【状態別チェックシート】双極性障害かも?と感じたら確認してみよう

双極性障害とは、気分が高揚し活動的になる「躁状態」と、気持ちが落ち込み意欲の低下などが見られる「うつ状態」が交互に表れる精神疾患です。なかには、双方の状態を同時にきたす「混合状態」や、躁状態の程度が比較的軽い「軽躁状態」が出現することもあります。

本記事では、双極性障害の症状を状態ごとに分けたセルフチェックシートをご用意しました。

「自分は双極性障害かもしれない」「家族の様子がいつもと違う」とお悩みの方は、一度症状をチェックしてみましょう。

当日空き予約もあります オンライン診療で全国どこでも対応可能
診断書即日発行
対面は保険適用
当日予約OK
駅近で通いやすい

クリニックを選択

ご希望のクリニックをお選びください

クリニックを選択してください

【状態別】双極性障害の症状セルフチェックシート

双極性障害の診断には、世界保健機関(WHO)のICD-10や、米国精神医学会のDSM-5などの診断基準が用いられることが多いとされています。そのなかでも、DSM-5による双極性障害の診断基準は、躁病エピソード・軽躁病エピソード・抑うつエピソードに分けられています

この章では、上記の診断基準をもとにセルフチェックシートを作成しました。状態ごとに分けているため、それぞれの症状を確認しながらチェックしてみましょう。

躁状態・軽躁状態

躁状態は、気分が高揚し活動的な様子が見られる状態です。なかには、イライラしやすくなり怒りっぽくなる場合もあります。躁状態は急に表れることもあり、治療を受けないと2~3カ月ほど続くとされています。

【躁状態のセルフチェックシート】

まずは、以下の状態に当てはまるかをチェックしてみましょう。

  • 気分の高揚
  • 気分の開放感
  • 易怒性(イライラしやすく怒りっぽい)
  • 活力があり活動的

上記の状態がほぼ1日中、4日以上続いている場合は、さらに詳しく見ていくために次のチェックシートに移ります。

次は、以下の症状に当てはまるかをチェックしましょう。

  • 何でもできると感じたり、偉くなったと感じたりする
  • 睡眠時間が短くても平気である
  • 誰かと話したくて仕方がない
  • いろいろな考えが次々に思い浮かぶ
  • 1つのことに集中できず注意力がなくなる
  • 目標を達成するために活動的になる、またはじっとしていられない
  • 後で困るとわかっているのに、高価なものを買い込んだり、やりたいことの衝動を抑えられないことがある

上記の症状の3つ以上(状態が易怒性のみの場合は4つ)に当てはまり、なおかつ日常生活に影響を与えている場合や症状が1週間以上続いている場合は「躁状態」の可能性があります。状態によっては、入院が必要なほど症状が深刻な方もいます。

一方で「軽躁状態」は上記の症状が4日ほど続いているものの、比較的程度が軽く日常生活への支障はない状態です

うつ状態

うつ状態は気持ちが落ち込み、抑うつ気分や意欲の低下などの症状が見られます。躁状態と比べてうつ状態の期間は長く、双極性障害の30~50%はうつ状態で過ごすことが多いとされています。

【うつ状態のセルフチェックシート】

まずは以下の症状があるかをチェックしましょう。

  • 落ち込んだ気分
  • 何事にも興味や喜びを感じない

上記に当てはまる場合は、次のチェックシートに移ります。

次は以下の症状に当てはまるかをチェックしましょう。

  • 食欲がない(あるいは食べ過ぎる)
  • なかなか眠れない(あるいは寝過ぎる)
  • 動きたくなくなる(あるいは落ち着きがない)
  • 疲れやすい、やる気が起きない
  • 自分は価値のない人間だと思ったり、すべてを自分のせいにしたりする
  • 物事を考えたり、集中したりできない
  • 死について考えることがある

上記の症状に5つ以上当てはまり、その症状が2週間続いている場合は「うつ状態」の可能性があります。うつ状態も、症状が深刻な場合は日常生活や社会活動に支障をきたすことがあるため軽視できません。

双極性障害の「Ⅰ型」「Ⅱ型」の違い|診断基準をもとにチェックしてみよう

双極性障害は、状態の程度によって「Ⅰ型」と「Ⅱ型」に分けられます。ここではそれぞれの違いを、DSM-5の診断基準をもとに解説します。

「双極Ⅰ型障害」は必ず「躁状態」が出現し、日常生活や社会活動に大きな支障をきたすなど入院が必要になるほどの重篤な状態です。多くの場合「うつ状態」も見られますが、躁状態の症状がはっきりしていれば、うつ状態がなくても「双極Ⅰ型障害」と診断されることがあります。

対して「双極Ⅱ型障害」は、周囲には普段と異なる様子が明らかでも、日常生活や社会活動にそれほど影響していない状態です。「躁状態」はⅠ型に比べると軽い傾向にありますが、「うつ状態」が長く続いたり、症状が重く表れたりすることもあります。そのため、双極Ⅱ型障害の場合、うつ病と診断されることも少なくありません。

上記のような違いはありますが、素人の判断では見分けが難しいケースもあります。「自分は大丈夫」と思い込まず、医師の診察により診断を受けることが大切です。

当日空き予約もあります オンライン診療で全国どこでも対応可能
診断書即日発行
対面は保険適用
当日予約OK
駅近で通いやすい

クリニックを選択

ご希望のクリニックをお選びください

クリニックを選択してください

双極性障害とうつ病の違いをチェックしてみよう

双極性障害と間違われやすい精神疾患に「うつ病」があります。双極性障害とうつ病は、どちらもうつ状態の症状が表れますが、全く異なる疾患です。ここでは、双極性障害とうつ病の違いを説明します。

なお「双極性感情障害」という言葉もありますが、これは双極性障害のことを指します。

双極性障害とうつ病の大きな違いは、「躁状態」が出現するかどうかです。うつ病の方には、気分の高揚が見られる「躁状態」はありません。双極性障害によるうつ状態の期間は躁状態と比較して長く、うつ病と思われがちですが、のちに躁状態が表れることがあるため、慎重に経過を追う必要があります。

また、双極性障害とうつ病ではそれぞれ効果のある薬が異なります。そのため「抗うつ薬」を内服している間にイライラしたり怒りっぽくなったりした場合には、双極性障害を疑うきっかけとなることも少なくありません。

双極性障害の薬物療法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

双極性障害のチェックで当てはまる場合は早めに受診しよう

双極性障害の受診の目安は明確には決まっていませんが、以下の場合には早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • チェックシートに複数当てはまる
  • 躁・軽躁状態の症状が4日以上続いている
  • うつ状態の症状が2週間以上続いている
  • 症状によるつらさや苦痛を感じている
  • 日常生活や社会活動に支障をきたしている
  • 周囲から見て普段と様子が違う
  • ほかにも気になる症状がある

躁状態の場合は本人の困り感が薄く、受診したがらないケースも少なくありません。周囲から見て普段と様子が異なる場合は受診を勧めてみましょう。万が一拒否が見られた場合は無理強いせず、次章でご紹介する対処法を試してみてください。

双極性障害の可能性がある家族が受診を拒否したときの対処法

双極性障害の「躁状態」の場合、周囲が受診を勧めても、本人に困り感がなければ拒否するケースがあります。その場合は、まず本人の思いを聞いてみましょう。

このとき、できるだけ避けたいのは無理に病院へ連れて行くことです。対処法が分からず嘘をついてでも連れて行こうとするケースがありますが、躁状態のときの記憶は残るため、本人との関係性が悪くなる原因になりかねません。事情を説明して納得してくれることもありますし、症状が落ち着いたタイミングであれば受診を受け入れてくれることもあるでしょう。しかし、タイミングを見計らっている間は、症状の変化に注意する必要があります。

対処法に悩んでいる場合は、地域の保健所や精神保健福祉センターへの相談を検討しましょう。厚生労働省が運用している「こころの健康相談統一ダイヤル」を利用すれば、住んでいる地域の公的な相談機関に電話で相談できます。また、医療機関でも家族からの相談を受けつけている場合があるため、本人の拒否が強いようでしたら、一度相談して対処法を確認するのも方法のひとつです。

双極性障害のチェックシートに当てはまったら受診しよう

双極性障害は状態によっては自分で気づきにくく、治療開始が遅れてしまうことも珍しくありません。そのため自分で症状をチェックするだけでなく、周囲が普段と異なる様子に気づき双極性障害について理解することも大切です。

本記事でご紹介したセルフチェックシートはあくまで目安です。チェックシートに当てはまらなかったから安心とは限らないため、気になる症状がある場合は精神科や心療内科などの医療機関を受診して、医師に相談してみましょう。

症状や状態に合った治療を開始することが、回復への第一歩です。

当日空き予約もあります オンライン診療で全国どこでも対応可能
診断書即日発行
対面は保険適用
当日予約OK
駅近で通いやすい

クリニックを選択

ご希望のクリニックをお選びください

クリニックを選択してください

参考・出典
双極性障害|厚生労働省 e-ヘルスネット
双極性障害(双極症)ABC|大塚製薬株式会社
双極性障害(そううつ病)|国立精神・神経医療研究センター
双極性障害(躁うつ病)とつきあうために|日本うつ病学会 双極性障害委員会
双極性障害とは|順天堂大学医学部 大学院医学研究科
双極性障害について|東和薬品株式会社
双極性障害(躁うつ病)の治療|近畿大学病院
こころの健康相談統一ダイヤル|厚生労働省

関連記事