「公務員は失業保険をもらえない」と聞いて不安になっていませんか?
確かに公務員は雇用保険の対象外ですが、勤続20年・月給30万円なら約613万円の退職手当が一括支給される手厚い制度があります。
本記事では、勤続年数別の支給額目安から、退職後の健康保険・年金の切替手続き、退職金にかかる税金まで、2026年4月時点の最新情報に基づいて網羅的に解説します。
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結論|公務員は失業保険をもらえない代わりに「退職手当」が支給される
まず結論から整理します。
- 公務員は雇用保険(失業保険)の対象外。ハローワークでの基本手当は受給できません
- 代わりに「退職手当」が一括支給され、定年退職なら平均約2,112万円(国家公務員)
- 退職後は健康保険・年金・住民税の切替手続きが必要(共済組合の任意継続は退職から20日以内)
「失業保険がもらえない」と聞くと不安に感じますが、実態は公務員のほうが手厚い制度設計になっています。雇用保険の基本手当は失業期間中に最長360日間分割で支給されるのに対し、公務員の退職手当は退職時に一括で数百万円~数千万円が支給されるためです。
ただし、退職後の社会保険の切替手続きは民間以上にスピーディーな対応が求められます。次章から具体的に解説します。
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※国家公務員退職手当法の支給率(平成30年1月1日以降)に基づく概算。地方公務員は条例により異なります。調整額は含みません。
公務員は失業保険を受け取れる?退職金との違いを解説
公務員の方が退職を考える際、「失業保険はもらえるのだろうか?」という疑問を抱くのは当然のことです。民間企業に勤務する方々が一般的に加入している「雇用保険」は、失業時に生活を支えるための給付金(基本手当など)を提供します。



民間の「失業保険」と公務員の「退職手当」の違い早見表
| 項目 | 民間の失業保険 | 公務員の退職手当 |
| 法的根拠 | 雇用保険法 | 国家公務員退職手当法/各自治体条例 |
| 支給目的 | 失業中の生活保障・再就職支援 | 勤続報償・退職後の生活保障 |
| 支給方法 | 28日ごとに分割(最長360日) | 退職時に一括支給 |
| 計算基準 | 離職時賃金日額×給付率 | 俸給月額×勤続期間別支給率+調整額 |
| 平均支給額 | 約100~200万円(自己都合) | 約2,112万円(国家公務員定年) |
| 財源 | 雇用保険料(労使折半)+国庫負担 | 国・地方公共団体の一般会計 |
※国家公務員の定年退職金平均額は内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」(令和5年度)に基づきます。
公務員が雇用保険に加入できない3つの理由
公務員が雇用保険制度の適用対象外とされているのには、明確な理由と法的背景があります。
- 法的根拠の違い:雇用保険法ではなく、国家公務員退職手当法や条例が適用される
- 雇用の安定性:法律で身分が保障され、失業リスクが極めて低い
- 代替制度の存在:退職手当制度が雇用保険の役割を実質的に代替している
① 法的根拠の違い|雇用保険法は適用されない
日本の雇用保険制度は「雇用保険法」に基づいて運営されています。しかし、公務員はこの雇用保険法の適用範囲外とされています。
事実、国家公務員退職手当法第10条第15項には「本条の規定による退職手当は、雇用保険法の規定によるこれに相当する給付の支給を受ける者に対して支給してはならない」と明記されており、両制度が並立しないことが法律上明らかにされています(出典:e-Gov法令検索|国家公務員退職手当法)。
② 雇用の安定性|景気変動に左右されない
公務員が雇用保険に加入しない最大の理由の一つは、その雇用の安定性にあります。
民間企業は、景気の変動、企業の業績悪化、事業再編、倒産など、さまざまな要因によって雇用が不安定になるリスクを常に抱えています。
このような安定した雇用形態は、公務員が失業するリスクが極めて低いことを意味します。そのため、失業リスクを前提とした雇用保険制度に加入する必要性が低いと判断されているのです。
③ 代替制度の存在|退職手当が雇用保険の役割を担う
公務員には、雇用保険に代わる「退職手当」制度が法律で整備されています。これは長年の勤務に対する功労報償と退職後の生活保障の二つの側面を持ち、退職時に一括で支給されます。
育児休業中の給付なども、雇用保険からではなく、公務員独自の制度(共済組合等)で手当てされています。
公務員の退職手当とは|2026年最新の概要
公務員が失業保険に加入できない代わりに、退職時に支給されるのが「退職手当」です。これは単なる「退職金」という言葉では括りきれない、公務員独自の重要な制度です。
退職手当の3つの性格|功労報償+生活保障+賃金後払い
人事院の公式説明では、退職手当は「勤続報償、生活保障、賃金後払いの要素をそれぞれ有しているが、基本的には職員が長期間継続勤務して退職する場合の勤続報償としての要素が強い」と整理されています(出典:人事院|退職手当の支給)。
| 性格 | 意味 |
| ① 功労報償 | 長年の公務貢献への報償。勤続年数が長いほど支給額が増加 |
| ② 生活保障 | 退職後の生活資金。特に定年退職後の老後設計の柱となる |
| ③ 賃金後払い | 在職中の労働の対価の後払いという側面 |
国家公務員と地方公務員で根拠法が異なる
| 区分 | 根拠法令 | 対象者 |
| 国家公務員 | 国家公務員退職手当法 | 司法・立法・行政の常勤職員(約59万人) |
| 地方公務員 | 地方公務員法+各自治体の退職手当条例 | 都道府県・市町村職員、教員、警察等 |
※国家公務員の対象者数は令和4年時点のデータです(出典:内閣官房内閣人事局|国家公務員制度)。
公務員の退職手当の計算方法|基本額+調整額の2階建て構造
公務員の退職手当の計算は、複数の要素によって決まります。基本構造はシンプルで、以下の通りです。
退職手当 = 基本額 + 調整額
- 基本額 = 退職日の俸給月額 × 退職理由別・勤続期間別支給率
- 調整額 = 在職期間中の貢献度に応じた加算額(60月分の調整月額の合計)
勤続年数別・退職理由別の支給率早見表(国家公務員)
支給率は勤続年数が長いほど高く、退職理由によっても異なります。以下は内閣官房内閣人事局の「国家公務員退職手当支給率早見表(平成30年1月1日以降の退職)」から抜粋した代表値です。
| 勤続年数 | 自己都合 | 定年・勧奨 | 整理・傷病 |
| 5年 | 2.511 | 4.185 | 4.185 |
| 10年 | 5.022 | 8.370 | 8.370 |
| 15年 | 10.044 | 12.555 | 12.555 |
| 20年 | 19.6695 | 25.27875 | 23.50125 |
| 25年 | 28.0395 | 33.27075 | 33.27075 |
| 30年 | 34.7355 | 40.80375 | 40.80375 |
| 35年以上 | 40.80375~47.709 | 47.709(上限) | 47.709(上限) |
※出典:内閣官房内閣人事局|国家公務員退職手当支給率早見表(PDF)
※地方公務員は各自治体の条例により異なります。
勤続年数別・退職手当のシミュレーション5パターン
俸給月額別に、退職手当の概算額をまとめました。調整額は含まない基本額のみの試算です。
| ケース | 勤続年数 | 俸給月額 | 退職理由 | 退職手当(基本額) |
| A | 10年 | 28万円 | 自己都合 | 約140万円 |
| B | 20年 | 30万円 | 自己都合 | 約590万円 |
| C | 20年 | 40万円 | 定年退職 | 約1,011万円 |
| D | 30年 | 45万円 | 定年退職 | 約1,836万円 |
| E | 35年 | 50万円 | 定年退職 | 約2,385万円 |
※基本額のみの概算。実際は調整額が加算されます。
内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」(令和5年度)によると、国家公務員の定年退職金の平均額は約2,112万円、自己都合退職の平均は約275万円となっています。
退職手当にかかる税金|退職所得控除でいくら減る?
退職手当には所得税・住民税が課税されますが、「退職所得」として極めて優遇された課税が行われます。
退職所得の3つの優遇措置
- 退職所得控除:勤続年数に応じて大きな控除額が適用
- 1/2課税:控除後の金額をさらに半分にして課税
- 分離課税:他の所得と合算されず、累進税率の影響を受けにくい
退職所得控除額の計算式|勤続20年が分岐点
| 勤続年数 | 退職所得控除額の計算式 |
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年) |
※勤続年数に1年未満の端数がある場合、すべて1年に切り上げて計算します(例:30年2か月→31年として計算)。
※出典:国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
勤続年数別・退職所得控除額の早見表
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 控除以下なら非課税 |
| 10年 | 400万円 | 退職金400万円までは無税 |
| 20年 | 800万円 | 退職金800万円までは無税 |
| 25年 | 1,150万円 | 退職金1,150万円までは無税 |
| 30年 | 1,500万円 | 退職金1,500万円までは無税 |
| 35年 | 1,850万円 | 退職金1,850万円までは無税 |
| 38年 | 2,060万円 | 退職金2,060万円までは無税 |
具体例|勤続30年・退職金2,000万円のケース
例として、勤続30年で退職手当2,000万円を受け取った場合の税金を計算します。
STEP1:退職所得控除額を計算
800万円 + 70万円 ×(30年 − 20年)= 1,500万円
STEP2:課税退職所得金額を計算
(2,000万円 − 1,500万円)× 1/2 = 250万円
STEP3:所得税額を計算(国税庁速算表より)
250万円 × 10% − 9万7,500円 = 15万2,500円
STEP4:復興特別所得税を加算
15万2,500円 × 2.1% = 約3,202円
STEP5:住民税を計算
250万円 × 10% = 25万円
👉 合計税額:約40万5,702円
👉 手取り:約1,959万円
【2026年改正】iDeCo併用時の「10年ルール」に注意
2026年(令和8年)1月1日以降、iDeCoや企業型DCの一時金を先に受け取り、その後に退職手当を受け取る場合、退職所得控除を再活用できる期間が5年から10年に延長されました(出典:freee|2026年施行 退職所得控除の見直し)。
退職手当を受け取る年の前年以前9年内にDC一時金を受給している場合、勤続年数の重複排除調整が行われ、控除を満額利用できない可能性があります。iDeCoに加入している公務員の方は、受け取りタイミングの調整が必要です。
退職後にやるべき手続き5選|公務員特有の注意点
公務員は失業保険を受給できないため、退職後の社会保険切替手続きを自分で漏れなく行う必要があります。特に共済組合関連の手続きには厳しい期限があるため注意が必要です。
① 健康保険の切替|3つの選択肢から選ぶ
退職翌日に共済組合員の資格を失うため、再就職先の健保に加入しない場合は以下から選択します。
| 選択肢 | 期限 | 保険料 | こんな方におすすめ |
| 共済組合の任意継続 | 退職日から20日以内 | 掛金率2倍(在職時の事業主負担分も自己負担) | 2年以内に再就職予定の方/扶養家族が多い方 |
| 国民健康保険 | 退職日から14日以内 | 前年所得・自治体により変動 | 所得が低い方/世帯主の判断 |
| 家族の被扶養者になる | 速やかに(扶養者の勤務先で手続き) | 負担なし(扶養者の保険料に含まれる) | 退職後の年収見込みが130万円未満の方 |
② 年金の切替|国民年金第1号への変更
共済年金は厚生年金に統合されているため、退職後すぐに再就職しない場合は市区町村の窓口で国民年金第1号被保険者への切替手続きが必要です(退職日から14日以内)。配偶者が扶養に入る場合は第3号被保険者への変更も併せて行います。
③ 住民税の納付|普通徴収への切替
在職中は給与天引き(特別徴収)だった住民税が、退職後は自分で納付(普通徴収)に切り替わります。退職時期によって納付方法が異なるため注意が必要です。
| 退職時期 | 住民税の納付方法 |
| 1月~5月退職 | 残額が最後の給与・退職金から一括天引き |
| 6月~12月退職 | 翌月以降の納付通知書で自分で納付(普通徴収) |
④ 確定申告|必要なケース・不要なケース
退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を所属機関に提出していれば、退職手当に関する確定申告は原則不要です。源泉徴収で精算が完了します。
ただし以下のケースでは確定申告が必要・有利になることがあります。
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合(還付の可能性大)
- 医療費控除・寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例未利用分)を受ける場合
- 「退職所得の受給に関する申告書」を未提出の場合(20.42%が源泉徴収されているため還付申告で取り戻せる)
⑤ ハローワークでの再就職支援活用
公務員は失業保険を受給できませんが、ハローワークの再就職支援サービスは利用可能です。
- 職業相談・職業紹介(非公開求人含む)
- 公共職業訓練(IT・介護・Webデザイン等)
- 履歴書・職務経歴書の添削、面接対策
民間転職を考えている方は積極的に活用しましょう。
国家公務員と地方公務員で退職手当はどう違う?
基本構造は共通ですが、細部に違いがあります。
| 項目 | 国家公務員 | 地方公務員 |
| 根拠法令 | 国家公務員退職手当法 | 各自治体の退職手当条例 |
| 支給率 | 国の法令で全国一律 | 自治体ごとに微差あり(国基準を参考) |
| 定年退職金平均 | 約2,112万円(令和5年度) | 自治体・職種により異なる(教員・警察等で差) |
| 制度改正の反映 | 即時反映 | 条例改正のタイミングによりやや遅れる場合あり |
地方公務員の方は、ご自身の正確な金額を知るために所属する自治体の人事担当部署(総務部・人事課等)に直接問い合わせるのが最も確実です。
公務員の退職手当に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 地方公務員の失業保険の代わりは何ですか?
A. 地方公務員も雇用保険(失業保険)には加入していません。代わりに「退職手当」が支給されます。退職手当は退職時に一括支給され、勤続20年・月給30万円なら約590万円が目安です。一部自治体では退職者向けの再就職支援制度を設けている場合があります。
Q2. 公務員を自己都合で退職したらいくらもらえますか?
A. 勤続年数と俸給月額で大きく変動します。国家公務員の支給率を基準にすると、勤続20年・俸給月額30万円の自己都合退職で約590万円(基本額)が目安です。実際の金額は所属機関の人事担当部署にご確認ください。記事冒頭のシミュレーターで概算が確認できます。
Q3. 公務員に失業保証はありますか?
A. 民間の「失業保険」のような直接的な失業保証制度はありません。ただし、法律による厳重な身分保障と退職時の退職手当という形で、退職後の生活に対する手厚い制度設計がなされています。
Q4. 公務員が雇用保険に加入していない理由は何ですか?
A. ①法的根拠が異なる(雇用保険法ではなく国家公務員退職手当法等が適用)、②雇用が安定しており失業リスクが極めて低い、③退職手当という代替制度が存在する、の3点が主な理由です。
Q5. 退職手当はいつ振り込まれますか?
A. 一般的には退職日から1~2ヶ月以内に指定口座へ一括振込されます。年度末など退職者が多い時期はやや遅れる場合があります。退職前に「退職手当請求書」の提出が必要です。
Q6. 退職手当に税金はかかりますか?
A. 所得税・住民税がかかりますが、退職所得控除と1/2課税により大幅に軽減されます。勤続30年で退職金2,000万円のケースでは、税額合計は約40万円(税負担率約2%)で済みます。
Q7. 懲戒免職になっても退職手当はもらえますか?
A. 国家公務員退職手当法第12条により、懲戒免職等処分を受けた場合は退職手当の全部または一部が不支給となります。すでに支給された後でも、非違行為が判明すれば返納を求められることがあります。
まとめ|公務員の退職後の生活設計の3つのポイント
本記事のポイントを最後に整理します。
- 退職手当の見込み額を事前に把握する:勤続年数・退職理由・俸給月額で決まる。シミュレーターで概算確認
- 社会保険の切替を期限内に行う:共済組合の任意継続は退職日から20日以内が絶対期限
- 税金対策を早めに検討する:退職所得控除+1/2課税で大幅優遇。iDeCo併用時は10年ルールに注意
公務員は雇用保険の対象外ですが、退職手当という手厚い制度と安定した身分保障によって退職後の生活が支えられています。ただし、退職後の手続きは民間以上に自分でしっかり進める必要があります。
当メディアは、社会保険労務士が在籍する当事業所が運営しています。雇用保険・社会保険・労働関連の記事は、社労士の知見をもとに編集部が執筆・確認を行っています。
【参考にした公的情報(2026年5月時点)】
- 内閣官房内閣人事局|国家公務員制度(給与・退職手当)
- 内閣官房内閣人事局|国家公務員退職手当支給率早見表(PDF)
- 人事院|退職手当の支給
- e-Gov法令検索|国家公務員退職手当法
- 国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 国家公務員共済組合連合会|任意継続組合員
- 厚生労働省|雇用保険制度の概要
【免責事項】
本記事の情報は2026年5月時点のものです。法令・条例は改正される可能性があり、また、個々の公務員の勤務条件・退職理由・所属機関の規定等によって適用内容が異なります。退職手当に関する正確な情報や具体的な手続きについては、必ずご自身の所属機関の人事担当部署または専門家にご確認ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
最終更新日:2026年5月1日
編集体制:社会保険労務士在籍編集部






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