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うつ病

うつ病の人がとる7つの行動|身近な人がうつ病になったときの対処法も

精神科医 藤田朋大先生

当記事の監修医師
精神科医:藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医。新宿駅の心療内科・精神科「あしたのクリニック新宿院」で診療を担当

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気分の落ち込みや不眠、倦怠感などが続くと「うつ病かも……?」と思うことがあるかもしれません。

厚生労働省のデータによると、うつ病は約15人に1人かかるといわれている身近な病気です。ストレスや環境の変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられており、症状が重くなると感情が抑えられなくなったり、希死念慮を抱いたり、重大な問題に発展するケースもあります。

「うつ病かも?」のサインに気づいたら、できるだけ早い段階から治療を始めることが大切です。そこで今回は、うつ病の人がとる行動7つについて解説していきます。

身近な人がうつ病になったときの対処法も解説するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

うつ病ってどんな病気?

うつ病とは、脳のエネルギーが欠乏して、心理的・身体的な不調を伴う病気です。

うつ病の原因は1つではなく、いくつかの要因が複雑に結びついているものと考えられます。人間関係のトラブルや環境の変化、性格傾向や遺伝的要因、妊娠出産や更年期障害など……さまざまな要因によって脳のエネルギーが枯渇し、脳の中で「セロトニン」「ノルアドレナリン」など感情に関する神経伝達物質の機能が低下してしまう、といわれています。

▼うつ病の心理的な症状

  • 意欲(食欲、性欲、睡眠欲など)の低下
  • 不安や焦燥感
  • イライラする
  • 注意力や集中力の低下
  • 無価値感
  • 罪業感
  • 希死念慮 など

また、心理的な症状だけでなく、さまざまな身体的不調も出てくるのがうつ病の特徴です。

▼うつ病の身体的な症状

  • 不眠
  • 過眠
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 胃の不快感
  • 過食
  • 味覚の変化
  • 倦怠感
  • めまい
  • 頭痛
  • 体の痛み
  • 息苦しさ
  • 手足のしびれ など

うつ病の症状は分かりにくく、特に心理的な症状にはなかなか気づけないことが多いようです。うつ病になった本人や周りが症状に気づけないまま、適切な治療を受けないでいると、長い間うつ病に苦しむことにつながります。

もし、身体的な症状が気になって検査を受けたとき、不調の原因が見つからない場合は、うつ病を疑ってみてください。身体的な不調と同時に、少しでも心理的な不調を感じるときは、信頼できる医師や心療内科などに相談してみましょう。

うつ病の人がとる7つの行動

「うつ病の人がとる行動」を7つ紹介します。家族や友人など周囲の人が「うつ病の人がとる行動」を継続的に行っている場合は、まずはそっと見守り、必要があれば医療機関の受診を促してみてください。

1.清潔感がなくなる

うつ病になると意欲が低下し、お風呂に入るのも難しくなることがあります。

着替えや身だしなみを整えることも億劫になるため、清潔感を保てません。これはうつ病だけでなく、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症にも見られる行動です。

2.体重(体型)が著しく変化する

うつ病の人がとる行動として特徴的なのが、食生活の変化です。

明らかに食欲がなくなって体重が減少してしまう人もいれば、過食傾向になって体重が著しく増加してしまう人もいます。

うつ病の治療を始めている人なら、抗うつ薬の影響で太りやすくなってしまうこともあるようです。治療による体重の増加が気になる人は、太りたくないことも併せて医師に相談してみてください。

3.人とのコミュニケーションを避けるようになる

うつ病は脳のエネルギーが枯渇して起こる病気なので、思考能力が低下してしまいます。

その結果、考えがうまくまとまらなかったり、言葉にできなかったりして、人との会話が難しく感じてしまうことがあるのです。話しかけても反応が薄かったり、言葉が出なくなったりするので、次第に人とのコミュニケーションを避けるようになってしまいます。

4.怒ったり泣いたり、感情の起伏が激しくなる

うつ病になると脳のエネルギー枯渇により、感情の制御が難しくなります。

気分が落ち込んだり、焦ってイライラしたり……感情の起伏が激しくなるのもうつ病の人がとる行動の1つです。また、気分の高揚や活力の増加と抑うつ状態を反復する場合は、双極性障害(躁うつ病)の可能性も考えられます。

5.遅刻や欠勤が増える

うつ病になると、不眠や過眠といった症状が起こります。

眠れなかったり、起きられなかったりするので、寝坊や遅刻が増えてしまいがちです。出勤できても就業中に居眠りをしてしまったり、集中力が失われてミスが増えてしまったりすることもあります。

このようなサインが従業員に見られたときは、決して責めないようにしてください。うつ病を疑って心のケアを優先し、産業医やかかりつけの医師、信頼できるクリニックなどに相談することを促してみましょう。

6.アルコール・ギャンブル・恋愛などに依存する

アルコールやギャンブルの依存症は、うつ病との関連が高いことが示唆されています。

うつ病や双極性障害(躁うつ病)などの精神的な病気が、アルコールや薬物、ギャンブル依存の引き金になることもあるのです。このような併存型のうつ病は希死念慮にもつながりやすく、重大な問題につながりやすいことが指摘されています。

また、恋愛依存傾向の人がうつ病になってしまうケースもあるようです。恋愛は感情が大きく動きやすく、精神的なストレスも大きくなるため、恋愛依存傾向の人や失恋したときにはうつ病に注意してください。

7.家から出られなくなる

うつ病になると、家から出られなくなるケースも多くあります。

なぜなら、意欲が低下して何もしたくなかったり、人とのコミュニケーションを避けたりするためです。いわゆる「引きこもり」の状態になり、学校や仕事に行けなくなってしまうこともあるでしょう。

何も楽しめないので、趣味や気分転換すらできなくなってしまうこともあります。

しかしうつ病で家から出たくない場合は、無理をせず、治療や休養することに専念してください。無理に行動しようとすると、かえって症状が悪化してしまうこともあるため、まずは信頼できる医療機関に相談して適切な治療を始めることが大切です。

うつ病かも?と思ったときの対処法

うつ病の人がとる行動を見て、ご自身が「うつ病かも?」と思ったときは勇気を出して休むことが大切です。無理をすると悪化し、症状が長引いてしまうことも十分に考えられるので、無理をせずにしっかり心と身体を休めてください。

まずはゆっくり休む

「うつ病かも?」と感じたら、まずは勇気を出して休むことに専念しましょう。

うつ病になると、どうしてもやる気が起きません。「仕事に行かなければ」「頑張らなければ」と頭では思っていても、何もしたくない気持ちのほうが強くなってしまうものです。

そんなときは思い切って「休む」と決めて、休息できる環境を整えてみてください。1日の休暇で気力が戻らないなら、有給休暇や失業保険などを利用して長期休暇を取りましょう。

ここでしっかり疲労を回復して英気を養えば、少しずつ意欲を取り戻して通常通りの生活を取り戻しやすくなります。

精神科や心療内科などに相談する

 うつ病のような症状がつらいときは、早めに信頼できる医療機関に相談してください。

▼うつ病の診療を行っている病院(科)

  • 精神科
  • 精神神経科
  • 心療内科
  • メンタルヘルス科 など

近頃のメンタルクリニックは、患者への配慮から「心の病気」についての看板を掲げていない場合もあります。どこへ行けばいいか分からないときはインターネットで調べたり、直接電話したりして、どのような病気を診療しているのかチェックしてみましょう。

職場の産業医や学校のスクールカウンセラーなどに相談できる場合は、近隣の精神科・心療内科などを把握していることもあります。また、公的機関が運営している相談窓口で紹介してもらうことも可能です。

精神科や心療内科でなくても、かかりつけ医に相談すると、適切な病院や医師を紹介してもらえる場合もあります。ご自身にとって精神的な負担の少ない方法でうつ病治療専門の医療機関を探し、早めに受診して治療を始めましょう。

うつ病の人に対する適切な接し方

うつ病は脳の病気で、本人は決して甘えたり怠けたりしているわけではないので、うつ病の人に対する適切な接し方を知っておくことが大切です。家族や友人、パートナー、従業員など周囲の人の行動を見ていて「うつ病かも?」と思ったときは、慎重かつ適切に対応してください。

まずは否定せずに話を聞く(傾聴)

周囲の人を見ていて「いつもと様子が違う」と感じたら、まずはゆっくりと話を聞いてあげましょう。

話を聞くときは、相手の立場に立って、共感しながら理解しようとする姿勢でいることを意識してみてください。決して判断や否定をすることなく、関心を持って耳を傾けるようにしましょう。

相手に共感しながら理解しようとする話の聞き方を「傾聴」といい、実際のカウンセリングでも有効な手法として活用されています。

もし、相手があまり話したがらないような状態であれば、無理に聞き出す必要はありません。そんなときは「話したくなったらいつでも聞くからね」と気持ちを伝え、負担にならない範囲で優しく見守ってあげましょう。

家庭では安心できる環境を整えて見守る

家族がうつ病傾向にあるときは、家庭を「安心して休養できる環境」に整えてあげることが大切です。

ネガティブな発言や態度が見られたときも、しっかりと話を聞いて優しい言葉をかけましょう。傾聴だけでなく、さりげない気遣いが家族への安心感につながる場合もあります。

家庭が憩いの場になれば、うつ病の悪化を防ぎ、回復力を促して元通りの生活に戻りやすくなります。うつ病患者のご家族も決して焦ることなく、休める環境を整えながら温かい気持ちで見守りましょう。

公的な窓口に相談する

うつ病になった本人が医療機関を受診できればベストですが、心の相談をするハードルを感じているケースも多くあります。

そんなときは、家族やパートナーが相談してみることも可能です。会社によってはご家族でも相談できる「外部相談窓口」を設けているところもあるので、ホームページや社内報などをチェックしてみてください。

特に相談するところがない場合は、国や地方自治体が運営している公的なホットラインに相談してみてもいいでしょう。ご本人や会社への対応の仕方、これからの治療についても相談に乗ってもらえるので、ぜひ電話やチャットなどで気軽に相談してみてください。

参考:こころの耳相談窓口

医療機関の受診をすすめる

明らかに以前と様子が違う状態が続くなら、早めに医療機関の受診をすすめてみてください。

医療機関への受診をすすめるときは「うつ病」「心の病気」といった言葉は使わず、「疲れているように見えて心配」「無理をしないで」と伝えてみましょう。そして初めての受診のときは、一緒に医療機関へ付き添ってあげるのがベストです。

うつ病はほかの病気と同様で、早めに対処すれば早めに回復しやすくなります。近所の精神科や心療内科に行きにくいときは、少し離れていても信頼できそうな病院やクリニックを探して、できるだけ早い段階から治療を始められるように促してみてください。

うつ病の人がとる行動に気づいたら早めに受診しよう

うつ病の人がとる行動としては、清潔感がなくなる、食欲の変化による体重の増減、人とのコミュニケーションを避けるなどの行動が挙げられます。

また感情の起伏が激しくなったり、遅刻や欠勤、アルコールやギャンブル依存症、引きこもりなどが見られたりするのも特徴です。

もしご自身にこのような傾向があると自覚できた場合は、思い切って休暇を取り、心と体を休めることを意識してみてください。周囲で「うつ病かも?」と感じる行動の人がいるなら、まずは相手の話に耳を傾けて心のケアを意識し、必要があれば医療機関の受診を促しましょう。

うつ病は、早い段階から適切に治療すれば、きちんと回復できる病気です。心理的な不調だけでなく、不眠や頭痛などの身体的な不調も起こる病気なので、決して無理をせず信頼できる医療機関で治療を始めましょう。

参考サイト・文献
eーヘルスネット|厚生労働省
こころの耳〜ご家族にできること|厚生労働省
こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜|厚生労働省
精神・発達障害者しごとサポーター養成講座|厚生労働省

藤田 朋大先生

当記事の監修医師
藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医

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