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不安障害

不安障害を引き起こす5つの原因とは?分類ごとの症状と治療法を解説

精神科医 藤田朋大先生

当記事の監修医師
精神科医:藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医。新宿駅の心療内科・精神科「あしたのクリニック新宿院」で診療を担当

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「不安障害って何が原因なの?」
「不安障害になる原因を知って、適切に対処したい」

などと悩んでいる方もいるかもしれません。

不安障害を引き起こす原因ははっきりとは分かっていませんが、遺伝的な要因やストレス、精神的な気質などがかかわっているといわれています。

そこで本記事では、不安障害を引き起こす原因や対処法について詳しく解説します。不安障害の原因が分からず不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

不安障害とは?

不安障害とは、不安が伴うさまざまな症状が限度を超えて表れ、日常生活に支障をきたしてしまう精神疾患です。

不安は誰にでも起こる、正常な反応です。しかし、不安障害では不安な感情が日常生活に支障をきたすほどであり、動悸やめまい、不眠などの症状が表れます。症状は個人差が大きく、ほかの精神疾患と酷似した症状もみられることから慎重な判別が必要です。

不安障害の一つである社交不安障害の生涯有病率は13%であり、7人に1人は生涯のうちに社交不安障害にかかるとされています。

不安障害を引き起こす5つの原因

不安障害を引き起こす原因ははっきり分かっていませんが、これまでの研究結果により、下記5つの要素がかかわっている可能性があるとされています。

  • 遺伝的な要因
  • ストレスやトラウマなどの環境
  • 本人の気質
  • 身体的な状態
  • 不安を誘発する薬の使用や中止

それぞれ5つの原因について具体的に解説します。

原因1:遺伝的な要因

家族に不安障害になった方がいる場合は、不安障害を引き起こすリスクが高いと言われています。不安障害になった方の全体の30~67%に遺伝性が認められているという研究結果もあります。

また、遺伝子の異常によって脳内物質のバランスが崩れることでも引き起こされる可能性があるとも考えられているのです。

原因2:ストレスやトラウマなどの環境

ストレスやトラウマなどの環境は不安障害を引き起こす原因となる場合があります。具体的な事例としては下記の通りです。

  • 重要な人間関係の破綻
  • 親との離別体験
  • 生命を驚かす災害の遭遇
  • 虐待の経験

ストレスやトラウマ自体の衝撃が強かったり、小さなストレスの積み重ねだったりでも発症の引き金となる場合があります。不安な気持ちや恐怖は生まれつき備わった自分を守るための能力です。しかし、心のバランスが崩れることで、不安や恐怖が強く出続けてしまうことがあるのです。

原因3:本人の気質

精神的な気質も不安障害の原因です。ここでの精神的な気質とは神経質な性格のことであり、森田正馬博士が提唱した下記3つを言います。

  • 内向的、自己内省的
  • 心配性、小心、敏感、些事にこだわりやすい
  • 完全主義、理想主義、頑固、負けず嫌い

このような神経質な性格では、強気と弱気の要素を併せ持つ性格であるため、強気の性格が弱気の性格を許容できずに葛藤します。神経質なタイプは、困難への対処が苦手な傾向にあると言われています。結果、不安障害を引き起こす要因となるケースもあるのです。

原因4:身体的な状態

身体的な状態によっても、不安障害を引き起こす可能性があります。病気や身体の不調などが不安の原因となります。具体的な疾患は、下記の通りです。

  • 心不全や不整脈などの心臓疾患
  • 副腎皮質機能亢進、甲状腺機能亢進症、内分泌系の疾患
  • 喘息や慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器系の疾患

病気や不調などの身体的な状態が精神面にも影響することがあります。ときには、発熱でさえ不安障害の原因となる可能性もあります。

原因5:不安を誘発する薬の使用や中止

不安を誘発する薬の使用や中止も、不安障害の原因となることがあります。不安を誘発する薬の一例は以下の通りです。

  • アルコール
  • 中枢刺激薬(アンフェタミンなど)
  • カフェイン
  • コカイン
  • コルチコステロイドなどの多くの処方薬
  • 市販のダイエット製品(ハーブ製品のガラナ、カフェイン、またはその両方を含有するものなど)

また、鎮静薬の使用中止は不安や不眠症、不穏などの症状の原因となる可能性があります。

不安障害の分類と症状

ここでは、不安障害の分類と症状について解説します。下記4つに分類されます。

  • パニック障害
  • 社交不安障害(社会不安障害)
  • 強迫性障害
  • 全般性不安障害

4つの分類とそれぞれの症状について具体的に解説します。

パニック障害|パニック発作が繰り返される

パニック障害とは、突然理由もなく強い不安に襲われて、パニック発作を繰り返す精神疾患のことです。パニック発作とは具体的に以下の症状があります

  • 動悸がする、心拍数があがる
  • 死んでしまうのではといった恐怖感がある
  • 発汗、冷や汗
  • 体が震える
  • 息切れがする、息苦しい
  • 窒息する感じがする
  • 胸が痛い、胸苦しさがある

パニック発作では、発作的な不安や体の異常な反応が突然表れますが、10分以内にピークに達します。

パニック障害では、パニック発作になったときの苦しい症状や恐怖心から「また発作が出たらどうしよう」「発作が出て治まらなかったらどうしたらいいの?」などと心配になる方も多いでしょう。これを「予期不安」と言います。予期不安を恐れることで、電車や人ごみを避けたり、一人での外出を避けたり、エレベーターを避けたりなどの逃避行動が起こりやすくなります。

社交不安障害(社会不安障害)|人に注目されることが怖くなる

社交不安障害とは、人に注目されたり誰かの前で恥ずかしい思いをしたりすることに対して、必要以上に恐怖や不安を感じる精神疾患です。強い苦痛を感じると、パニック発作を起こす場合もあります。

話すときだけではなく、人が多くいる繁華街やバス・電車の中などでも強い苦痛を感じることがあります。症状を繰り返すことで、学校や職場に行けなくなる場合もあるでしょう。思春期の頃であれば、自分に自信が持てないことが要因となる場合もあります。

強迫性障害|繰り返し同じことをしなければ不安を感じる

強迫性障害とは、つまらないことだと認識していてもある行為をやめられず、繰り返し同じことをしなければ不安に感じる精神疾患です。

たとえば、下記の行動です。一例を紹介します。

  • 繰り返し手を洗う
  • 戸締まりを何度も確認する
  • 火の元の確認を何度もする
  • 階段や電柱など気になった数を数え続ける

強迫行為を繰り返すことに時間がかかってしまい、学校や職場、日常生活に支障をきたすようになります。

全般性不安障害|さまざまな場面で不安を感じる

全般性不安障害とは、学校や家族、友人のこと、生活上のことなどさまざまな場面で不安や心配になる状態が続く精神疾患のことです。

半年以上続く場合があり、不安だけではなく下記の症状が表れます。

  • 落ち着きがない
  • 疲れやすい
  • 集中できない
  • イライラする
  • 筋肉が緊張している
  • 眠れない

筋緊張や自律神経症状などが見られます。症状が表れたり落ち着いたりしながら慢性化するのが特徴です。

「不安障害かも?」と感じた際の対処法

不安障害は早めに対処しなければなりません。不安障害を疑った際には、下記3つの対処法が必要です。

  • メンタルクリニックを受診
  • セルフケア
  • 厚生労働省:働く人の「こころの耳相談」を活用

それぞれの対処法を具体的に解説します。

精神科や心療内科を受診する

不安障害の症状が強く表れている方は、精神科や心療内科などの専門医を受診することをおすすめします。

なかには、「この症状って本当に精神科でいいの?」と疑問に思われている方もいるのではないでしょうか。不安障害の症状は内科的な疾患との区別がつきにくいため、最初に内科を受診される方もいます。

なかには、甲状腺機能亢進症や不整脈、貧血など別の病気が隠れているケースもあるため、受診する診療科が分からない場合には最初に内科を受診するといった方法も1つの手です。

そこで「異常なし」と判断された場合には、精神科や心療内科の受診を検討してみましょう。

セルフケアをおこなう

「病院に行くほどでもない」と感じる程度の症状であれば、セルフケアをおこなうことも一つの手です。具体的には下記の方法があります。

  • 身体を動かす
  • 今の気持ちを書く
  • 腹式呼吸を繰り返す
  • 「なりたい自分」に目を向ける
  • 音楽を聴いたり、歌をうたったりする
  • 失敗したら笑ってみる

セルフケアをおこなうことで、不安の症状軽減に効果が期待できるでしょう。

働く人の「こころの耳相談」を活用する

悩みに耳を傾けてくれる専門の相談機関や相談窓口があります。下記3つの相談窓口を活用できます。

電話だけではなく、SNSやメールの相談にも対応しています。自分一人で悩まずに、専門の相談機関を活用すると客観的な意見を聞け、問題解決に進めるでしょう。

不安障害における2つの治療法

不安障害に効果が期待できる治療法は下記の2つです。

  • 認知行動療法
  • 薬物療法

精神科や心療内科では、主にこの治療がおこなわれます。それぞれの治療法を具体的に紹介します。

1.認知行動療法

認知行動療法は、不安を悪化させる考えや行動を修正し、不安を軽減しコントロールできるようにするための治療方法です。

不安障害によって生じる不安は最初の5分間が最も強く、その後は軽くなる傾向にあります。しかし、不安な感情が出た際に、かえって不安を強める考えや行動をしている場合が多いのが特徴です。こういった物事の捉え方を修正していくことで、不安の軽減を図っていきます。

認知行動療法によって期待できる効果は薬物療法と同様、もしくは薬物療法以上ともいわれています。

2.薬物療法

不安障害に対しては薬物療法も症状の軽減に効果的な治療方法の一つです。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)といううつ病でよく使用される薬が不安障害にも有効であるとされています。また一時的な症状を落ち着かせるために、抗不安薬が頓服として使われることもあります。

薬を服用する際には、用量用法をしっかり守ることが大切です。自己判断で中止したり、減量増量したりすることのないようにしてください。

不安障害の原因は5つ!適切な対応を知ることが大切

不安障害は不安が伴うさまざまな症状が限度を超えてしまい、日常生活に支障をきたしてしまう精神疾患です。

原因ははっきりと分かっていない部分も多いですが、さまざまな研究結果により徐々に解明されつつあります。

「私の症状って不安障害かも?」と思われている方は、一度精神科や心療内科を受診してみることをおすすめします。

参考サイト・文献
e-ヘルスネット|厚生労働省ー不安症/不安障害
社交不安障害(社交不安症)の 認知行動療法マニュアル (治療者用)|厚生労働省
MSDマニュアル|不安症の概要
精神経誌,2012,114巻9号|特集 不安障害の病態・診断・治療の最前線
神経症を治す~神経症(不安障害)の治療方法|公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団
こころもメンテしよう|厚生労働省
不安でたまらない|厚生労働省
こころの情報サイト|国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
こころの耳|厚生労働省

藤田 朋大先生

当記事の監修医師
藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医

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