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退職給付金と失業手当の違いとは?両方もらえる5つの条件を徹底比較

「退職給付金」と「失業手当」は、どちらも退職後に受け取れるお金ですが、この2つの違いを正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

結論から言えば、退職給付金と失業手当はまったく別の制度であり、条件を満たせば両方とも受け取れます。

この記事では、2つの制度の根本的な違いを7項目の比較表で整理した上で、受給条件・金額の目安・申請方法・入金スケジュール・併給時の注意点まで網羅的に解説しています。

編集部
パートやアルバイトの方が対象になるケースや、受給中のアルバイト・扶養のルールなど、他では見落としがちなポイントもカバーしました。退職後のお金で損をしたくない方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

退職給付金とは?退職金・失業手当だけじゃない退職後にもらえるお金の総称

「退職給付金」は、特定の制度を指す法律用語ではありません。退職をきっかけに受け取れる可能性のあるお金全般を広く指す総称として使われています。多くの方が「退職給付金=退職金」と思いがちですが、実は国の公的な給付も含まれるのが特徴です。ここでは、退職給付金に含まれる制度の全体像と、その中でも代表的な「退職金」と「失業保険」の位置づけを確認していきましょう。

退職給付金に含まれる主な制度一覧

退職給付金は、大きく「企業が支払うもの」と「国(公的制度)が支払うもの」の2種類に分かれます。以下の表で、退職後に受け取れる可能性がある主な制度を一覧で確認しておきましょう。

制度の種類 支給元 概要 主な申請先
退職金(退職一時金) 企業 長年の功労に報いるために企業が支給するお金。法律上の義務ではなく、制度の有無は会社による 勤務先の人事部・総務部
確定給付企業年金(DB) 企業 将来の給付額が企業の規約で決まっている年金制度 勤務先の人事部・総務部
企業型確定拠出年金(DC) 企業 企業が掛金を拠出し、従業員自身が運用する年金制度 勤務先 → 退職後はiDeCoなどへ移換
中小企業退職金共済(中退共) 企業(国がサポート) 国がサポートする中小企業向けの退職金共済制度 勤労者退職金共済機構
失業保険(基本手当) 国(雇用保険) 失業中の生活を支え、再就職を促進するために支給される給付金 ハローワーク
再就職手当 国(雇用保険) 失業保険の給付日数を残して早期に再就職した場合に支給される手当 ハローワーク
傷病手当(雇用保険) 国(雇用保険) 求職活動中に病気やケガで15日以上働けない場合に支給される手当 ハローワーク
未払賃金立替払制度 会社の倒産で賃金が未払いの場合、国が一部を立て替えて支払う制度 労働基準監督署
求職者支援制度 雇用保険を受給できない求職者が、月10万円の給付金を受けながら無料で職業訓練を受けられる制度 ハローワーク

参考:厚生労働省「退職給付(一時金・年金)制度
参考:厚生労働省「雇用保険手続きのご案内

編集部
このように、退職給付金と一口に言っても受け取れる可能性のある制度は多岐にわたります。「自分に該当する制度がないか」をまず確認することが、退職後に損をしないための第一歩です。

退職金と失業保険は退職給付金の代表的な2つの柱

上記の制度の中で、多くの退職者が対象になるのが「退職金」と「失業保険(基本手当)」の2つです。本記事では、この2つを中心に解説を進めていきます。

両者の根本的な違いを一言でまとめると、次の通りです。

退職金

「会社」が、あなたの長年の貢献に対して支払うお金。法律上の義務ではなく、制度の有無や金額は会社の規程次第

失業保険(基本手当)

「国」が、あなたの再就職を支援するために支払うお金。雇用保険法という法律に基づく公的な給付

支給元も目的も全く異なるため、退職金を受け取ったからといって失業保険が減額されることはありません。この点は非常に重要なので、しっかり押さえておきましょう。

退職給付金の具体的な申請手順について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>退職給付金はどうやってもらう?申請5ステップと受給条件を徹底解説

【結論】退職給付金と失業手当の違いは「支給元」|条件を満たせば両方もらえる理由

【結論】退職給付金と失業手当の違いは「支給元」

まず、多くの方が最も知りたい結論からお伝えします。
退職給付金と失業手当は、条件さえ満たせば両方とも受け取ることが可能です。なぜなら、これらは全く性質の異なる制度だからです。退職金を受け取ったからといって、失業手当がもらえなくなったり、減額されたりすることはありません。

退職給付金と失業手当が全く別の制度である理由

この2つの制度がなぜ両立するのか、その根幹にある違いを理解することが重要です。

退職給付金(退職金)

「勤務していた会社」が、従業員の長年の功労に報いるために支払うお金です。これは会社の福利厚生の一環であり、法律で支払いが義務付けられているわけではありません。制度の有無や内容は、すべて会社の規定(就業規則や退職金規程)によって決まります。

失業手当(雇用保険の基本手当)

「国(政府)」が、失業中の生活を支え、再就職を支援するために支給する公的な給付金です。財源は、労働者と事業主が支払う雇用保険料です。会社の退職金制度の有無にかかわらず、雇用保険に加入していた人が一定の条件を満たせば受け取ることができます。

つまり、退職給付金は「会社からの感謝のしるし」、失業手当は「国からの再就職支援」と考えると分かりやすいでしょう。

退職給付金と失業手当は併給できる|それぞれの受給条件をチェック

退職給付金と失業手当は、その目的も財源も、管轄する組織も全く異なります。したがって、一方の制度でもらったお金が、もう一方の制度に影響を与えることは基本的にありません。

退職給付金は会社の規定(例:勤続3年以上など)を満たせばもらえ、失業手当は雇用保険の加入期間や求職活動などの公的な条件を満たせばもらえます。

編集部
この2つの条件をそれぞれクリアしていれば、両方の給付を同時に、満額で受け取ることができるのです。

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退職金
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受給総額を試算
受取戦略
最適な順序を提案


1
退職金・勤続年数

会社からの退職金・一時金の総額を入力してください

2
退職の種別



※ 定年・障害・死亡退職は退職所得控除が優遇されます

退職金 手取り額(概算)
0
源泉徴収後の概算手取り額です
退職所得控除額
課税退職所得
所得税(概算)
住民税(概算)
⚠️ 退職所得控除は勤続年数・退職種別により計算。所得税は復興特別税(2.1%加算)含む概算。実際の税額は源泉徴収票・確定申告によって変わります。

1
退職区分
2
退職時の年齢



3
雇用保険の加入期間
1年未満1〜5年5〜10年10〜20年20年以上

1年以上5年未満
4
直近の月額給与

直近6ヶ月の月平均・固定給合計が目安です

失業手当 受給総額(概算)
0
※ 概算です。実際の支給額はハローワーク認定により異なります
基本手当日額(概算)
所定給付日数
賃金日額
給付率
給付開始までの目安

待機7日

⚠️ 2024年度の基準を参考にした概算です。賃金日額の上下限・ハローワーク認定により実際の支給額は異なります。

退職給付金と失業手当の違いを7項目で比較|一目でわかる比較表

2つの制度の具体的な違いを、以下の表にまとめました。この表を見るだけで、全体像を素早く把握できます。

比較項目 退職給付金(退職金) 失業手当(雇用保険の基本手当)
目的 従業員の長年の功労への報奨、退職後の生活保障 失業中の生活維持、再就職の促進
管轄・財源 勤務していた会社(企業の内部留保や外部積立金) 国(ハローワーク)(労働者・事業主が納める雇用保険料)
法的根拠 企業の就業規則・退職金規程(法律上の義務ではない) 雇用保険法(国の法律)
受給条件 会社の規定(勤続年数など)を満たすこと 雇用保険の加入期間、失業状態、求職活動など
金額の決まり方 勤続年数、役職、退職理由、給与額など会社規定による 離職前6ヶ月の平均賃金、年齢などにより算出
申請先 勤務していた会社の担当部署(人事部・総務部など) 住所地を管轄するハローワーク
課税の有無 課税対象(ただし「退職所得控除」で税負担は大幅に軽減) 非課税(所得税・住民税はかからない)
編集部
このように、退職給付金は「会社との契約」、失業手当は「国との保険契約」と考えると、その違いがより明確になります。

【受給条件】退職給付金と失業手当の違いを比較|もらえる人・もらえない人

退職給付金と失業手当の違いを比較

それぞれの給付を受けるための具体的な条件を見ていきましょう。ここでも、両者の違いは明確です。

退職給付金の受給条件|会社の退職金規程ですべてが決まる

退職給付金がもらえるかどうかは、完全に勤務先の会社のルールによります。確認すべきは以下の2点です。

会社の退職給付規程に定めがあること

まず大前提として、あなたの会社に退職給付(退職金)制度が存在することが必要です。これは法律上の義務ではないため、制度がない会社もあります。制度の有無や内容は、入社時にもらった就業規則や、別途定められている退職金規程で確認できます。

規定された最低勤続年数を満たしていること

退職金制度がある場合でも、ほとんどの会社では「最低勤続年数」が定められています。一般的には「勤続3年以上」を条件としている企業が多いですが、会社によっては1年や5年というケースもあります。この年数を満たさずに退職すると、たとえ制度があっても退職金は支払われません。

失業手当の受給条件|雇用保険の被保険者期間がカギ

失業手当は公的制度なので、条件は全国一律で法律によって定められています。主な条件は以下の2つです。

離職日以前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上あること

これが原則的な条件です。正社員やパート・アルバイトといった雇用形態に関わらず、雇用保険に加入していた期間(被保険者期間)が、会社を辞める日以前の2年間で、合計して12ヶ月以上ある必要があります。

編集部
「被保険者期間」とは、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月のことを指します。

失業の状態にあり、ハローワークで求職活動を行うこと

失業手当は、ただ会社を辞めただけではもらえません。以下のすべてを満たす「失業の状態」にあることが必要です。

・働く意思と能力があること
・積極的に仕事を探している(求職活動を行っている)こと
・いつでも就職できる状態であること

これらの条件を満たした上で、住所地を管轄するハローワークに求職の申し込みを行う必要があります。

会社都合退職など「特定受給資格者」の場合の条件緩和

会社の倒産や解雇など、やむを得ない理由で離職した「特定受給資格者」や、正当な理由のある自己都合退職者である「特定理由離職者」に該当する場合、受給条件が緩和されます。

具体的には、離職日以前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば、受給資格が得られます。

パート・アルバイトでも失業手当はもらえる?雇用保険の加入条件を確認

パートやアルバイトであっても、雇用保険に加入していれば失業手当を受け取ることが可能です。雇用形態が正社員かどうかは、受給の可否に一切関係ありません。

ポイントは、在職中に雇用保険の被保険者になっていたかどうかです。雇用保険の加入条件は、雇用保険法に基づき以下の2つを両方満たすことと定められています。

加入条件 内容
①1週間の所定労働時間 20時間以上であること
②雇用の見込み期間 31日以上の雇用見込みがあること

この条件を満たしていれば、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など、どの雇用形態でも雇用保険に加入しているはずです。自分が加入しているか不安な方は、毎月の給与明細で「雇用保険料」が天引きされているかを確認してみましょう。

天引きが確認できれば、前章で解説した「離職日以前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上」などの受給条件を満たすことで、正社員と同じように失業手当を受け取れます。

なお、2028年10月からは加入条件が「週10時間以上」に拡大される予定で、より多くの短時間労働者が対象になる見込みです。

参考:厚生労働省「雇用保険の適用拡大等について」
参考:北海道ハローワーク「アルバイトやパートタイム労働者は雇用保険の被保険者となりますか」

【金額・期間】退職給付金と失業手当の違い|いくらもらえる?受給額と日数を比較

「いったいいくらもらえるのか」は、退職後の生活設計において最も重要な情報です。金額の決まり方も、両者で大きく異なります。

退職給付金の金額相場と計算方法

退職給付金の額は、会社の規模、業種、個人の勤続年数や役職などによって千差万別であり、一概に「相場」を示すのは困難です。

勤続年数や退職理由によって大きく変動

一般的に、退職金の額は以下の要素で決まります。

勤続年数:最も影響が大きい要素。長く勤めるほど金額は増える傾向にあります。

退職理由:自己都合退職よりも、会社都合退職や定年退職の方が高く設定されている場合が多いです。

役職・等級:退職時の役職や社内等級が高いほど、金額も高くなります。

基本給:退職時の基本給をベースに計算する会社も多くあります。

退職一時金の計算モデル例

あくまで参考ですが、厚生労働省や東京都の調査によると、大学卒・自己都合退職の場合のモデル退職金額は以下のようになっています。

勤続年数 モデル退職金額(大卒・自己都合)
10年 約100万円~200万円
20年 約400万円~600万円
30年 約1,000万円~1,500万円
定年 約1,800万円~2,500万円

※上記はあくまで一般的なモデルであり、実際の金額は勤務先の規定によります。

退職所得控除の計算方法と具体的なシミュレーション

退職金には税金がかかりますが、「退職所得控除」という大きな控除が適用されるため、実際の税負担は非常に軽く抑えられています。この仕組みを知っておくだけで、手取り額の見通しが大きく変わるでしょう。

退職所得控除の計算式は、勤続年数によって以下のように異なります。

勤続年数 退職所得控除額の計算式
20年以下 40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

さらに、控除後の金額の2分の1だけが課税対象となる点も大きな特徴です。具体的なシミュレーションで確認してみましょう。

【シミュレーション例:勤続25年・退職金1,500万円の場合】

1.退職所得控除額:800万円 + 70万円 ×(25年 − 20年)= 1,150万円
2.課税対象額:(1,500万円 − 1,150万円)× 1/2 = 175万円
3.所得税額:175万円 × 5% = 87,500円

退職金1,500万円に対して所得税は約8.7万円と、実効税率はわずか0.6%程度に抑えられます。一方、失業手当は前章で解説した通り全額非課税のため、税金の心配は一切不要です。

なお、この控除を受けるには、退職時に会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出することが必須です。提出しないと退職金から一律20.42%が源泉徴収されてしまうため、必ず会社の案内に従って提出しましょう。

参考:国税庁「退職金と税」
参考:国税庁「退職所得の受給に関する申告書」

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失業手当の金額(基本手当日額)と給付日数

失業手当は、1日あたりにもらえる金額(基本手当日額)と、もらえる日数(所定給付日数)が決まっています。

基本手当日額の計算式

1日あたりの支給額である「基本手当日額」は、以下の式で計算されます。

基本手当日額 = 離職前6ヶ月間の賃金合計 ÷ 180 × 給付率(約50%~80%)

給付率は、賃金が低い人ほど高く設定されており、セーフティネットとしての役割を担っています。また、年齢ごとにもらえる上限額と下限額が定められています。

例えば、離職前の月収が30万円(賞与除く)だった場合、賃金日額は「30万円×6ヶ月÷180日=1万円」となり、これに給付率を掛けた額(約5,000円~8,000円)が1日あたりの支給額の目安となります。

所定給付日数は年齢・被保険者期間・離職理由で決まる

失業手当がもらえる最大の日数を「所定給付日数」と呼びます。これは、年齢、雇用保険の被保険者だった期間、そして離職理由によって決まります。

自己都合退職の場合
  • 被保険者期間10年未満:90日
  • 被保険者期間10年以上20年未満:120日
  • 被保険者期間20年以上:150日
会社都合退職(特定受給資格者)の場合

年齢と被保険者期間に応じて90日~330日と、自己都合退職に比べて手厚く設定されています。

例えば、40歳で勤続15年、自己都合で退職した場合は120日分、もし会社都合であれば240日分の失業手当がもらえる計算になります。

ご自身の失業手当がいくらもらえるか具体的に知りたい方は、以下の記事でシミュレーションしてみてください。
>>【失業手当】計算シミュレーションで受給額を把握!2026年最新でいくらもらえる?

【申請方法】退職給付金と失業手当の違い|手続きの流れと申請先を比較

お金を受け取るためには、正しい手続きを適切な場所で行う必要があります。申請先と流れをしっかり確認しておきましょう。

退職給付金の申請方法と受け取りまでの流れ

退職給付金の手続きは、すべて会社内で完結します。

申請先:勤務していた会社

退職給付金の申請窓口は、勤務していた会社の人事部や総務部です。退職日が近づくと、担当部署から手続きに関する案内があるのが一般的です。不明な点があれば、早めに担当者に確認しましょう。

会社所定の手続きに従い申請

会社が定めた申請書や、前述した「退職所得の受給に関する申告書」などの必要書類を提出します。支払い時期は会社によって異なり、退職後1〜2ヶ月以内が一般的ですが、会社の規定を確認することが重要です。

失業手当の申請方法と受け取りまでの流れ

失業手当の手続きは、公的機関であるハローワークで行います。

申請先:住所地を管轄するハローワーク

申請先は、自分が住んでいる地域のハローワークです。勤務していた会社の所在地ではないので注意してください。

必要書類(離職票など)の準備

ハローワークへ行く前に、以下の書類を準備します。特に重要なのが、退職後に会社から郵送されてくる「離職票」です。

  • 雇用保険被保険者離職票(-1、-2)
  • マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証などの身元確認書類)
  • 証明写真2枚
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
  • 印鑑

待期期間(7日間)と給付制限について

ハローワークで求職の申し込みをした後、失業の状態が7日間続く「待期期間」があります。この期間は、自己都合・会社都合にかかわらず、すべての人に適用され、失業手当は支給されません。
さらに、自己都合で退職した場合は、待期期間満了後、原則として2ヶ月間の「給付制限」が設けられます。この期間も失業手当は支給されません。

失業認定日にハローワークへ行く

最初の申請後、約4週間に1度、「失業認定日」が設定されます。この日にハローワークへ行き、前回の認定日からの期間中にどのような求職活動を行ったかを報告する「失業認定申告書」を提出します。

失業状態にあることが認められると、その分の失業手当が後日、指定した口座に振り込まれます。この手続きを給付が終了するまで繰り返します。

退職給付金と失業手当を両方もらうための5つの注意点

二つの制度を最大限に活用し、損をしないために知っておくべき注意点を5つご紹介します。

注意点1:失業手当は退職後すぐに申請しないと損をする

失業手当を受け取れる期間は、原則として離職した日の翌日から1年間です。これを「受給期間」といいます。例えば、給付日数が90日ある人でも、退職から1年が経過してしまうと、たとえ90日分をもらいきっていなくても、残りは支給されなくなります。「しばらく休んでから申請しよう」と考えていると、全額受け取れなくなる可能性があるので、退職後はできるだけ早くハローワークで手続きを始めましょう。

注意点2:退職金をもらっても失業手当は減額されない

これは非常に重要なポイントです。繰り返しになりますが、多額の退職金を受け取ったとしても、それが理由で失業手当の金額が減らされたり、支給されなくなったりすることは一切ありません。
二つは完全に独立した制度です。安心して両方の手続きを進めてください。

注意点3:退職金を年金形式で受け取る場合は事前確認が必要

退職金を一括(一時金)で受け取る場合は、失業手当に一切影響しません。しかし、企業年金として分割で受け取る「年金形式」を選んだ場合は注意が必要です。

年金形式で定期的にお金が振り込まれると、ハローワークの失業認定において「定期的な収入がある」と判断される可能性があります。その結果、失業手当が減額されたり、支給対象外とされたりするケースが考えられます。

具体的にどう扱われるかは、企業年金の種類やハローワークの判断によって異なります。以下の表で、受け取り方ごとの違いを整理しておきましょう。

退職金の受け取り方 失業手当への影響 対応すべきこと
一時金(一括) 影響なし。満額受給できる 特別な対応は不要
年金形式(分割) 影響の可能性あり。定期収入と見なされるケースがある 退職前にハローワークと勤務先の両方に確認する
一時金+年金の併用 年金部分について影響の可能性あり 同上

退職金の受け取り方を選べる会社に勤めている方は、「失業手当を満額もらいたいなら一時金を選ぶ」というのが最もシンプルな対策となります。年金形式を検討している場合は、必ず退職前に管轄のハローワークへ相談し、失業手当への影響を確認してから判断しましょう。

注意点4:確定申告が必要になる場合がある

通常、退職金も給与も会社が年末調整や源泉徴収を行ってくれるため、自分で確定申告をする必要はありません。しかし、以下のようなケースでは確定申告が必要(または、した方が得)になる場合があります。

  • 「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出しなかった場合:税金が多めに引かれているため、確定申告をすれば還付される可能性が高いです。
  • 年の途中で退職し、年内に再就職しなかった場合:年末調整が行われないため、給与から天引きされた所得税が払い過ぎになっていることがあります。確定申告をすることで、税金が戻ってくる可能性があります。

注意点5:失業手当の受給中は扶養に入れない場合がある

失業手当を受給している間は、配偶者の健康保険の扶養に入れないケースが多い点に注意が必要です。「退職したらとりあえず夫(妻)の扶養に入ろう」と考えている方は、事前に確認しておきましょう。

社会保険の扶養に入るための収入要件は、年収130万円未満が一般的な基準です。これを日額に換算すると、以下のようになります。

項目 金額
扶養の収入基準 年収130万円未満
日額換算 130万円 ÷ 360日 = 約3,612円
基本手当日額がこの額以上 扶養に入れない

つまり、失業手当の基本手当日額が3,612円以上の場合、受給期間中は扶養に入れないと判断されることがほとんどです。離職前の月収が約13万円以上あった方は、ほぼこの基準を超えると考えてよいでしょう。

扶養に入れない期間は、自分で国民健康保険と国民年金に加入する必要があり、毎月の保険料負担が発生します。ただし、失業手当の受給が終了すれば、改めて扶養に入り直すことが可能です。

対策としては、以下の2つのパターンを押さえておきましょう。

  • 基本手当日額が3,612円未満の場合:受給中でも扶養に入れる可能性が高い
  • 基本手当日額が3,612円以上の場合:受給終了後に扶養の手続きを行う

具体的な判断は配偶者が加入している健康保険組合によって異なるため、退職前に必ず配偶者の勤務先を通じて確認しておくことをおすすめします。

参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「被扶養者とは?」

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退職給付金と失業手当のよくある疑問を解消

退職給付金や失業手当について調べていると、「怪しいのでは?」「アルバイトしたら打ち切られる?」といった不安の声が少なくありません。ここでは、退職後のお金にまつわる代表的な2つの疑問について、公的な根拠をもとにわかりやすく解説します。

「退職給付金は怪しい」と言われる理由と詐欺を見分けるポイント

退職給付金そのものは怪しい制度ではありません。会社が支払う退職金も、国が支給する失業手当も、正当な権利として受け取れるお金です。

「怪しい」と言われる原因の多くは、SNSや広告で見かける「退職給付金サポート」を名乗る外部業者の存在にあります。中には高額な手数料を請求したり、実際にはサポートの実態がなかったりするケースも報告されています。

以下の表で、正規の制度と注意すべき業者の特徴を整理しておきましょう。

比較項目 正規の退職給付金制度 注意すべき外部業者
申請先 会社の人事部またはハローワーク 業者が「代行」を謳う
費用 無料(公的手続きに費用はかからない) 数万円〜数十万円の手数料が発生
根拠 就業規則・雇用保険法 業者独自のサービス
相談先 ハローワーク・労働基準監督署 業者の窓口のみ

退職給付金の手続きは、ハローワークや会社の人事部に直接相談すれば、すべて無料で対応してもらえます。「申請を代行します」「もっと多くもらえます」といった勧誘には慎重に対応しましょう。

不審な業者に出会った場合は、消費者ホットライン(188)への相談をおすすめします。

参考:消費者庁「消費者ホットライン」

失業手当の受給中にアルバイトはできる?申告ルールと上限の目安

結論から言うと、失業手当の受給中でもアルバイトは可能です。ただし、厳格なルールがあり、守らないと不正受給として3倍返しのペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。

まず押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  • 待期期間(7日間)は一切働けない
  • 待期期間後は、1日4時間未満の労働であれば「内職・手伝い」扱いとなり、収入額に応じて手当が減額または全額支給される
  • 1日4時間以上の労働をした日は「就労」扱いとなり、その日の失業手当は不支給(ただし後日に繰り越し)
  • 週20時間以上の就労は雇用保険の加入要件に該当し、「就職」と見なされて受給自体が停止される

最も重要なのは、アルバイトをした事実を失業認定申告書に必ず正確に記載することです。申告漏れは不正受給に該当し、受け取った金額の最大3倍を返還させられる場合があります。

アルバイトの可否や申告方法に不安がある方は、事前にハローワークの窓口で相談しておくと安心でしょう。

参考:ハローワーク「雇用保険の基本手当を受給される皆さまへ(不正受給について)」

退職給付金と失業手当はいつ届く?退職後の入金タイムラインを公開

「手続きはわかったけれど、実際にお金が振り込まれるのはいつ?」という疑問は、退職を控えた方にとって最も切実な問題でしょう。退職金と失業手当では入金までのスピードが大きく異なり、間に”無収入期間”が発生するのが一般的です。ここでは、退職日を起点としたお金の流れを時系列で整理し、事前に備えるべきポイントを解説します。

【時系列で解説】退職から入金までの全体タイムライン

退職後にお金が手元に届くまでの流れを、自己都合退職の場合を例に時系列で整理しました。会社都合退職の場合は、給付制限期間がないため失業手当の入金がさらに早まります。

退職日からの目安 イベント 詳細
退職日 在籍最終日 最終給与・有給休暇の精算が行われる
約10日後 離職票が届く 会社から郵送される。届かない場合は会社に問い合わせる
約2週間後 ハローワークで手続き 離職票を持参し、求職の申し込みと受給資格の決定を受ける
手続きから7日間 待期期間 全員に適用。この間は失業手当が支給されない
待期期間後〜約1ヶ月 給付制限期間(自己都合の場合) 2025年4月の法改正で原則2ヶ月→1ヶ月に短縮(※)
約1〜2ヶ月後 退職金の入金 会社の規程により異なるが、退職後1〜2ヶ月が一般的
手続きから約1.5〜2ヶ月後 初回の失業認定日 ハローワークで求職活動の実績を報告し、失業の認定を受ける
認定から約5営業日後 失業手当の初回入金 認定を受けた分が指定口座に振り込まれる

※参考:厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」(PDF)

ポイントは、退職日から失業手当の初回入金まで、自己都合退職の場合で約2ヶ月前後の”空白期間”が発生するという点です。この期間は退職金でカバーできるケースが多いものの、退職金制度がない会社の場合は特に注意が必要となります。

失業手当の具体的な振込日や認定日からの流れを詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。
>>失業保険の振込日はいつ?認定日から届くまでの日数と5ステップを解説

無収入期間の目安と生活費の備え方

退職後の無収入期間は、退職理由によって大きく変わります。以下の表で目安を確認しましょう。

退職理由 失業手当の初回入金までの目安 無収入期間の特徴
会社都合退職(倒産・解雇など) 退職から約1〜1.5ヶ月 給付制限なし。比較的早く入金される
自己都合退職 退職から約2〜2.5ヶ月 原則1ヶ月の給付制限があるため、空白期間が長い

この無収入期間を乗り切るために、以下の3つの備えを退職前に進めておくことをおすすめします。

  • 生活費の2〜3ヶ月分を現金で確保しておく:失業手当が届くまでのつなぎ資金として最優先で準備する
  • 退職金の入金時期を会社に確認しておく:「退職後何日で振り込まれるか」を事前に人事部へ聞いておけば、資金計画が立てやすくなる
  • 健康保険・年金の切り替え手続きも並行して進める:退職後14日以内に国民健康保険への加入手続き、または任意継続の申請が必要。国民年金への切り替えも忘れずに行う

退職後のお金のトラブルの多くは「思っていたより入金が遅かった」という想定外から生まれます。このタイムラインを参考に、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。

退職給付金と失業手当の気になる疑問をスッキリ解消

最後に、退職給付金と失業手当に関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 退職給付金と失業手当はパートでももらえますか?

A. はい、条件を満たせばもらえます。
退職給付金については、パートタイマー向けの退職金制度を設けている会社であれば、その規定に従って受け取れます。
失業手当については、雇用形態は関係ありません。「週の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込み」などの雇用保険の加入条件を満たし、被保険者期間などの受給条件をクリアしていれば、正社員と同様に受け取ることができます。

Q. 「退職給付金がもらえる」という電話や案内は怪しいですか?

A. 非常に怪しいです。詐欺の可能性が高いと考えられます。
退職給付金の手続きは、あなたが勤務していた会社との間で行われます。また、失業手当の手続きはハローワークで行われます。公的機関や元の勤務先を名乗るような不審な電話、メール、郵便物などには絶対に応じず、個人情報を伝えたり、お金を振り込んだりしないようにしてください。

Q. 再就職手当とは何ですか?

A. 失業手当の給付日数を多く残して早期に再就職した場合に支給されるお祝い金のような制度です。
失業手当の所定給付日数の3分の1以上を残して安定した職業に就いた場合など、一定の条件を満たすと、残りの日数に応じたまとまった金額が支給されます。これは早期の再就職を促進するための制度です。

Q. 失業手当の受給中にアルバイトはできますか?

A. 条件付きで可能ですが、必ずハローワークへの申告が必要です。

まず、手続き後7日間の待期期間中は、アルバイトを含む一切の労働が認められていません。この期間に働いてしまうと、待期期間のカウントがやり直しになります。

待期期間終了後の給付制限期間や受給期間中は、以下の条件を満たす範囲であればアルバイトが認められるケースが多いでしょう。

  • 1日の労働時間が4時間未満の場合:収入額に応じて、その日の失業手当が減額または全額支給される
  • 1日の労働時間が4時間以上の場合:その日は「就労」と見なされ、失業手当は支給されない(その分は後日に繰り越し)
  • 週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある場合:雇用保険の加入要件を満たすため「就職」と判断され、失業手当の支給自体が停止される

最も重要なのは、働いた日や収入を失業認定日に正直に申告することです。申告を怠ると「不正受給」と見なされ、受給額の3倍を返還させられるなど厳しいペナルティが科されます。アルバイトを検討している方は、始める前に必ず管轄のハローワークに相談してください。

参考:ハローワーク「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり

Q. 失業手当と傷病手当金は同時にもらえますか?

A. いいえ、同時に受け取ることはできません。両者は制度の目的が正反対のため、併給は認められていないのです。

制度 前提となる状態 支給元
失業手当(基本手当) 働ける状態で、積極的に求職活動をしている 国(雇用保険)
傷病手当金 働けない状態で、療養に専念している 健康保険(協会けんぽ・健保組合)

このように、失業手当は「働ける人」が対象、傷病手当金は「働けない人」が対象であり、両方の条件を同時に満たすことは原則としてありません

退職後に病気やケガですぐに働けない場合は、まず傷病手当金を受給し、回復して働ける状態になってから失業手当を申請するのが正しい順番です。この場合、ハローワークで失業手当の受給期間を最大3年間延長する手続きができるため、傷病手当金を受け取っている間に失業手当の受給期間が過ぎてしまう心配はありません。

参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)

傷病手当金から失業手当への切り替え方法について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>傷病手当金と失業保険は両方もらえる?同時受給の可否と切り替え方法を解説

Q.退職給付金や失業手当の手続きを会社に知られたくないのですが、バレますか?

A. 退職金の手続きは会社内で行うため会社は把握していますが、失業手当の手続きはハローワークで行うため、元の勤務先に知られることはありません。退職後の手続きはすべてあなた個人とハローワークの間で進むので、安心して申請してください。

Q.退職給付金の制度がある会社の割合はどのくらいですか?

A. 厚生労働省の「就労条件総合調査(令和5年)」によると、退職給付制度がある企業は全体の約74.9%です。つまり、約4社に1社は退職金制度がないことになります。退職を決める前に、自社の就業規則で制度の有無を必ず確認しておきましょう。

Q.失業手当を受給すると、翌年の住民税や健康保険料に影響しますか?

A. 失業手当は非課税のため、翌年の住民税の計算には含まれません。また、国民健康保険料の算定にも影響しないのが原則です。ただし、退職金や他の所得がある場合はそれらが影響するため、不安な方は市区町村の窓口に相談してみてください。

Q.派遣社員や契約社員でも退職給付金と失業手当は受け取れますか?

A. 失業手当は雇用保険に加入していれば雇用形態に関係なく受給できます。派遣社員や契約社員でも、加入期間などの条件を満たせば対象となります。退職金については派遣元・勤務先の規程次第ですので、契約内容を確認しましょう。

Q.失業手当の受給期間中に引っ越しをした場合、手続きはどうなりますか?

A. 引っ越し先の住所を管轄するハローワークに「移管手続き」を行えば、引き続き失業手当を受給できます。引っ越し前のハローワークで転出届を出し、新しいハローワークで手続きを済ませれば、給付が途切れることはありません。

まとめ:退職給付金と失業手当の違いを理解して、もらえるお金を最大化しよう

退職給付金は「会社から」、失業手当は「国から」届くまったく別の制度です。それぞれの受給条件を満たせば、退職金を受け取っても失業手当が減額されることはなく、両方を満額で受け取れます

ただし、失業手当には申請期限(離職日の翌日から1年間)があるため、手続きの遅れは受給額の減少に直結します。「あとでやろう」が一番のリスクだと覚えておきましょう。

「自分はいくらもらえるのか」「どの順番で手続きすればいいのか」など、個別の状況によって最適な動き方は異なります。退職後のお金の不安は、正しい知識と早めの行動で解消できます

もし手続きに不安がある方は、退職給付金のプロに無料相談してみるのも一つの手です。当メディアのLINE無料相談では、社労士監修のもとであなたの受給額の目安や手続きの進め方を個別にアドバイスしています。

まずはあなたが受け取れる金額をチェックしてみてください。退職後の生活を守る第一歩は、今日この瞬間の行動から始まります。


免責事項:本記事に掲載されている情報は、一般的な情報提供を目的としており、法的・税務的な助言を提供するものではありません。制度の改正や個別の状況により、取り扱いが異なる場合がありますので、具体的な手続きにあたっては、必ず勤務先の担当者や管轄のハローワーク、税務署などの専門機関にご確認ください。

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