退職給付金はどうやってもらう?申請5ステップと受給条件を徹底解説

「しばらく仕事は休みたいけど、生活費はどうしよう」「退職後にもらえるお金があるらしいけど、何をすればいいの?」そんな不安を抱えている方は少なくありません。

実は、雇用保険に加入していた方なら、退職給付金(失業手当)を受け取れる可能性があります。しかし、手続きをしなければ1円ももらえないのがこの制度の注意点です。

この記事では、退職給付金の基本的な仕組みから、具体的な申請ステップ、受給条件、もらえる金額のシミュレーション、2025年4月の最新法改正情報まで、初めての方にもわかるように徹底解説します。記事を読み終えるころには「自分がやるべきこと」が明確になっているはずです。

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目次

退職給付金とは?まず失業手当との違いを理解する

退職給付金とは?まず失業手当との違いを理解する

「退職給付金」という言葉を聞いて、具体的に何を指すのか、正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。手続きを始める前に、まずは言葉の定義をはっきりさせておきましょう。

「退職給付金」は総称、「失業手当」は具体的な給付の一つ

一般的に「退職給付金」と呼ばれるものは、雇用保険制度から支給される様々な手当の総称です。そして、多くの人が「退職したらもらえるお金」としてイメージしているのが、その中の一つである「基本手当」、通称「失業手当」です。

つまり、「退職給付金」という大きな枠組みの中に、「基本手当(失業手当)」や後述する「再就職手当」などが含まれている、と理解してください。この記事では、主にこの「基本手当(失業手当)」の受け取り方について詳しく解説していきます。

退職金と退職給付金(雇用保険)は全く別の制度

もう一つ、混同されがちなのが「退職金」です。これは、会社が独自の規定に基づいて従業員に支払うお金であり、公的な制度ではありません。したがって、退職金制度がない会社も多く存在します。

一方で、退職給付金(雇用保険の基本手当)は国の公的な制度です。一定の条件を満たしていれば、会社の退職金の有無にかかわらず、誰でも受け取る権利があります。この2つは全くの別物だと覚えておきましょう。

項目 退職給付金(雇用保険の基本手当) 退職金
制度 国の公的な制度(雇用保険) 会社の独自制度
支給元 国(ハローワーク経由) 勤務していた会社
もらえる人 雇用保険の加入条件を満たした人 会社の退職金規定に該当する人
有無 条件を満たせば必ずもらえる 会社によっては制度がない場合もある

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退職給付金の主な種類一覧【基本手当以外ももらえる】

退職給付金の主な種類一覧【基本手当以外ももらえる】

雇用保険制度には、基本手当(失業手当)以外にも、状況に応じて様々な給付金が用意されています。ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。

失業手当(基本手当):退職給付金の中心となる給付

退職後、次の仕事を見つけるまでの間の生活を支援するために支給される、最も基本的な給付金です。働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあることが条件となります。

再就職手当

基本手当の受給資格がある人が、給付日数を一定以上残して安定した職業に再就職した場合に支給されるお祝い金のようなものです。早期の再就職を促す目的があります。

傷病手当

ハローワークで求職の申込みをした後、病気やけがのために15日以上継続して職業に就くことができなくなった場合に、基本手当の代わりに支給されます。健康保険から支給される「傷病手当金」とは別の制度です。

教育訓練給付金

働く人の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を修了した場合に、受講費用の一部が支給されます。

高年齢求職者給付金

65歳以上の高年齢被保険者が失業した場合に支給されます。年金を受給しながら受け取ることが可能です。基本手当とは異なり、一時金として一括で支給されます。

特例一時金

季節的に雇用される方や、短期の雇用を繰り返す方が失業した場合に支給される一時金です。

このように、様々なセーフティネットが用意されています。自分の状況に合った給付金を理解しておくことが大切です。

求職者支援制度(職業訓練受講給付金)

雇用保険に加入していなかった方でも利用できるのが、この求職者支援制度です。ハローワークに求職申込みをしたうえで、無料の職業訓練を受講しながら、月額10万円の給付金(職業訓練受講給付金)を受け取れる仕組みになっています。

対象となるのは、雇用保険の受給資格がない方で、かつ働く意思がある方。パソコン、医療事務、介護、Webデザインなど訓練コースは多岐にわたり、スキルアップしながら再就職を目指せるのが特徴です。

ただし、給付金を受け取るには本人の月収が8万円以下、世帯全体の月収が30万円以下などの収入・資産要件を満たす必要があります。詳細な条件はハローワークの窓口で確認しましょう。

項目 内容
対象者 雇用保険を受給できない求職者
給付額 月額10万円+通所手当(交通費)+寄宿手当
訓練費用 無料(テキスト代等は自己負担の場合あり)
主な収入要件 本人月収8万円以下、世帯月収30万円以下 など
申請先 住所を管轄するハローワーク

「雇用保険に入っていなかったから自分は何ももらえない」と諦めてしまう方は少なくありません。しかし、この制度を活用すれば生活費を確保しつつ新たなスキルを身につけ、再就職につなげることが可能です。まずはハローワークで自分が対象になるか相談してみることをおすすめします。

※参照:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

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退職給付金はどうやってもらう?基本手当の申請5つのステップ

退職給付金はどうやってもらう?基本手当の申請5つのステップ

それでは、最も多くの人が利用する「基本手当(失業手当)」を受け取るための具体的な流れを、5つのステップに分けて詳しく見ていきましょう。手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、一つずつ順番に進めれば大丈夫です。

ステップ1:退職時に会社から必要書類を受け取る

すべての手続きは、会社から必要な書類を受け取ることから始まります。退職日以降、会社から下記の書類が郵送などで届きます。通常は退職後10日〜2週間程度で届きますが、もし届かない場合は会社の人事や総務担当者に確認しましょう。

雇用保険被保険者離職票(1・2)

これが最も重要な書類です。「離職票-1」と「離職票-2」の2種類があります。

  • 離職票-1:氏名や被保険者番号、振込先金融機関を記入する欄があります。
  • 離職票-2:離職前の賃金支払状況や、最も重要な「離職理由」が記載されています。この離職理由によって、給付金がもらえるまでの期間や日数が変わるため、内容を必ず確認しましょう。もし事実と異なる場合は、ハローワークに相談する前に会社に訂正を求める必要があります。

雇用保険被保険者証

雇用保険に加入していたことを証明する書類です。通常は入社時に渡され、会社が保管しているケースが多いです。退職時に返却してもらいます。

源泉徴収票

その年に会社から支払われた給与や、徴収された所得税額が記載された書類です。確定申告や、再就職先での年末調整の際に必要になります。

ステップ2:ハローワークで求職申込みと受給資格の決定を受ける

必要書類が揃ったら、いよいよハローワークへ行きます。この最初の訪問が、手続きのスタート地点です。

申請先は住所を管轄するハローワーク

手続きを行うのは、現在住んでいる場所の住所を管轄するハローワークです。以前の勤務先の所在地や、実家の住所を管轄するハローワークではないので注意しましょう。管轄のハローワークがどこか分からない場合は、インターネットで「〇〇市 ハローワーク 管轄」などと検索すればすぐに調べられます。

申請に必要な持ち物リスト

初めてハローワークへ行く際の持ち物は以下の通りです。忘れ物がないように、事前にしっかりチェックしましょう。

必須の持ち物 備考
雇用保険被保険者離職票(1・2) 会社から受け取ったもの。
個人番号確認書類(いずれか1点) マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票など。
身元(実在)確認書類 ①運転免許証、マイナンバーカードなど顔写真付きのものなら1点。②公的医療保険の被保険者証(健康保険証)、住民票記載事項証明書など顔写真なしのものなら2点。
証明写真2枚 最近の写真で、正面上半身、タテ3.0cm×ヨコ2.5cm。
本人名義の預金通帳またはキャッシュカード 給付金の振込先として指定するもの。一部指定できない金融機関があります。
印鑑 認印で可。シャチハタは不可。

窓口で「失業手当の手続きをしたい」と伝えると、担当者が案内してくれます。書類を提出し、求職の申込みを行った後、「受給資格」が決定されます。この日が「受給資格決定日」となり、今後のスケジュールが決まる重要な日となります。

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ステップ3:雇用保険受給者初回説明会に参加する

受給資格が決定してから、約1〜3週間後に開催される「雇用保険受給者初回説明会」に参加します。日時はハローワークで指定されますので、必ず出席してください。

雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取る

この説明会では、雇用保険制度の仕組みや今後の手続きの流れについて詳しい説明があります。そして、今後の手続きで非常に重要になる以下の2つの書類が渡されます。

  • 雇用保険受給資格者証:あなたの受給資格を証明するもので、基本手当の日額などが記載されています。
  • 失業認定申告書:後述する「失業認定日」に提出する書類です。

第1回目の「失業認定日」が知らされる

説明会で、あなたの第1回目の「失業認定日」がいつになるかが伝えられます。この日にハローワークへ行くことが、給付金を受け取るための次のステップになります。

ステップ4:失業認定日にハローワークへ行く

失業認定日とは、「前回の認定日から今回の認定日までの期間中、あなたが失業状態にあったこと」をハローワークに認定してもらうための日です。原則として4週間に1度、指定された日にハローワークへ行く必要があります。

求職活動の実績を報告する

失業の認定を受けるためには、ただ働いていないだけでは不十分です。「積極的に仕事を探している(=求職活動を行っている)」ことを証明する必要があります。そのために、前回の認定日から今回の認定日までの間に、原則として2回以上(初回は1回以上)の求職活動の実績が必要です。

【求職活動として認められる活動の例】

  • ハローワークで職業相談や職業紹介を受ける
  • 求人に応募する(ハローワーク経由でなくても可)
  • ハローワークなどが実施するセミナーや講習会に参加する
  • 許可・届出のある民間職業紹介機関や労働者派遣機関で相談・登録をする
  • 再就職に資する国家試験、検定等の資格試験を受験する

単にインターネットで求人情報を閲覧したり、知人に紹介を依頼しただけでは実績として認められない場合が多いので注意が必要です。行った活動内容を「失業認定申告書」に記入し、雇用保険受給資格者証と一緒に提出します。

失業状態の認定を受ける

提出した書類と簡単な面談に基づき、ハローワークの職員が失業状態にあることを認定します。この認定が下りて初めて、その期間分の基本手当が支給されることが決まります。

ステップ5:指定の口座に給付金が振り込まれる

失業の認定が下りると、通常、認定日から5営業日程度で、ステップ2で指定したあなたの金融機関口座に基本手当が振り込まれます。以降は、所定の給付日数が終了するまで「ステップ4(失業認定)」と「ステップ5(振込)」を繰り返すことになります。

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退職給付金をもらえる条件は?自分が対象かチェックしよう

退職給付金をもらえる条件は?自分が対象かチェックしよう

基本手当(失業手当)は、退職した人なら誰でも無条件にもらえるわけではありません。雇用保険法で定められたいくつかの条件をクリアする必要があります。

基本手当(失業手当)を受けられる条件

基本手当を受け取るためには、大前提として「ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない『失業の状態』にあること」が必要です。

その上で、以下の具体的な条件を満たす必要があります。

原則の受給条件

原則として、離職日以前2年間に、被保険者期間(雇用保険に加入していた期間)が通算して12か月以上あることが必要です。この「12か月」は、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として計算します。

自己都合退職と会社都合退職で条件が異なる

倒産・解雇などにより再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた場合(特定受給資格者)や、正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)の場合は、受給条件が緩和されます。

この場合、離職日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あればよいとされています。自分がどちらに該当するかは、離職票-2の離職理由で確認できます。

退職理由 受給に必要な被保険者期間
自己都合退職(一般) 離職日以前2年間に12か月以上
会社都合退職(特定受給資格者) 離職日以前1年間に6か月以上
正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者) 離職日以前1年間に6か月以上

パートやアルバイトでも退職給付金はもらえる?

「正社員じゃないともらえないのでは?」と思われがちですが、そんなことはありません。パートやアルバイト、契約社員といった雇用形態に関わらず、以下の2つの条件を満たして雇用保険に加入していれば、正社員と同様に基本手当を受け取ることができます。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 31日以上の雇用見込みがあること

上記の条件を満たしていれば、会社は従業員を雇用保険に加入させる義務があります。給与明細で「雇用保険料」が天引きされていれば、加入している証拠です。

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退職給付金はいつから、いくらもらえる?金額と期間の目安

手続きと並行して最も気になるのが、「具体的に、いつから、いくらもらえるのか」という点でしょう。これも退職理由などによって大きく変わってきます。

退職給付金はいつから届く?受給開始までの期間を解説

ハローワークで初めて手続きをした「受給資格決定日」から通算して7日間は、「待期期間」と呼ばれます。この期間は、退職理由にかかわらず、すべての人に適用され、基本手当は支給されません。

待期期間が満了した後、実際に給付が始まるまでのスケジュールは退職理由によって異なります。

  • 会社都合退職(特定受給資格者)や正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)の場合
    待期期間(7日間)が終了すれば、次の失業認定日から給付が開始されます。つまり、手続き開始から約1ヶ月後には最初の振込があるイメージです。
  • 自己都合退職(一般)の場合
    待期期間(7日間)に加えて、原則として2ヶ月間(※)の「給付制限」が設けられます。この期間は基本手当が支給されません。したがって、最初の振込は手続き開始から約3ヶ月後となります。
    (※)5年間のうち3回目以上の自己都合退職の場合は3ヶ月間となります。

退職給付金はいくらもらえる?金額の計算方法

受給できる総額は、「基本手当日額 × 所定給付日数」で決まります。

基本手当日額の算出方法

基本手当日額は、原則として離職日直前の6か月に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(賃金日額)の、およそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となります。

賃金が低い方ほど、給付率が高くなる仕組みになっています。また、年齢ごとに上限額が定められています。正確な金額はハローワークで受給資格が決定した際に渡される「雇用保険受給資格者証」で確認できます。

給付日数(何日間もらえるか)の決まり方

基本手当が支給される上限の日数を「所定給付日数」と呼びます。これは、年齢、雇用保険の被保険者であった期間、そして離職の理由などによって決まります。

  • 自己都合退職(一般)の場合
    被保険者期間に応じて90日~150日となります。
  • 会社都合退職(特定受給資格者)や正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)の場合
    被保険者期間と年齢に応じて90日~330日と、自己都合退職の場合よりも手厚くなっています。

これは、会社都合で離職した方は、再就職の準備期間が十分に取れなかったことを考慮されているためです。

退職給付金の受給額シミュレーション【具体例で解説】

計算方法だけではイメージしづらいという方のために、具体的なモデルケースで受給額をシミュレーションしてみましょう。ここでは2つのパターンを紹介します。

【ケース1】35歳・自己都合退職・勤続8年・月給25万円の場合
離職前6ヶ月の賃金合計は150万円(25万円×6ヶ月)なので、賃金日額は約8,333円。給付率はおよそ60〜70%となり、基本手当日額は約5,600円が目安です。自己都合退職で被保険者期間が10年未満のため、所定給付日数は90日。受給総額はおよそ50万4,000円となります。

【ケース2】45歳・会社都合退職・勤続15年・月給30万円の場合
離職前6ヶ月の賃金合計は180万円(30万円×6ヶ月)なので、賃金日額は約1万円。給付率はおよそ50〜60%となり、基本手当日額は約6,100円が目安です。会社都合退職で45歳以上・被保険者期間10年以上20年未満のため、所定給付日数は270日。受給総額はおよそ164万7,000円になります。

項目 ケース1 ケース2
年齢 35歳 45歳
退職理由 自己都合 会社都合
勤続年数 8年 15年
月給 25万円 30万円
賃金日額 約8,333円 約10,000円
基本手当日額(目安) 約5,600円 約6,100円
所定給付日数 90日 270日
受給総額(目安) 約50万4,000円 約164万7,000円

このように、退職理由・年齢・勤続年数によって受給額には大きな差が生まれます。自分のケースでいくらもらえるのか気になる方は、ハローワークの窓口で試算してもらうことも可能です。正確な金額は受給資格決定後に交付される「雇用保険受給資格者証」で確認できます。

※上記はあくまで概算です。実際の金額は賃金日額や年齢区分ごとの上限額によって変動します。
※参照:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります」

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退職給付金を受け取る際の注意点

退職給付金は条件を満たせば受け取れる心強い制度ですが、知らないままだと損をしてしまうケースもあります。ここでは、受給中のアルバイトのルール2025年4月に改正された給付制限期間の最新情報について解説します。

失業保険の受給中にアルバイトはできる?

結論から言うと、失業保険の受給中でもアルバイトをすること自体は可能です。ただし、守るべきルールがいくつかあります。

まず、受給資格決定日から7日間の待期期間中は、いかなる労働も原則として認められません。待期期間の完成が遅れる原因になるためです。

待期期間終了後は、週の所定労働時間が20時間未満かつ31日以上の雇用見込みがない範囲であれば、アルバイトが認められます。逆にこの基準を超えると「就職した」とみなされ、失業保険の支給が止まる場合があるので注意が必要です。

ポイント ルール
待期期間中(7日間) アルバイト不可
待期期間後 週20時間未満・31日以上の雇用見込みなしならOK
収入の申告 失業認定日に必ず申告が必要
申告を怠った場合 不正受給とみなされ、最大3倍の返還命令の可能性あり

最も重要なのは、アルバイトで収入を得た場合は失業認定日に必ず申告することです。たとえ1日だけの短期バイトであっても申告は必須となります。申告を怠ると不正受給と判断され、受給額の返還に加えて最大で受給額の2倍の納付命令(合計3倍返し)が科される可能性があります。

※参照:ハローワーク インターネットサービス「雇用保険の基本手当を受けている皆さまへ 不正受給についてのご注意」

給付制限期間の最新ルール【2025年4月改正】

自己都合退職の場合に設けられる「給付制限期間」は、2025年4月1日の法改正により、従来の2ヶ月から原則1ヶ月に短縮されました。これにより、自己都合退職でも以前より早く基本手当を受け取れるようになっています。

さらに、給付制限期間中に教育訓練(ハローワーク指定の講座など)を受けた場合は、給付制限が解除されるというルールも新設されました。積極的にスキルアップに取り組む方にとって、大きなメリットといえるでしょう。

項目 改正前(2025年3月まで) 改正後(2025年4月以降)
自己都合退職の給付制限 原則2ヶ月 原則1ヶ月
5年間で3回目以降の自己都合退職 3ヶ月 3ヶ月(変更なし)
教育訓練を受けた場合 規定なし 給付制限が解除

なお、この改正は2025年4月1日以降に離職した方が対象です。それ以前に離職した方には従来のルールが適用されるため、ご自身の離職日を確認しておきましょう。手続きを早めに済ませることで、少しでも早く生活の安定につなげることが大切です。

※参照:厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要」

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退職給付金のもらい方に関するよくある質問(Q&A)

ここでは、退職給付金に関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q1. 退職したら200万円もらえる制度は本当ですか?怪しい話ではない?

A.インターネットやSNSで「退職後に申請すれば200万円もらえる」といった情報を見かけることがありますが、注意が必要です。これは、本記事で解説している雇用保険の「退職給付金」とは全く別の話です。

多くの場合、それは健康保険の傷病手当金などを活用した「社会保険給付金サポート」といった民間サービスを指しています。利用には専門家のサポート費用が発生したり、適用される条件が非常に限定的であったりします。ハローワークで手続きする公的な雇用保険制度とは全く異なるものであることを理解し、情報を慎重に見極める必要があります。

Q2. 退職給付金の申請は自分でやるのですか?

A.はい、すべての手続きは、原則として本人が自分の住所を管轄するハローワークに出向いて行う必要があります。会社が代行してくれることはありません。この記事で解説したステップに沿って、ご自身で手続きを進めていくことになります。

Q3. 退職給付金を受け取る際のデメリットや注意点はありますか?

A.制度自体に大きなデメリットはありませんが、注意すべき点はいくつかあります。

  • 求職活動の手間がかかる:4週間に1度ハローワークへ行き、求職活動の実績を報告する必要があります。
  • すぐにはもらえない:特に自己都合退職の場合は、実際に振り込まれるまで3ヶ月近くかかります。
  • 受給中は扶養に入れない場合がある:基本手当の日額によっては、税法上・社会保険上の扶養から外れなければならないケースがあります。

Q4. 申請期限はありますか?いつまでに手続きすべき?

A.基本手当の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間です。この1年を過ぎてしまうと、たとえ給付日数が残っていても、それ以降は支給されません。例えば、手続きが遅れて受給期間が残り30日しかなくなってしまった場合、所定給付日数が90日あっても30日分しか受け取れないことになります。退職後は、できるだけ早く手続きを開始することをおすすめします。

Q5.退職給付金は退職してからどれくらいで届きますか?

A.ハローワークで手続きした日から7日間の待期期間があり、その後に失業認定を受けて約5営業日で振り込まれます。自己都合退職の場合は、さらに原則1ヶ月の給付制限があるため、最初の入金まで約2ヶ月かかるのが目安です。

Q6.退職給付金を受け取りながら転職活動はできますか?

A.はい、むしろ転職活動を行うことが受給の条件です。4週間に1度の失業認定日までに原則2回以上の求職活動実績が必要となります。ハローワークでの職業相談や求人への応募が実績として認められます。

Q7.退職給付金と傷病手当金は同時にもらえますか?

A.同時に受け取ることはできません。病気やけがで働けない場合は、まず健康保険の傷病手当金を受給し、回復後にハローワークで失業手当の手続きを行うのが一般的な流れです。受給期間の延長申請も忘れずに行いましょう。

Q8.離職票が届かない場合はどうすればいいですか?

A.退職後2週間以上経っても届かない場合は、まず会社の人事・総務担当に確認しましょう。それでも届かないときは、ハローワークに相談すれば会社への督促や仮手続きの案内を受けることができます。

Q9.退職給付金を受給すると確定申告は必要ですか?

A.雇用保険の基本手当(失業手当)は非課税所得のため、受給額に対して確定申告は不要です。ただし、退職した年に年末調整を受けていない場合は、給与所得に対する確定申告が必要になるケースがあるため注意しましょう。

まとめ:退職給付金をもらうにはハローワークでの手続きが必須

退職給付金は、離職票を準備してハローワークで手続きすれば、条件を満たした方なら誰でも受け取れる公的な制度です。自己都合退職でも2025年4月の法改正で給付制限が原則1ヶ月に短縮され、以前より早く受給できるようになりました。

「手続きが難しそう」と感じる方もいるかもしれませんが、この記事で紹介した5つのステップに沿って進めれば大丈夫です。まずは管轄のハローワークに足を運んでみましょう。

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