通 | 2,295円 | 2,411円 | +116円 |
参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更〜令和7年8月1日から〜」
2025年8月改定が失業手当の計算に与える影響と注意点
上限額の引き上げにより、退職前の月収が高い方ほどシミュレーション結果が改善します。たとえば45〜59歳で上限に該当する方は、給付日数が90日でも約2万円、330日なら約7.7万円ほど受給総額が増える計算です。
一方で、注意点が2つあります。改定の適用は「受給資格の決定日」ではなく、基本手当日額が計算された時点の基準が使われること。
【月収別】失業手当の計算シミュレーション早見表
より具体的にイメージできるよう、月収別の支給額の目安を早見表にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。
※あくまでシミュレーションであり、実際の支給額を保証するものではありません。
手取り20万円(月収25万円)の失業手当シミュレーション
退職前6ヶ月の平均月収が25万円(賞与除く)だった場合の目安です。
| 離職理由 | 雇用保険加入期間 | 所定給付日数 | 1日あたりの支給額(目安) | 支給総額(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 自己都合 | 10年未満 | 90日 | 約5,500円 | 約495,000円 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 約5,500円 | 約660,000円 | |
| 会社都合 | 5年未満(30歳) | 120日 | 約5,500円 | 約660,000円 |
| 5年以上10年未満(35歳) | 210日 | 約5,500円 | 約1,155,000円 |
手取り30万円(月収38万円)の失業手当シミュレーション
退職前6ヶ月の平均月収が38万円(賞与除く)だった場合の目安です。
| 離職理由 | 雇用保険加入期間 | 所定給付日数 | 1日あたりの支給額(目安) | 支給総額(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 自己都合 | 10年未満 | 90日 | 約6,300円 | 約567,000円 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 約6,300円 | 約756,000円 | |
| 会社都合 | 5年未満(30歳) | 120日 | 約6,300円 | 約756,000円 |
| 5年以上10年未満(35歳) | 210日 | 約6,300円 | 約1,323,000円 |
手取り40万円(月収50万円)の失業手当シミュレーション
退職前6ヶ月の平均月収が50万円(賞与除く)だった場合の目安です。
| 離職理由 | 雇用保険加入期間 | 所定給付日数 | 1日あたりの支給額(目安) | 支給総額(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 自己都合 | 10年未満 | 90日 | 約7,500円 | 約675,000円 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 約7,500円 | 約900,000円 | |
| 会社都合 | 5年未満(30歳) | 120日 | 約7,500円 | 約900,000円 |
| 5年以上10年未満(35歳) | 210日 | 約7,500円 | 約1,575,000円 |
2025年8月1日改定の最新データが確認できました。厚生労働省の一次情報をもとに、2025年8月改定版で修正します。
離職理由の見直しで給付日数が2倍以上になるケースもあります。自分が該当するか確認したい方は、退職給付金サポート に相談してみましょう。
【年齢別】失業手当の基本手当日額早見表
前章では月収をベースにした支給総額の目安をご紹介しました。ここでは、計算の核となる「基本手当日額」を、賃金日額と年齢区分ごとに一覧表にまとめています。自分の賃金日額を算出したうえで、該当する年齢の表をチェックしてみてください。
参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更~令和7年8月1日から~」
29歳以下の基本手当日額早見表
29歳以下の方は、基本手当日額の上限が全年齢区分の中で最も低い7,255円です。月収が高い方でも、1日あたりの受給額はこの上限で頭打ちになる点を押さえておきましょう。
一方で、賃金日額が低い場合は給付率が最大80%まで適用されます。手取りに対する補填率は比較的高くなるので、新卒数年目で退職した方でも一定の生活保障を受けられる仕組みになっています。
| 賃金日額(円) | 給付率 | 基本手当日額の目安(円) |
|---|---|---|
| 3,014〜5,340未満 | 80% | 2,411〜4,271 |
| 5,340〜13,140以下 | 50%〜80% | 4,272〜6,570 |
| 13,140超〜14,510以下 | 50% | 6,570〜7,255 |
| 14,510超 | ー | 7,255(上限額) |
30〜44歳の基本手当日額早見表
30〜44歳は、住宅ローンや子育てなど支出が増える時期にあたります。この年齢区分では、29歳以下よりも上限額が約800円高い8,055円に設定されており、退職前の給与水準がより反映されやすくなっています。
ただし、賃金日額が高くなるほど給付率は段階的に低下します。月収30万円以上だった方は上限に近づきやすいため、あらかじめ確認しておくと退職後の資金計画を立てやすいでしょう。
| 賃金日額(円) | 給付率 | 基本手当日額の目安(円) |
|---|---|---|
| 3,014〜5,340未満 | 80% | 2,411〜4,271 |
| 5,340〜13,140以下 | 50%〜80% | 4,272〜6,570 |
| 13,140超〜16,110以下 | 50% | 6,570〜8,055 |
| 16,110超 | ー | 8,055(上限額) |
45〜59歳の基本手当日額早見表
45〜59歳は、全年齢区分の中で基本手当日額の上限が最も高い8,870円です。管理職・専門職として高い給与を得ていた方が多い年代であり、再就職までの生活保障を手厚くする趣旨で設計されています。
さらに会社都合退職の場合は給付日数が最大330日と長くなります。基本手当日額×給付日数の掛け合わせで、受給総額が他の年代より100万円以上多くなるケースもあります。
| 賃金日額(円) | 給付率 | 基本手当日額の目安(円) |
|---|---|---|
| 3,014〜5,340未満 | 80% | 2,411〜4,271 |
| 5,340〜13,140以下 | 50%〜80% | 4,272〜6,570 |
| 13,140超〜17,740以下 | 50% | 6,570〜8,870 |
| 17,740超 | ー | 8,870(上限額) |
60〜64歳の基本手当日額早見表
60〜64歳は、定年退職後に受給するケースが多い年齢区分です。他の年代と異なり、給付率の下限が45%と低めに設定されているのが特徴になります。
そのため退職前の給与が高かった方ほど、想定よりも日額が低いと感じることがあるかもしれません。また、老齢厚生年金との併給調整により年金が一部支給停止になる場合もあるため、受給前にハローワークで詳細を確認しておきましょう。
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
| 賃金日額(円) | 給付率 | 基本手当日額の目安(円) |
|---|---|---|
| 3,014〜5,340未満 | 80% | 2,411〜4,271 |
| 5,340〜11,800以下 | 45%〜80% | 4,272〜5,310 |
| 11,800超〜16,940以下 | 45% | 5,310〜7,623 |
| 16,940超 | ー | 7,623(上限額) |
※すべて2025年8月1日改定時点の金額です。上限額・下限額は毎年8月1日に改定されます。
失業手当の給付日数は離職理由・年齢・加入期間で決まる
失業手当を受け取れる最大の日数(所定給付日数)は、「離職理由」「年齢」「雇用保険の被保険者期間」の3つの要素によって決まります。倒産や解雇など、予期せぬ理由で離職を余儀なくされた「会社都合退職」の方が、自己都合退職に比べて手厚く設定されています。
失業手当の給付日数一覧|自己都合退職の場合
自分の意思で退職した場合(転職、独立など)の給付日数は以下の通りです。
| 被保険者期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
失業手当の給付日数一覧|会社都合退職(特定受給資格者)の場合
倒産、解雇、退職勧奨など、会社の都合によって離職した場合は「特定受給資格者」に該当し、給付日数が優遇されます。
| 被保険者期間 | 30歳未満 | 30~34歳 | 35~44歳 | 45~59歳 | 60~64歳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年未満 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 |
| 1年以上5年未満 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 150日 |
| 5年以上10年未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | 180日 |
| 10年以上20年未満 | 180日 | 210日 | 240日 | 270日 | 210日 |
| 20年以上 | – | 240日 | 270日 | 330日 | 240日 |
また、正当な理由のある自己都合退職(家族の介護、病気、大幅な賃金低下など)をした「特定理由離職者」も、特定受給資格者と同様の給付日数となります。
就職困難者の場合の給付日数
障害のある方など、就職が特に困難であると認められた方の給付日数は、さらに手厚くなっています。
| 被保険者期間 | 45歳未満 | 45歳以上65歳未満 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 150日 | 150日 |
| 1年以上 | 300日 | 360日 |
特定理由離職者の給付日数
自己都合退職であっても、やむを得ない正当な理由がある場合は「特定理由離職者」として認定され、給付日数や給付制限の面で優遇される場合があります。
特定理由離職者に該当する主なケース
- 病気やけがにより離職した
- 妊娠・出産・育児により離職した
- 父母の介護・看護のために離職した
- 配偶者の転勤等で通勤が困難になり離職した
- 有期雇用契約が更新されなかった(本人は更新を希望)
特定理由離職者は大きく2つの区分に分かれており、区分によって給付日数が異なります。
| 区分 | 主な離職理由 | 給付日数 | 給付制限 |
|---|---|---|---|
| 特定理由離職者① | 有期雇用で更新を希望したが更新されなかった | 90日〜330日(特定受給資格者と同等) | なし(待期7日のみ) |
| 特定理由離職者② | 病気・けが・妊娠・介護・通勤困難など | 90日〜150日(一般の離職者と同等) | なし(待期7日のみ) |
ポイントは、どちらの区分でも自己都合退職のような2ヶ月の給付制限がない点です。通常の自己都合退職では、待期期間7日に加えて原則2ヶ月間は失業手当が支給されませんが、特定理由離職者は待期期間の7日が終わればすぐに給付が始まります。
なお、特定理由離職者①が特定受給資格者と同じ給付日数になるのは2027年3月31日までの時限措置とされています。延長されなかった場合は、一般の離職者と同じ90日〜150日に戻る可能性があるため、最新情報を確認しておきましょう。
自分が特定理由離職者に該当するかどうかは、最終的にハローワークが離職票の内容や状況をもとに判断します。該当しそうな理由で退職する場合は、離職票の記載内容に間違いがないか確認し、必要に応じて医師の診断書などの証明書類を準備しておくとスムーズです。
参考:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
失業手当の受給条件|もらえる人・もらえない人の違い
失業手当は、退職した人全員がもらえるわけではありません。受給するためには、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。
- 原則として、離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること
- ハローワークで求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあること
これらの条件は、離職理由によって少し異なります。
失業手当の受給条件|自己都合退職の場合
転職や独立など、自己都合で退職した場合は、原則通り「離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上」必要です。
失業手当の受給条件|会社都合退職の場合
倒産・解雇など会社都合で離職した「特定受給資格者」や「特定理由離職者」の場合は、条件が緩和されます。「離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上」あれば受給対象となります。
受給条件の詳細をさらに知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>失業保険の条件とは?12ヶ月以上の加入で受給可能!自己都合・会社都合別解説
失業手当はいつから振り込まれる?受給までの5つの流れ
退職してから実際に失業手当が振り込まれるまでには、いくつかのステップがあります。全体の流れを把握しておきましょう。
STEP1:ハローワークで求職の申込み
退職後、会社から「離職票」が届いたら、自分の住所を管轄するハローワークへ行き、「求職の申込み」を行います。この日が受給資格の決定日となります。
- 雇用保険被保険者離職票(1・2)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カードなど)
- 身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 証明写真2枚(縦3.0cm×横2.5cm)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
STEP2:7日間の待期期間
求職の申込みをした日から7日間は「待期期間」となり、この期間中は失業手当は支給されません。これは、本当に失業している状態かを確認するための期間です。
STEP3:雇用保険説明会への参加
ハローワークから指定された日時に開催される「雇用保険説明会」に参加します。失業手当の受給に関する重要な説明が行われ、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。
STEP4:失業の認定
原則として4週間に1度、指定された「失業認定日」にハローワークへ行き、失業状態にあることの認定を受けます。この際、求職活動の実績を「失業認定申告書」に記入して提出する必要があります。
自己都合で退職した場合、7日間の待期期間満了後、さらに原則1ヶ月間の「給付制限期間」があります(2025年4月の法改正により、原則2ヶ月から1ヶ月に短縮。さらに、離職日前1年以内に自発的に教育訓練を受けていた場合は給付制限そのものが免除されます)。
この期間中は失業手当が支給されません。
※過去5年間に2回以上自己都合退職をしている場合は、給付制限が3ヶ月になる場合があります。
STEP5:失業手当の振込
失業の認定を受けると、通常5営業日ほどで、指定した金融機関の口座に失業手当が振り込まれます。これが初回振込となり、以降は再就職が決まるか、所定給付日数が終了するまで「STEP4:失業の認定」と「STEP5:振込」を繰り返します。
手続きの流れや必要書類をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事で5ステップで解説しています。
>>失業保険のもらい方を5ステップで解説!条件・必要書類・金額計算まで網羅
>>失業手当はいつから?自己都合・会社都合の給付開始日と条件を解説
失業手当の計算で損しないための注意点3つ
失業手当の計算方法や受給の流れを理解しても、見落としやすい落とし穴がいくつかあります。ここでは、受給前に必ず押さえておきたい3つの注意点を解説します。知らずに損をしてしまうケースも少なくないので、退職前の段階でチェックしておいてください。
賞与・ボーナスは計算に含まれない
失業手当の計算ベースとなる「賃金日額」には、賞与(ボーナス)や退職金は含まれません。あくまで毎月の給与(基本給+残業代+通勤手当+各種手当)が対象です。
そのため、年収に占めるボーナスの割合が大きい方は、想定よりも基本手当日額が低くなる傾向があります。たとえば年収500万円でも、月給25万円+ボーナス200万円という給与体系の場合、賃金日額の計算に使われるのは月給25万円×6ヶ月=150万円のみです。
退職前にシミュレーションする際は、ボーナスを差し引いた「月給ベース」の金額で計算するようにしましょう。
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
受給中の税金・社会保険料の扱い
失業手当は非課税であり、所得税や住民税はかかりません。確定申告で収入として申告する必要もないため、この点は安心してください。
ただし注意が必要なのは、退職後の社会保険料は自分で負担しなければならない点です。会社を辞めると厚生年金から国民年金へ、健康保険から国民健康保険(または任意継続)への切り替えが必要になります。
| 項目 | 在職中 | 退職後 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 会社と折半 | 国保 or 任意継続で全額自己負担 |
| 年金 | 厚生年金(会社と折半) | 国民年金(月額17,920円※) |
| 所得税 | 給与から天引き | 失業手当は非課税 |
| 住民税 | 給与から天引き | 前年所得ベースで請求が届く |
※国民年金保険料は2026年(令和8年度)の金額です。
特に住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職後に収入がなくても請求が届きます。失業手当から天引きされるわけではないので、退職前にこれらの支出を見込んだ資金計画を立てておくことが大切です。
退職後に経済的に厳しい場合は、国民年金の免除・猶予制度や、国民健康保険の減額制度を利用できる場合があります。お住まいの市区町村役場で相談してみてください。
参考:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
退職後の健康保険の切り替えに必要な資格喪失証明書の入手方法や手続きの流れは、以下の記事で解説しています。
>>資格喪失証明書とは?どこでもらえる?書き方・手続き・届かない時の対処法
受給すると被保険者期間はリセットされる
意外と知られていないのが、失業手当の受給資格が決定すると、それまで積み上げた雇用保険の被保険者期間がゼロにリセットされるという点です。
たとえば、10年間勤めた会社を退職し、失業手当を受給した後に再就職した場合、次に離職した際の被保険者期間は再就職先での加入期間のみでカウントされます。もし再就職後に短期間で再び退職してしまうと、被保険者期間が12ヶ月に満たず、失業手当を受給できない可能性があります。
また、給付日数は被保険者期間によって決まるため、リセット後は給付日数が大幅に短くなるケースもあります。「とりあえずもらっておこう」と安易に受給するのではなく、再就職の見通しも含めて判断することが重要です。
参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
失業手当の受給額を増やすための3つのポイント
失業手当の金額は制度で自動的に決まるものですが、知っているかどうかで受給額に大きな差がつくポイントが3つあります。離職理由の見直し、給付制限の短縮、そして賃金日額を少しでも上げる工夫について解説します。
自己都合でも会社都合に変更できる?具体的な相談手順
結論から言うと、自己都合退職でも「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に変更できるケースがあります。 たとえば、残業が月45時間を超えていた、給与が大幅にカットされた、ハラスメントを受けていたなどの事情がある場合です。
変更が認められると、給付日数が最大2倍以上に増え、さらに2ヶ月の給付制限もなくなります。
手順としては、退職前に残業時間の記録・給与明細・メールなどの証拠を保全しておき、ハローワークで求職申込みをする際に離職理由について異議を申し立てます。最終的な判断はハローワークが行うため、証拠書類の準備が何より重要です。
参考:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
なお、退職給付金と失業手当の違いや、両方受け取る条件については以下の記事で詳しく解説しています。
>>退職給付金と失業手当の違いとは?両方もらえる5つの条件を徹底比較
給付制限を1ヶ月に短縮できる教育訓練の具体例と申請手順
2025年4月の雇用保険法改正により、自己都合退職でも離職日前1年以内に自発的に教育訓練を受けていた場合、給付制限が原則2ヶ月→1ヶ月に短縮されます。
対象となる教育訓練の具体例は以下の通りです。
- 一般教育訓練:TOEIC対策講座、簿記検定講座、ITパスポート講座など
- 特定一般教育訓練:大型自動車免許、税理士講座、介護職員初任者研修など
- 専門実践教育訓練:看護師・美容師などの専門学校、MBA、プログラミングスクールなど
申請手順は、ハローワークに教育訓練の修了証明書を提出するだけです。退職を検討し始めた段階で対象講座を受講しておくと、給付制限の短縮に加え、教育訓練給付金(受講費用の最大70%支給)も受けられる可能性があります。
参考:厚生労働省「教育訓練給付制度」
退職前にできる「賃金日額を上げる」工夫
賃金日額は退職前6ヶ月間の給与総額÷180日で計算されるため、この6ヶ月間の給与が高いほど失業手当も増えます。
具体的には、以下のような工夫が考えられます。
| 工夫 | 効果 |
|---|---|
| 残業代が多い時期に退職時期を合わせる | 直近6ヶ月の給与総額が上がり、賃金日額が増加 |
| 通勤手当・住宅手当が反映される月を含める | 各種手当は賃金日額の計算に含まれる |
| ボーナス月を避けて退職する | 賞与は計算に含まれないため、月給が多い月を6ヶ月に入れる方が有利 |
注意点として、不正に給与を操作する行為は雇用保険法違反となります。あくまで「退職時期の選び方」として、自然な範囲で意識するのがポイントです。
再就職手当の計算方法と受給条件|シミュレーション付き
失業手当を受給中に早期再就職が決まった場合、残りの給付日数に応じて「再就職手当」を一括で受け取れます。 「早く就職すると損」と思われがちですが、再就職手当を含めるとトータルの受給額が上回るケースも少なくありません。ここでは計算方法と受給条件を確認しておきましょう。
再就職手当の計算方法と支給額の目安
再就職手当は、以下の計算式で算出されます。
再就職手当 = 基本手当日額 × 所定給付日数の残日数 × 給付率
給付率は、残日数が多いほど高く設定されています。
| 条件 | 給付率 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上を残して再就職 | 70% |
| 所定給付日数の3分の1以上を残して再就職 | 60% |
【計算例】 基本手当日額6,000円・所定給付日数90日の方が、残日数70日(3分の2以上)で再就職した場合 6,000円 × 70日 × 70% = 294,000円 この場合、再就職手当として約29万円を一括で受け取れます。
なお、再就職手当の計算に使う基本手当日額には上限があり、2025年8月改定時点で6,570円(60〜64歳は5,310円)です。失業手当の上限額とは異なるため注意してください。
参考:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」
参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります〜令和7年8月1日から〜」
再就職手当の受給条件と申請の流れ
再就職手当を受け取るには、以下の主な条件をすべて満たす必要があります。
- 7日間の待期期間が満了した後に就職したこと
- 所定給付日数の3分の1以上が残っていること
- 再就職先が前職と密接な関係にないこと
- 再就職先で1年以上の雇用が見込まれること
- 再就職先で雇用保険に加入すること
- 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受給していないこと
自己都合退職の場合は追加条件があり、待期期間+給付制限の最初の1ヶ月間はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による再就職に限られます。
申請の流れは、再就職が決まったらハローワークに報告し、入社日の翌日から1ヶ月以内に「再就職手当支給申請書」を提出します。申請後、約1〜2ヶ月で指定口座に振り込まれるのが一般的です。
参考:厚生労働省「Q&A〜労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)〜」
65歳以上の失業手当|高年齢求職者給付金の計算と条件
65歳以上で退職した場合、失業手当(基本手当)ではなく「高年齢求職者給付金」という別の制度が適用されます。 支給方法や日数が基本手当とは大きく異なるため、定年退職を控えている方や65歳以降も働いている方は事前に違いを把握しておきましょう。
高年齢求職者給付金の計算方法と給付日数
高年齢求職者給付金の計算式は、失業手当と同じく「基本手当日額 × 給付日数」です。ただし、大きな違いは給付日数が非常に短く、一時金として一括支給される点にあります。
| 雇用保険の被保険者期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 30日分 |
| 1年以上 | 50日分 |
【計算例】 基本手当日額5,000円・被保険者期間が3年の場合 5,000円 × 50日 = 250,000円 この場合、25万円が一時金として一括で振り込まれます。
受給条件は、離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あることです。失業手当の「2年間に12ヶ月以上」よりも条件が緩和されています。
参考:ハローワークインターネットサービス「高年齢求職者給付金」
失業手当(基本手当)との違い
高年齢求職者給付金と失業手当は混同されやすいですが、制度の仕組みがまったく異なります。 以下の表で主な違いを整理しました。
| 比較項目 | 失業手当(基本手当) | 高年齢求職者給付金 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 65歳未満 | 65歳以上 |
| 支給方法 | 4週間ごとに分割支給 | 一時金として一括支給 |
| 給付日数 | 90日〜330日 | 30日または50日 |
| 年金との併給 | 老齢厚生年金は支給停止 | 老齢厚生年金と併給可能 |
| 受給に必要な被保険者期間 | 原則12ヶ月以上 | 6ヶ月以上 |
注目すべきは年金との併給が可能な点です。65歳未満で失業手当を受給すると老齢厚生年金が一部停止されますが、高年齢求職者給付金にはこの制限がありません。定年退職後のライフプランを考えるうえで、大きなメリットといえるでしょう。
参考:日本年金機構「65歳になるまでの年金と雇用保険の調整」
失業手当の計算に関するよくある質問
Q1:失業手当の計算に使う「月収」にはボーナスも含まれますか?
A1:ボーナス(賞与)と退職金は含まれません。計算に使うのは、基本給・残業代・通勤手当・各種手当を合計した「額面の月給」です。退職前6ヶ月分の月給合計を180で割った金額が賃金日額になります。
Q2:パートやアルバイトでも失業手当をもらえますか?
A2:雇用保険に加入していれば、パート・アルバイトでも受給できます。原則として離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あることが条件です。週20時間以上勤務していた方は加入している可能性が高いので、離職票で確認してみてください。
Q3:失業手当を受給すると確定申告は必要ですか?
A3:失業手当は非課税のため、確定申告で収入として申告する必要はありません。ただし、退職した年に給与所得があった場合は、年末調整が済んでいなければ確定申告で税金が還付される可能性があります。
Q4:自己都合退職だと、失業手当が振り込まれるのはいつ頃ですか?
A4:自己都合退職の場合、ハローワークでの手続き後に7日間の待期期間と原則2ヶ月の給付制限があります。そのため、初回の振込は退職からおおむね2ヶ月半〜3ヶ月後が目安です。教育訓練を受けていれば給付制限が1ヶ月に短縮されます。
Q5:失業手当と再就職手当は両方もらえますか?
A5:同時にはもらえませんが、失業手当の受給中に早期再就職が決まった場合、残りの給付日数に応じて再就職手当を一括で受け取れます。給付日数の3分の2以上を残して再就職すると給付率70%が適用され、トータルの受給額が増えるケースもあります。
まとめ:失業手当の計算シミュレーションを活用して退職後の不安をなくそう
失業手当の受給額は、賃金日額・給付率・給付日数の3つで決まります。本記事のシミュレーターや早見表を使えば、自分がいくらもらえるかの目安はすぐに把握できるでしょう。
ただし、離職理由の区分が変わるだけで給付日数が2倍以上になるケースもあり、自己判断だけでは損をしてしまう可能性があります。
「自分は会社都合に該当するのか」「給付制限を短くする方法はあるか」など、少しでも疑問があれば退職給付金サポートに相談してみてください。相談実績1,000件超・満足度98%のプロが、あなたに合った受給プランを無料でアドバイスしてくれます。
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