双極性障害の人は頭がいい?そう思われる理由やよくある質問を紹介
「双極性障害などの精神疾患を抱えている人は頭がいい」と考えている人もいらっしゃるかもしれません。
実際には、双極性障害を発症すると頭がよくなることや、頭がいいから双極性障害を発症しやすいなどの医学的根拠は存在しません。しかし、双極性障害に見られる症状によっては「頭がいいように見える」こともあるでしょう。
そこで本記事では、双極性障害と知能は関係あるのかを解説します。さらに双極性障害の症状や、双極性障害の方との関わり方もあわせてご紹介します。
「双極性障害の人は頭がいい」という印象について、医学的な根拠は存在しません。しかし、双極性障害を含む精神疾患を抱えながら活躍している有名人や偉人がいることは事実です。
実際にASD(アスペルガー症候群)では、過集中や思考能力の向上が見られることがあるといいます。さらに、IQが高い人(ギフテットとも呼ばれる)は、発達障害を併せ持つ人がいることから「精神疾患=頭がいい」と認識されるようになったのかもしれません。
双極性障害は、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、気分が落ち込み意欲の低下などが見られる「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。そのなかでも躁状態の症状が比較的軽い「軽躁状態」では、普段よりも調子が上がり日常生活や仕事をうまくこなす方もいます。
また、「躁状態」では次々に考えが浮かんだり自尊心の肥大(自信が湧き、優れている人間だと思い込むこと)などの症状が表れたりすることから、周囲から頭がいいと見られることもあるのかもしれません。
「自分は優れている」といった思い込みや、周囲が「頭がいい」と感じる原因は、双極性障害の症状が関係しているかもしれません。
この章では、双極性障害の症状を解説します。
双極性障害では、「躁状態・軽躁状態」と「うつ状態」に加えて、双方の症状が同時に表れる「混合状態」の3つが出現します。
それぞれの状態別に症状を見てみましょう。
双極性障害は、血液検査や画像検査では診断を確定できません。ICD-10やDSM-5などの診断基準のほかに、病歴や家族の精神疾患罹患歴の有無などから総合的に判断されます。
前章でご紹介した症状が続く場合や日常生活に支障をきたしている場合は、早めに精神科や心療内科などの医療機関を受診しましょう。自覚がないケースも珍しくないため、家族や周囲の人が気づいたら受診を勧めることが大切です。なかには受診を拒否するケースもあります。その場合は、症状が落ち着いたタイミングで病院へ行くことを促してみましょう。
こちらの記事では、DSM-5の診断基準をもとにチェックシートを紹介しています。
双極性障害は状態によって症状や言動が異なります。そのため家族や周囲の方は、それぞれの状態に合った関わり方を知ることが大切です。本人に病気だという自覚がないケースも考えられるため、効果的に治療を進めるには周囲のサポートが必要です。
この章では、双極性障害を抱えている人との関わり方のポイントをご紹介します。
「双極性障害の人は頭がいい」に根拠はない
「双極性障害の人は頭がいい」という印象について、医学的な根拠は存在しません。しかし、双極性障害を含む精神疾患を抱えながら活躍している有名人や偉人がいることは事実です。
実際にASD(アスペルガー症候群)では、過集中や思考能力の向上が見られることがあるといいます。さらに、IQが高い人(ギフテットとも呼ばれる)は、発達障害を併せ持つ人がいることから「精神疾患=頭がいい」と認識されるようになったのかもしれません。
双極性障害は、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、気分が落ち込み意欲の低下などが見られる「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。そのなかでも躁状態の症状が比較的軽い「軽躁状態」では、普段よりも調子が上がり日常生活や仕事をうまくこなす方もいます。
また、「躁状態」では次々に考えが浮かんだり自尊心の肥大(自信が湧き、優れている人間だと思い込むこと)などの症状が表れたりすることから、周囲から頭がいいと見られることもあるのかもしれません。
双極性障害の人は「認知機能の低下」が見られることがある
「双極性障害の人は頭がいい」と思われやすい理由を解説しましたが、反対に双極性障害では認知機能の低下が見られることがあります。ここでの認知機能の低下とは、以下の能力の障害・低下を意味します。- 注意力
- 学習能力や記憶力
- 計画力
- 意思決定力
「頭がいい」と感じるのは双極性障害の症状の1つかも
「自分は優れている」といった思い込みや、周囲が「頭がいい」と感じる原因は、双極性障害の症状が関係しているかもしれません。
この章では、双極性障害の症状を解説します。
双極性障害では、「躁状態・軽躁状態」と「うつ状態」に加えて、双方の症状が同時に表れる「混合状態」の3つが出現します。
それぞれの状態別に症状を見てみましょう。
躁状態・軽躁状態
躁状態は、気分が高揚し活動的な様子が見られる状態です。急に症状が表れる傾向があり、治療を受けないと2~3カ月ほど続くとされています。 躁状態の症状は以下の通りです。- 高揚気分(ハイテンション)
- イライラしやすく怒りっぽい
- 自尊心の肥大
- 睡眠欲求の減少
- 多弁
- 観念奔逸(次々と考えが浮かぶ)
- 注意散漫
- 活動量の増加
- 快楽活動への熱中(衝動買いや危険な運転など)
- 幻覚や妄想(誇大妄想や被害妄想)
うつ状態
うつ状態は気持ちが落ち込み、抑うつ気分や意欲の低下などが見られ、行動が制限されてしまう状態です。躁状態と比べてうつ状態の期間は長く、双極性障害の30~50%はうつ状態で過ごすことが多いとされています。治療をせずに過ごすと、6カ月以上続くこともあります。 うつ状態の症状は以下の通りです。- 抑うつ気分
- 興味・喜びの喪失
- 食欲の低下
- 不眠
- 精神運動制止(または焦燥)
- 全身の疲労感
- 無価値観・罪責感
- 思考力や集中力の低下
- 希死念慮・自殺企図
混合状態
混合状態は、「躁状態」と「うつ状態」の症状を同時にきたす状態です。両者の状態が切り替わる際に出現する可能性が高いとされています。 気分は高揚しているのに勝手に涙が出てきたり、意欲が低下しているのに次々と考えが思い浮かんだり、矛盾した様子が表れるのが特徴です。 混合状態については、こちらの記事でも詳しく解説しています。双極性障害は診断基準をもとに評価される
双極性障害は、血液検査や画像検査では診断を確定できません。ICD-10やDSM-5などの診断基準のほかに、病歴や家族の精神疾患罹患歴の有無などから総合的に判断されます。
前章でご紹介した症状が続く場合や日常生活に支障をきたしている場合は、早めに精神科や心療内科などの医療機関を受診しましょう。自覚がないケースも珍しくないため、家族や周囲の人が気づいたら受診を勧めることが大切です。なかには受診を拒否するケースもあります。その場合は、症状が落ち着いたタイミングで病院へ行くことを促してみましょう。
こちらの記事では、DSM-5の診断基準をもとにチェックシートを紹介しています。
双極性障害に関するよくある質問
ここでは、双極性障害に関する以下の疑問に対して解説します。- 双極性障害における脳萎縮と頭のよさは関係がある?
- 双極性障害の人の話し方の特徴は?
- 双極性障害は一生治らないの?
双極性障害における脳萎縮と頭のよさは関係がある?
ある研究で、双極性障害を抱えている方はうつ病の方と比較して、前頭葉の一部(背外側前頭皮質、前帯状皮質)が萎縮しているとのデータが報告されています。このことから、双極性障害は「心の病気」ではなく「脳の病気」といわれることもあります。 前頭葉は、感情や思考などのコントロールに影響する部位です。前頭葉が萎縮することで、思考力や集中力、判断力の低下が見られ、日常生活や仕事などに影響を及ぼす恐れがあります。さらに感情のコントロールがうまくできず、イライラしたり自分の欲求を我慢できなかったりと、周囲とのトラブルの原因につながることも少なくありません。 双極性障害では、脳萎縮により認知機能の低下や感情がコントロールできないなどの症状が表れ、頭のよさに影響しているように見えることもあるでしょう。双極性障害の人の話し方の特徴は?
双極性障害では、状態によって話し方や行動に特徴があります。 躁状態のときには気分が高揚して、多くの人と会話したり自信に満ち溢れた様子が見られたりします。新しい考えが次々と浮かぶため盛んに話したり声が大きくなったりします。十分な睡眠時間を取らなくても活動できてしまうことから、自分は頭がいいという誇大妄想が生じることも少なくありません。しかし現実的には、双極性障害によって知能が高くなることはないとされています。ほかにも、イライラしたような言動が目立ち、ときには相手を怒鳴ってしまうこともあります。 対してうつ状態では、意欲や思考力の低下から口数が少なくなる、受け答えがはっきりしない、悲観的な発言が聞かれるなどの言動が特徴です。双極性障害は一生治らないの?
双極性障害は再発する可能性が高いとされているため、「治らない病気なのでは?」と心配される方もいるかもしれません。状態によって治療期間が長くなることはありますが、適切な治療を開始することで回復に向かいます。 双極性障害では、症状を緩和しながら病気をコントロールする術を身につける治療に加えて、再発のリスクを減らす「予防治療」が重要です。実際におこなわれる治療法は、以下の3つです。- 薬物療法
- 精神療法(心理療法)
- 電気けいれん療法(ECT)
双極性障害の人との関わり方
双極性障害は状態によって症状や言動が異なります。そのため家族や周囲の方は、それぞれの状態に合った関わり方を知ることが大切です。本人に病気だという自覚がないケースも考えられるため、効果的に治療を進めるには周囲のサポートが必要です。
この章では、双極性障害を抱えている人との関わり方のポイントをご紹介します。