【双極性障害】「躁」と「うつ」の周期が一日で変わることはある?
双極性障害は「躁状態」と「うつ状態」が交互に表れる精神疾患です。状態が切り替わるタイミングや周期は人によって異なり、数カ月~数年のケースもあれば、一日で変わるケースもあります。
本記事では、双極性障害の周期や症状、治療法などについて解説します。症状のセルフチェックシートも用意していますので、気になる症状がある方や「双極性障害なのでは?」と不安の方は、一度チェックしてみましょう。
チェックシートに当てはまる場合や、症状が続いている場合などは、早めの受診をおすすめします。
双極性障害とは、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、気分が落ち込み意欲が低下する「うつ状態」を交互に繰り返す精神疾患です。状態によって症状や様子が異なり、症状の程度によっては日常生活や社会活動に支障をきたすこともあります。人格が変わってしまったのかと錯覚するほどの違いが見られることもありますが、疾患によるものなので元々の性格とは無関係です。
それぞれの状態が表れる周期や期間は、人によって個人差があります。なかには、状態が変わるタイミングで双方の症状を同時にきたすことがあり、これを「混合状態」といいます。
双極性障害の「躁状態(もしくは軽躁状態)」と「うつ状態」が表れる周期には個人差があり、2〜3カ月の方もいれば、半年〜1年ほどの方もいます。常に躁状態とうつ状態が表れているわけではなく、間に症状が全くない「寛解期(かんかいき)」を挟みながら周期が繰り返されるのです。
一般的に「躁状態」は急に表れ、治療を受けないと2~3カ月ほど続くとされています。対して「うつ状態」は躁状態と比較して期間が長く、治療しないと6カ月以上続くことも。双極性障害の30〜50%はうつ状態で過ごすとされています。
人によっては1年間に4回以上状態が切り替わるケースもあり、これを「ラピッドサイクラー(急速交代型)」と呼びます。ラピッドサイクラーの場合、病状が安定しにくいとされており、一晩のうちに「躁状態」や「うつ状態」に転じることも珍しくありません。
「ラピッドサイクラー(急速交代型)」とは、1年間の間に4回以上「躁状態」と「うつ状態」が変わることです。双極性障害の10〜15%に起こるとされています。
人によっては一晩のうちに状態が切り替わることもあり、急速な気分の変化は本人にとって大きな負担となります。そのため、治療が難渋しやすいといわれており軽視できません。
ラピッドサイクラーになる原因の1つとして考えられているのが、双極性障害の治療で使用することのある「抗うつ薬」です。抗うつ薬の内服によってラピッドサイクラーを引き起こしやすくなり、双極性障害の症状を悪化させる恐れがあるとのデータがあります。
そのため、周期が短い場合には抗うつ薬を中止して、気分安定薬を中心にした治療を開始することが多いようです。
躁状態と軽躁状態の大きな違いは、症状によって日常生活や社会生活に影響が出ているかどうかです。軽躁は躁よりも症状が軽いのが特徴で、いつもよりも調子がよいと見過ごされてしまうケースが多くあります。一方の、躁状態は入院を要するほど症状が表れます。
DSM-5の診断基準では、軽躁、抑うつエピソードの有無は問わず躁エピソードが1回でも確認できれば双極Ⅰ型障害と診断されます。また、双極Ⅱ型障害は、躁エピソードが過去に1回もなく、軽躁エピソードが少なくとも1回存在し、かつ抑うつエピソードの経験がある場合に診断されます。
双極性障害は、うつ病と誤って診断されることも珍しくありません。さらに、双極性障害と診断されていないうちは、本人が症状に気づかず発見が遅れてしまうことも。特に「躁状態・軽躁状態」のときには、本人が精神疾患であることを認識しにくいとされています。
「うつ状態」のときに、いつもと違った様子に気づき受診するケースが多いようです。しかしうつ状態期間が長い場合や、躁状態の症状がはっきりとせず自覚していない場合には、医師に躁状態の症状を説明できず、「うつ状態」にだけフォーカスされてしまう恐れがあります。そうすると「うつ病」と誤って診断されてしまうのです。
人によってはうつ状態から躁状態に移行するまでに数年かかるケースもあり、正しい診断がされないまま治療が開始されてしまうことも少なくありません。
双極性障害の正しい診断には、躁状態のときのわずかな変化に気づくことが大切です。本人に自覚がなくても、周囲が普段と異なる様子に気づいたら受診を勧めることで、早期発見・早期治療につながります。
再発率が高いとされる双極性障害ですが、治らない疾患ではありません。早期に治療を開始することで、症状をコントロールしながら回復に向かえます。しかし再発を繰り返すことで、症状の悪化や再発までの期間が短くなるなどの影響があるため、予防のための治療が大切です。
この章では、双極性障害の治療法のメインとなる「薬物療法」と「精神療法(心理療法)」について解説します。治療法は、本人の状態や症状に合わせて、医師と相談しながら決定します。
双極性障害は「躁」と「うつ」を周期的に繰り返す精神疾患
双極性障害とは、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、気分が落ち込み意欲が低下する「うつ状態」を交互に繰り返す精神疾患です。状態によって症状や様子が異なり、症状の程度によっては日常生活や社会活動に支障をきたすこともあります。人格が変わってしまったのかと錯覚するほどの違いが見られることもありますが、疾患によるものなので元々の性格とは無関係です。
それぞれの状態が表れる周期や期間は、人によって個人差があります。なかには、状態が変わるタイミングで双方の症状を同時にきたすことがあり、これを「混合状態」といいます。
双極性障害の症状は日内変動する?一日の周期
双極性障害の周期を調べるなかで「症状に日内変動はあるのか?」という点が気になる方もいるでしょう。うつ病を抱えている方のなかには、日内変動が見られ一日の間で症状や気分にムラがあることも少なくありません。 対して双極性障害の症状としての日内変動は、大きくは認められないとのデータがありました。しかし断眠療法(故意に一定の時間睡眠を取らせない治療法)を実施した患者の一部では、体内のセロトニン量(血清5HT)の分泌量に変化が見られたとの報告もあります。 そのため、体内のホルモン変化による日内変動への影響も多少あるのかもしれませんが、現時点でははっきりと解明されていません。双極性障害の「躁」「うつ」の周期は一日で変わることも
双極性障害の「躁状態(もしくは軽躁状態)」と「うつ状態」が表れる周期には個人差があり、2〜3カ月の方もいれば、半年〜1年ほどの方もいます。常に躁状態とうつ状態が表れているわけではなく、間に症状が全くない「寛解期(かんかいき)」を挟みながら周期が繰り返されるのです。
一般的に「躁状態」は急に表れ、治療を受けないと2~3カ月ほど続くとされています。対して「うつ状態」は躁状態と比較して期間が長く、治療しないと6カ月以上続くことも。双極性障害の30〜50%はうつ状態で過ごすとされています。
人によっては1年間に4回以上状態が切り替わるケースもあり、これを「ラピッドサイクラー(急速交代型)」と呼びます。ラピッドサイクラーの場合、病状が安定しにくいとされており、一晩のうちに「躁状態」や「うつ状態」に転じることも珍しくありません。
双極性障害の周期が一日で変わることもある「ラピッドサイクラー」とは?
「ラピッドサイクラー(急速交代型)」とは、1年間の間に4回以上「躁状態」と「うつ状態」が変わることです。双極性障害の10〜15%に起こるとされています。
人によっては一晩のうちに状態が切り替わることもあり、急速な気分の変化は本人にとって大きな負担となります。そのため、治療が難渋しやすいといわれており軽視できません。
ラピッドサイクラーになる原因の1つとして考えられているのが、双極性障害の治療で使用することのある「抗うつ薬」です。抗うつ薬の内服によってラピッドサイクラーを引き起こしやすくなり、双極性障害の症状を悪化させる恐れがあるとのデータがあります。
そのため、周期が短い場合には抗うつ薬を中止して、気分安定薬を中心にした治療を開始することが多いようです。
双極性障害の診断基準|チェックポイントは?
双極性障害は、血液検査や画像検査では診断を確定できません。そのため、世界保健機関(WHO)のICD-10や、米国精神医学会のDSM-5などの診断基準が用いられることが多くなります。 双極性障害は以下の2つに分類され、それぞれ診断基準をもとに慎重に判断されます。| 分類 | 双極Ⅰ型障害 | 双極Ⅱ型障害 |
| 特徴 |
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双極性障害の周期によっては「うつ病」と診断されることもある
双極性障害は、うつ病と誤って診断されることも珍しくありません。さらに、双極性障害と診断されていないうちは、本人が症状に気づかず発見が遅れてしまうことも。特に「躁状態・軽躁状態」のときには、本人が精神疾患であることを認識しにくいとされています。
「うつ状態」のときに、いつもと違った様子に気づき受診するケースが多いようです。しかしうつ状態期間が長い場合や、躁状態の症状がはっきりとせず自覚していない場合には、医師に躁状態の症状を説明できず、「うつ状態」にだけフォーカスされてしまう恐れがあります。そうすると「うつ病」と誤って診断されてしまうのです。
人によってはうつ状態から躁状態に移行するまでに数年かかるケースもあり、正しい診断がされないまま治療が開始されてしまうことも少なくありません。
双極性障害の正しい診断には、躁状態のときのわずかな変化に気づくことが大切です。本人に自覚がなくても、周囲が普段と異なる様子に気づいたら受診を勧めることで、早期発見・早期治療につながります。
双極性障害は「Ⅰ型」「Ⅱ型」によっても周期の違いが見られる
双極性障害は、症状の程度や状態の表れ方によって「Ⅰ型」と「Ⅱ型」に分けられます。 「双極Ⅰ型障害」には必ず「躁状態」が見られ、日常生活に支障をきたすほど症状が重篤な状態です。ときに入院が必要になることも珍しくありません。多くの場合「うつ状態」も見られますが、躁状態の症状がはっきりとしている場合には、うつ状態がなくても「双極Ⅰ型障害」と診断されることがあります。 対して「双極Ⅱ型障害」は、「躁状態」がⅠ型と比較すると軽く、日常生活に影響があまり出ていない状態です。しかし周囲から見ると、普段と明らかに異なる様子が見られます。躁状態の症状が軽くても、「うつ状態」が長く続いたり重症化したりすることもあります。そのため、Ⅱ型はⅠ型と比較して症状のコントロールが難しく、再発しやすいとされているのが事実です。さらに、ラピッドサイクラーに移行するリスクも高くなります。 Ⅰ型の方は一生のうち約3分の1、Ⅱ型の方は約2分の1をうつ状態で過ごすとされています。双極性障害の周期に合わせた治療が大切
再発率が高いとされる双極性障害ですが、治らない疾患ではありません。早期に治療を開始することで、症状をコントロールしながら回復に向かえます。しかし再発を繰り返すことで、症状の悪化や再発までの期間が短くなるなどの影響があるため、予防のための治療が大切です。
この章では、双極性障害の治療法のメインとなる「薬物療法」と「精神療法(心理療法)」について解説します。治療法は、本人の状態や症状に合わせて、医師と相談しながら決定します。