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コラム全般

急に涙が出る理由とは?対処法や考えられる病気についても解説!

精神科医 藤田朋大先生

当記事の監修医師
精神科医:藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医。新宿駅の心療内科・精神科「あしたのクリニック新宿院」で診療を担当



「最近、急に涙が出ることが多くなった」と不安に感じている方もいるでしょう。

急に涙が出る場合は、大きなストレスを抱えていることが多いと考えられます。涙が出ること以外にも、精神面や身体面で不調がみられる場合は、うつ病や適応障害などの可能性もあるため注意が必要です。

この記事では、急に涙が出る理由や対処法について詳しく解説します。また、うつ病適応障害の特徴や原因も説明します。急に涙もろくなり、対処法が知りたいと感じている方は、ぜひ最後までお読みください。

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急に涙が出る理由とは?

急に涙が出る理由は、十分には明らかにされていません(タマネギなどの刺激物の影響によるものは除く)。ただし、仮説の1つとして、大きなストレスを抱えたときに、涙を流すことでコルチゾールなどのストレスホルモンや毒素を血液から取り除く効果が期待できるといわれています。また、涙を流すことでストレス状態の脳(交感神経緊張状態)を一時的にリセットして、副交感神経を優位にする効果が期待されるという説もあります。

つまり、急に涙が出る理由には、ストレスから生成された物質を排出するため、あるいはストレスにより交感神経が優位の状態を副交感神経優位の状態にするためなどが考えられます。いずれにしても、急に涙が出ることとストレスには何らかの関係がある可能性が高いとされています。

急に涙が出る際の3つの対処法

次に、急に涙が出る際の3つの対処法について解説します。取り入れられそうなものから実践しましょう。

1.ストレスに気をつける

まずは、ストレスの原因を知り、できるだけストレスを抱えないことが大切です。ストレスによる変化には、「自分自身で気づきやすいもの」と「周囲の方が気づきやすいもの」があります。

自分で気づきやすいものは、憂うつ感や疲れが取れないなど、主に身体面での変化です。

一方で、引きこもりがちになることや飲酒量の増加などの行動面での変化は、周囲の方が気づきやすいでしょう。

大きな出来事が短期間で続いた場合、自分が気づかないうちにストレスが溜まっていることがあります。定期的に、無理をしていないか生活を振り返って確認したり、ストレスを発散したりして、ストレスを抱えこまないようにしましょう。

2.仕事の取り組み方を工夫する

仕事の取り組み方を工夫することで、ストレスを軽減できる可能性があるでしょう。仕事のストレスには、「自分で軽減できるもの」と「自分だけでは解決できないもの」があります。

自分でストレスを軽減するためにできる行動は、以下のようなものです。

  • 仕事時間と休憩時間のメリハリをつける
  • 時間の使い方を見直して効率的に仕事を処理する
  • 仕事量が多い場合は周囲の方に依頼する

仕事でのストレスが大きい方は、仕事の仕方や進め方を見直すことから始めましょう。

ただし、職場での人間関係や仕事内容が自分に合わないなど、自分では解決できない問題は、上司や同僚に相談しましょう。

3.専門家に相談する

急に涙が出る症状が続く場合は、専門家に相談することが大切です。一人で解決を試みることは自己成長につながることもありますが、できることには限界があり、なかなか改善に至らないということもあります。そのまま症状が悪化すると、回復するまでに時間を要する恐れがあります。

一人で悩み過ぎずに、専門家に相談してみましょう。解決の糸口が見つかる可能性に加え、相談することによって自分の思考が整理されることも期待できます。

企業内の産業医や看護職などに相談するか、外部の相談機関などを利用してもよいでしょう。自分にはどのような相談ルートがあるのか調べておくことがおすすめです。

急に涙が出るのはうつ病や適応障害の可能性も

急に涙が出る症状は、うつ病や適応障害などの可能性もあります。

人は脳が正常に機能している場合は、嬉しい・悲しい・腹立たしいといったさまざまな感情を抱きます。しかし、ストレスを含め何らかの影響によって脳の感情をつかさどる機能が低下すると、一日中憂うつ感を感じることが多くなるといった不調が表れます。

このような仕組みからうつ病や適応障害では、泣きたい気持ちになったり、ちょっとしたことで泣いたりという症状が表れることがあります。つまり、急に涙が出るのは、うつ病や適応障害である可能性も考えられるのです。

次からは、うつ病と適応障害がどのようなものなのか、特徴や原因について詳しく解説します。

うつ病とは

うつ病は、脳内の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」などの神経伝達物質が減ることで症状が出るといわれています。セロトニンやノルアドレナリンは、精神を安定させたりやる気を起こさせたりするはたらきがあります。うつ病になると、これらの神経伝達物質が減ってしまうため、無気力で憂うつな状態が続くと考えられています。

うつ病は、日本人の約15人に1人が、一生のうち一度はかかるといわれています。症状の改善には早期の治療が大切です。

うつ病の特徴

うつ病は気分障害の一つです。精神的な不調に加えて、眠れない、食欲がないなどの身体面での不調も表れている場合は、うつ病の可能性が高いでしょう。

自分がなぜ精神的な不調を感じているのか、わからない場合もあります。また、原因となる問題が解決してもうつ病の症状が改善せずに、日常生活に支障をきたす場合もあります。うつ病になると、物事の捉え方が否定的になるため、イライラしたり焦ったりすることも多くなるでしょう。

症状が続く場合は、重症化する前に専門家に相談することが大切です。

うつ病の原因

うつ病発症の正確な原因は明らかになっていませんが、原因は一つではなくさまざまな要因が絡み合っていると考えられています。非常につらい出来事が発症のきっかけとなることはありますが、それ以前にいくつかの出来事が重なっていることが多いのではないか、といわれています。

うつ病を発症するきっかけとなりやすいのは、環境要因です。たとえば、大切な人との別れや人間関係でのトラブルなどがあります。

また、性格傾向も発症するきっかけの一つです。義務感が強い方や周りへの気配りを重視する性格の方は、うつ病の発症のリスクが高いため注意が必要です。

そのほかに、遺伝的要因や慢性的な身体の疾患なども、発症要因の一つといわれています。

うつ病の初期症状

次に、うつ病の初期症状について解説します。ここでは、「身体に表れる変化」と「周囲の方にもわかる変化」に分けて紹介します。

身体に表れる変化

身体に表れるうつ病のサインとは、以下のようなものです。

  • 食欲不振
  • 眠れない、過度に寝る
  • 身体のだるさ
  • 動悸
  • めまい

うつ病の初期症状は、こころの不調ではなく、まず身体の不調や行動の変化として表れることが多いといわれています。また、症状は朝に表れることが多く、夕方から夜にかけて改善する傾向があります。思い当たる節があるなら、医療機関で受診してみましょう。

周囲の方にもわかる変化

周囲の方にもわかる変化は、以下のようなものです。

  • 表情が暗い
  • 自分を必要以上に責める
  • 涙もろくなる
  • 飲酒量が増える

うつ病では、自分が感じる気分や体調の変化に加えて、周囲の方が気づく変化もあります。上記のような症状が続いていることに気づいた場合は、話を聞いたり医療機関での受診を勧めたりすることが望ましいでしょう。

適応障害とは

適応障害とは、何らかの出来事がストレスの原因となり、心身のバランスが崩れて社会生活に支障をきたしている状態を指します。憂うつ感や不眠など、症状はさまざまですが、仕事や学業などを継続することが困難な状態となる点が特徴です。

適応障害は、約100人に1人が発症するといわれています。ただし、適応障害と診断された方の4割以上が、5年後までに他の精神疾患や精神障害に診断名が変更されています。重篤な疾患に移行してしまう前に、ストレスの原因を解消したり治療を受けたりすることが大切です。

適応障害の特徴

適応障害は、ストレスの原因が明確である点が特徴です。抑うつ感はうつ病にもみられる症状ですが、うつ病の場合は発症のきっかけが明確でないことも多いといわれています。

また、多くの場合、適応障害はストレスの原因から離れることで症状が改善する傾向があります。そのため、ストレスの原因を取り除ける場合は、環境を調整してストレスから離れることが望ましいでしょう。

適応障害の原因

適応障害の原因はストレスです。ストレスの要因は人によって異なり、個人レベルのことから地域を巻き込む災害など多岐に渡ります。適応障害は、ストレス耐性や感じ方が大きな影響を及ぼす点が特徴です。

適応障害の症状

適応障害の症状について、「こころと身体に表れる変化」と「周囲の方にもわかる変化」に分けて紹介します。

こころと身体に表れる変化

こころと身体に表れる変化は、以下のようなものです。

  • 強い不安感
  • 抑うつ感
  • 怒りや焦り
  • 動悸
  • 発汗
  • めまい

強い不安感や抑うつ感などは、適応障害でもにみられる症状です。このような精神面での強い苦痛と、精神・身体の不調などから社会活動に支障をきたすような行動面の問題、症状はどちらか一方のみの場合もあれば、両方がみられる場合もあります。

また、仕事上のストレスが原因の場合は、仕事がない休日は憂うつな気分が一時的に解消されることがあります。

周囲の方にもわかる変化

周囲の方にもわかる変化は、以下のようなものです。

  • 飲酒量が増える、暴飲暴食
  • 攻撃的な行動が増える
  • 無断欠席や遅刻が増える
  • 赤ちゃん返り(子どもの場合)

周囲の方にもわかる変化は、行きすぎた飲酒や暴食、攻撃的な行動などです。子どもの場合は、指しゃぶりをしたり赤ちゃん言葉を使ったりする「赤ちゃん返り」の行動がみられることもあります。

「急に涙が出る」ことに関するよくある質問

ここでは「急に涙が出る」ことに関してよくある質問に回答します。急に涙が出る症状で困っている方は、ぜひ最後までお読みください。

悲しくないのに急に涙が出るのはなぜ?

悲しくないのに涙が出て止まらない場合は、目の病気や月経前不快気分障害(PMDD)などの可能性があります。涙は涙腺で作られ、作られた涙の多くは「鼻涙管(びるいかん)」を通じて体内に吸収されます。しかし、鼻涙管に問題が生じている場合は、涙があふれることがあります。

また、月経前不快気分障害(PMDD)は、月経前症候群(PMS)の症状のうち、精神的な症状が主に表れる点が特徴です。月経周期に伴う女性ホルモンの変化により不快な症状が表れ、その1つとして涙もろくなることがあるといわれています。悲しくないのに涙が急に出てあふれる症状が続く場合は、眼科や婦人科などの受診も検討してみましょう。

急に涙が出る場合は医療機関で受診したほうがよい?

目に何かが入った場合や一時的な感情の変化でも急に涙が出ることがあります。そのため、一時的なものであれば過度に心配する必要はありません。ただし、急に涙が出る症状が続く場合は注意が必要です。また、身体面や行動面の不調を伴っている場合は、医療機関で受診しましょう。

早期に専門家に相談したり治療を受けたりすることで、症状の重篤化を防ぎ、早く回復できる可能性があります。

症状が悪化する前に医療機関で受診しよう!

この記事では、急に涙が出る理由や対処法について解説しました。急に涙が出る症状が表れた場合は、ストレスに気をつけたり仕事の取り組み方を工夫したりすることがおすすめです。

しかし、対処法を試しても涙が出る症状が続く場合は、うつ病や適応障害などの可能性があります。身体面や行動面での変化がある場合は、自分で解決しようとせずに周りに助けを求めることが大切です。

心身の不調が続いており、医療機関での受診を検討している方は、あしたのクリニックがおすすめです。あしたのクリニックは、新宿駅東口から徒歩3分の場所にあり、24時間WEBでの予約ができます。また、プライベートスペースが完備されているため、周りの方の目を気にすることなく過ごせます。

どんなささいな悩みでも相談が可能なため、急に涙が出る症状が続いている方は、ぜひ一度足を運んでください。

参考サイト・文献
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳|厚生労働省
こころもメこころの耳ンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
知ることから始めよう こころの情報サイト|国立精神・神経医療研究センター
e-ヘルスネット|厚生労働省
適応障害とは?うつ病との違い|一般社団法人全国地域生活支援機構



藤田 朋大先生

当記事の監修医師
藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医

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