不眠症とうつの関係について|ただの不眠が実はうつ病だったケースも?

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不眠症でお悩みの方の中には、

「不眠とうつ病とは関係があるのだろうか」
「不眠がつづいていて、うつ病にならないか不安だ」
「とにかく不眠の改善方法を知りたい」

このような疑問や悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

不眠症とうつ病には深い関わりがあると言われています。ただの不眠がうつ病だったというケースもあることから、決して見過ごしてはいけない症状です。

また不眠の解消は健康な生活を取り戻すことにもつながるため、早めに取り組むのがおすすめです。

この記事を読むと

  • 不眠症とうつ病の関係性
  • 今日からできる不眠への対処法
  • 不眠症の薬物治療

が分かります。

また、自分がうつ病になっているかどうか不安な方に向けて、うつ病のセルフチェックを用意しています。不眠で悩んでいる方は、参考にしてみてください。

不眠症とうつ病の関係性

不眠症とうつ病には深い関わりがあると言われています。その理由の1つとしてあげられるのが、うつ病の症状の1つに不眠があることです。うつ病をはじめとしたこころの疾患には、不眠の症状が出現することが多くあります。そのため、不眠や強い眠気に加えて、気分の落ち込みや何ごとも億劫に感じるなどの症状がみられる場合には、早めに精神科や心療内科を受診することをおすすめします。

また、うつ病歴のなかった患者のうち、4割の患者でうつ症状よりも前に不眠症状が現れるといわれていることなどから、不眠症とうつ病には深い関わりがあると考えられているのです。

参考:一般社団法人 日本うつ病センター JDC | 東京都地域自殺対策強化補助事業|JDC メンタルヘルスセミナー 2022 「若年者の自殺対策のためのメンタルヘルスの推進」

うつ病のセルフチェック

前項では、うつ病の症状の1つに不眠症があることを解説しました。うつ病の症状はそのほかにも「落ち込みやすい」「何もする気が起こらない」「食欲がない」「疲れやすい」といった症状があります。

ここでは国際的に用いられているDSM-5をもとに作成した、うつ病のセルフチェックに沿って確認してみましょう。

不眠の原因がうつ病の場合、専門施設での検査や診断が必要です。専門の医療機関へ相談しましょう。

不眠症の基礎知識

成人の3〜4割がなんらかの不眠症状を有しているといわれ、そのうちの10人に1人は慢性的な不眠症があることから「国民病」といえるでしょう。不眠症を改善するには、原因や症状を正しく理解する必要があります。不眠症の基礎知識について解説します。

不眠症の原因

おもな不眠症の原因として、身体的な要因と精神的な要因の2つが挙げられます。

身体的な要因

  • 胸の苦しさ(心臓病)
  • 咳や喘息(呼吸器疾患)
  • 頻尿(腎臓病や前立肥大)
  • 関節痛(関節リウマチや五十肩)
  • 全身のかゆみ(アトピー性皮膚炎)

このような症状は睡眠の妨げとなり、不眠症の原因になります。不眠症そのものの治療というよりは、原因疾患の特定と治療が優先されます。

身体的な要因が疑われる場合には、症状に応じた専門医またはかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

精神的な要因

身体的な要因に心当たりのない方は、精神的な面が要因となっている可能性があります。

  • 極端なストレス
  • うつ病
  • 統合失調症

強いストレスや不安を感じている場合には、心療内科や精神科を受診してみましょう。

不眠症の症状

不眠症では夜間に眠れないことで、日中に以下のような症状があらわれます。

  • 倦怠感
  • 意欲の低下
  • 集中力の低下
  • 憂うつな気分
  • 頭痛
  • めまい
  • 食欲不振など

また不眠症には4つのタイプがあります。

  • 入眠障害(寝つきがわるい)
  • 中途覚醒(眠りが浅く、途中で目が覚める)
  • 早期覚醒(早朝に目が覚めて二度寝ができない)
  • 熟睡障害(ぐっすり眠った感じがしない)

不眠症の4つのタイプは原因を探ったり治療方法を選んだりする際の参考になるため、自身がどのタイプに当てはまるか把握しておくとよいでしょう。

不眠は放置すると危険!日常生活でも気をつけたい8つのこと

不眠を放置すると、生活習慣病につながったり、うつ病を発症する可能性が高くなったりします。では実際にどのようなことに気をつけて生活すればよいのでしょうか。ここでは、日常生活で気をつけたい8つのことを具体的に解説します。

  • 寝る時間と起きる時間を固定する
  • 睡眠時間にこだわりすぎない
  • 太陽の光を浴びる
  • 運動する習慣を身につける
  • ストレス解消方法を見つける
  • 寝る前にリラックスタイムを作る
  • 寝る前の飲酒は控える
  • 快適な寝室を整える

それぞれ見ていきましょう。

寝る時間と起きる時間を固定する

睡眠のリズムは体内時計で調整されているため、寝る時間と起きる時間は一定にしましょう。夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎは体内時計を乱すので注意が必要です。

平日・週末にかかわらず、できるだけ同じ時間帯に寝て起きる習慣を身につけることが大切です。また長時間の昼寝は、夜間寝られなくなるため、30分以内にとどめておきましょう。

睡眠時間にこだわりすぎない

「絶対に6時間寝ないといけない」など、睡眠時間に関する目標を立てるのはやめましょう。「寝ないといけない」と思いながらベッドにいると、緊張が増して寝つきがわるくなる可能性があります。

寝つけないときは、無理に寝ようとせずに布団から出ましょう。リビングや書斎で読書や音楽鑑賞など、脳への刺激が少ない軽作業をおこない、眠たくなってから寝室に戻ると効果的です。

太陽の光を浴びる

太陽光などの明るい光には、体内時計を調整する効果があります。早朝に光を浴びると、夜の睡眠時間が早まり、朝も早く起きられるようになります。

一方で、夜に強い光を浴びすぎると、体内時計が乱れて早起きが辛くなる可能性があるため注意が必要です。

運動する習慣を身につける

ほどよい運動は、良質な睡眠をもたらします。具体的には、軽く汗ばむくらいの運動を午後に行うとよいでしょう。

一方で、激しい運動は交感神経を刺激して寝つきがわるくなるため、逆効果です。短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動をコツコツと継続するのが大切です。

ストレス解消方法を見つける

ストレスも不眠症の大きな要因の1つです。ストレスを和らげるためには、自分自身に合った方法で気分転換を図るのが重要です。

たとえば、スポーツや旅行など、自分の趣味を見つけてストレスをためないようにしましょう。

寝る前にリラックスタイムを作る

副交感神経を活発にさせてリラックスすると、良質な睡眠を得やすくなります。

脳への過度な刺激を避け、ゆったりとした音楽を聴いたり小説を読んだりするなど自分がリラックスできる時間を積極的に取りましょう。

寝る前の飲酒は控える

寝酒という言葉がありますが、お酒は良質な睡眠には逆効果です。寝る前にお酒を飲むと、寝つきがよくなるように感じるかもしれませんが、その効果は一時的です。実際には、お酒を飲むと深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。

良質な睡眠を得るためにも、飲酒はなるべく控えるようにしましょう。

快適な寝室を整える

睡眠の質を高めるためには、寝室環境を整えるのも大切です。ベッドや布団・枕などは自分に合ったものを選び、快適な空間を作りましょう。

不眠症の薬物治療について

不眠症の治療で代表的なのが薬による治療です。しかし、薬の依存性や市販薬の効果など疑問点もあるでしょう。病院での処方薬や市販薬の効果などについて解説します。

病院処方薬は正しく服用すれば安心

睡眠薬に恐怖をいだいている方もいますが、病院で処方される薬は医師がそれぞれの症状にあった薬剤を処方するので正しく服用すれば安心です。

ただし、長期にわたる連続使用や過剰な量の摂取は、依存性を引き起こす可能性があります。睡眠薬は根本治療というよりも、不眠の症状を抑え、自己治癒を促す役割を持っているといえます。不眠に対する不安や緊張が和らぎ、睡眠時間が確保できれば、医師の指示のもと薬の量を少しずつ減らしていくのがよいでしょう。

医師が立てた適切な治療計画にしたがって服用すれば、必要以上に薬を恐れる必要はありません。

市販の睡眠薬を過信するのは禁物

ドラッグストアなどで売られている市販の睡眠薬を過信するのは禁物です。一時的な睡眠不足に対しての効果はあるかもしれませんが、治療効果や安全性が確認されていないからです。

また市販の睡眠薬は、アレルギー症状に処方される薬の「眠気を引き起こす副作用」を利用しています。そのため、翌朝も眠気がとれなかったり、だるさが残るケースがあります。次の日にも残る眠気やだるさは、日常生活や仕事に支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。

市販の睡眠薬は、一時的な対応には役立つかもしれませんが、長期的な治療には適していません。

市販薬で改善が見られない場合には受診が必要

市販薬を服用しても改善が見られない場合には、専門の医療機関への受診が必要かもしれません。

たとえば、

  • 3カ月以上、不眠症状が続いている
  • 市販の睡眠薬を試しても、ほとんど改善がみられない
  • 強い不安感や落ち込みなどの精神症状がある

このような場合、単なる不眠ではなく、ほかの疾患が隠れている可能性があるため、医療機関で医師の診察を受けてみましょう。

医師によるカウンセリングや検査により、適切な治療法が示され、より効果的に改善が図られるからです。

不眠はうつ病以外の病気を引き起こす可能性がある

不眠はうつ病以外にも、生活習慣病などの疾患を引き起こす可能性があります。

生活習慣病とは食事や運動、休養などの生活習慣が要因となって引き起こされる疾患の総称で、がんや心臓病、脳卒中などがその代表です。いずれも日本人の死因の上位を占める疾患です。

睡眠不足は、生活習慣病にかかるリスクを高めたり、すでにある生活習慣病の症状を悪化させることが分かっています。

たとえば健康な成人でも、たった2日間、4時間の睡眠を経験しただけでストレスにより食欲が増大します。食欲が増すと、余分な糖分や塩分を摂ってしまうため、糖尿病や高血圧などの生活習慣病にかかりやすくなります。

このように不眠は、うつ病以外にも健康への悪影響を引き起こす可能性があります。

不眠は放置せずに専門機関を受診しよう

不眠はうつ病のサインといわれているため、決して見過ごしてはいけない症状です。また、不眠症とうつ病には深い関わりがあります。不眠の解消は、健康な生活を取り戻すことにもつながるため、早めに取り組むのがおすすめです。

少しでも早く不眠症状を改善するために、早めに専門の医療機関を受診しましょう。

参考サイト
一般社団法人 日本うつ病センター JDC | 東京都地域自殺対策強化補助事業|JDC メンタルヘルスセミナー 2022 「若年者の自殺対策のためのメンタルヘルスの推進」
厚生労働省|健康づくりのための睡眠指針2014
厚生労働省|こころの耳|3うつ病の治療と予後厚生労働省|e-ヘルスネット|不眠症
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部|濫用等のおそれのある市販薬の適正使用について
厚⽣労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使⽤及び減量・中⽌のための診療ガイドラインに関する研究班」および⽇本睡眠学会・睡眠薬使⽤ガイドライン作成ワーキンググループ 編|睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドラインー出⼝を⾒据えた不眠医療マニュアルー
生労働省|e-ヘルスネット|生活習慣病とは?
厚生労働省|e-ヘルスネット|睡眠と生活習慣病との深い関係

心療内科をお探しなら
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  1. 365日いつでも利用できます!土日祝日いつでも「ツライときすぐに使える
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  4. ・新宿駅東口から徒歩3分だから通院しやすい
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精神科医 藤田朋大先生

当記事の監修医師
精神科医:藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医。新宿駅の心療内科・精神科「あしたのクリニック新宿院」で診療を担当

藤田 朋大先生

当記事の監修医師
藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医

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