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何もかもが嫌になる心理状況とは?原因と対処法、考えられる病気も解説

精神科医 藤田朋大先生

当記事の監修医師
精神科医:藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医。新宿駅の心療内科・精神科「あしたのクリニック新宿院」で診療を担当

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「何もかもが嫌で涙が止まらない」
「全部めんどくさい、何もしたくない」
このような状態で悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

何らかの原因でストレスがたまるとキャパシティを超えてしまい、急に何もかもが嫌に感じる場合もあるでしょう。投げやりな気持ちになると、どう立ち直っていいか分からなくなるかもしれません。

この記事では、何もかもが嫌になったときの心理状況や主な原因について詳しく解説します。気持ちの切り替えに役立つ対処法も紹介しますので、何もかもが嫌になりどうにかしたい方は参考にしてください。

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新宿駅前の心療内科・精神科 あしたのクリニック

何もかもが嫌になったときの心理状況

何もかもが嫌になったとき、どのような心理状況なのでしょうか。ここでは、何もかもが嫌になったときの心理状況について具体的に解説します。

今の状況から逃げたい

何もかもが嫌になるのは、今の状況から逃げたい気持ちの表れかもしれません。何らかの原因でつらい思いをしているとき「何もかもが嫌になってしまった」と感じることもあるでしょう。

今の状況から逃げたい心境になるのは、人間関係が原因の場合もあります。たとえば、厚生労働省が転職した方におこなった調査では、前職の離職理由に「職場の人間関係が好ましくなかった」と答えた割合は男性で8.3%、女性で10.4%でした。

この結果から、人間関係の悩みが仕事を辞めるほどの大きな問題になる方もいると分かります。

ほかにも、仕事や家族、経済的な問題も逃げたくなる要因です。このように、回避できない問題や努力で解決できない問題などを抱えているとき現実逃避したくなるでしょう。

生きることに疲れた

何もかもが嫌になるのは、生きることに疲れてしまったせいかもしれません。自分の何もかもが嫌いになり、突然「生きている意味はあるのだろうか?」と感じる方もいるでしょう。

忙しい日々を送っていると、急に「何のために生きているのだろう」と思う瞬間があるかもしれません。自分の意思とは別にあわただしい毎日を送っていると、生きる意味が見いだせず、むなしさを感じやすくなるでしょう。

生きることに疲れてしまって「もう何もかもが嫌!」と感じ、涙が止まらなくなることもあるかもしれません。

ささいなことでイライラする

何もかもが嫌なときは、ささいなことでもイライラしがちです。気持ちの余裕がないと、他人の行動にも過敏に反応してしまうことがあるでしょう。

何もかもが嫌なときは、自分と関係のない他人の行動にもイライラしてしまいます。他人の行動が目につく、他人のミスが許せないなどの気持ちを抱きやすいでしょう。気持ちに任せた八つ当たりで人間関係もギクシャクし、他人に対してさらにイライラする可能性も考えられます。

すべて自分が悪いと思い込んでしまう

何もかもが嫌になっているときは、すべて自分が悪いと思い込みがちです。自分のできない面ばかりに目がいき、ダメな人間だと責めてしまう方もいるでしょう。

自分とは関係のないことでも、自分の責任だと思い込んでしまいます。自分で自分を追い込み、何もかもが嫌になり涙が止まらなくなる場合もあるでしょう。他人と比較して生きていても仕方ないと感じることもあるかもしれません。

人付き合いが嫌になる

何もかもが嫌だと感じているときは、人と話したくない気持ちになるでしょう。誰も自分のことを理解してくれないという思いにとらわれ、人と接するのが嫌になってしまうためです。

良好な人間関係を築くには、相手への思いやりや気づかいが必要です。ですが、何もかもが嫌になっているときは、他人に気を使う余裕がありません。心配してくれる相手に対しても、冷たい態度を取ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、人間関係を拒否していると、周りからも距離を置かれやすくなります。孤立状態となり、人間関係が悪化する可能性もあるでしょう。

何もかもが嫌になるときの主な原因6つ

何もかもが嫌になる原因は、人によりさまざまです。原因をチェックして対処法を考えてみましょう。ここでは、何もかもが嫌になるときの主な原因を具体的に解説します。

1. 悩みを1人で抱え込んでいる

自分だけで悩みを抱え込んでいると、行き詰まって投げやりな気持ちになってしまう可能性があります。誰かに相談しにくい悩みや、なかなか解決できない問題を抱えている場合は要注意です。

1人で抱え込みやすい例として、家族の問題があります。たとえば家族の介護問題はすぐに解決するのが難しく、落ち着くまで時間がかかりやすいと言えるでしょう。

厚生労働省が家族を介護している方におこなった調査によると、精神や身体、経済的な負担を感じている方の割合が4〜6割強でした。「わけもなくイライラしてしまう」と答えた方が5割近くを占めており、家族の介護は負担が大きく悩みを抱えやすいと言えます。

2. 気持ちに余裕が持てない

気持ちに余裕が持てない状況も、何もかもが嫌になる原因の1つです。仕事や育児、家事などに追われていると、自分の時間を持ち、気分転換をすることもままなりません。なかなかストレスが解消できないと、だんだん気持ちに余裕が持てなくなってしまうでしょう。

ストレスを感じず生活するのは難しいことです。ストレスが大きくなる前に、自分なりに解消している方がほとんどでしょう。しかし、忙しくてゆっくりできる時間が持てないと日々のストレスが解消できません。結果、何もかもが嫌になってしまうのです。

3. 人間関係がうまくいっていない

人間関係がうまくいっていないと、何もかも投げ出したい気持ちになるでしょう。人間関係の悩みはストレスの中でも大きな割合を占めているためです。

職場の人間関係で悩む方もいるでしょう。厚生労働省の「労働者健康状況調査」では、8割以上の方が仕事や職場環境でストレスを感じていると回答しています。ストレスの内容に「対人関係」と回答した方の割合は26.2%で、人間関係の悩みを抱える方が2割以上いると分かります。

職場以外でも、友人関係や義父母との同居、夫婦間の関係などで悩む場合もあるでしょう。つながりの深い人間関係では逃げ場がなく、何もかもが嫌になってしまうのです。

4. 自分を責めてしまう傾向がある

自分を責めてしまう傾向が強いと、何もかもが嫌になる原因になります。完璧主義や責任感の強い性格から、必要以上に自分を責めてしまうためです。

責任感の強い方は、仕事にも丁寧に取り組むため周りからの信頼も厚いでしょう。その反面、自分に厳しく視野が狭い傾向も見られます。失敗したとき、ほかの原因もあるのにすべて自分が悪いと責めてしまうでしょう。周りは失敗だと思わないようなことでも重大にとらえてしまい、必要以上に自分を責める場合もあります。

5. ホルモンバランスが影響している

何もかもが嫌になるのは、ホルモンバランスが影響しているかもしれません。女性は特に、生理周期に影響を受けやすいので注意してください。

月経前症候群(PMS)は、生理前に起こるさまざまな症状が特徴です。身体症状のほか精神症状も見られます。抑うつや不安、イライラなどを強く感じる方のなかには「何もかもが嫌」と投げやりな気持ちになる方もいるかもしれません。

6. 身体やこころの病気が原因の可能性がある

何もかも投げ出したい気持ちになる背景には、何らかの病気が隠れている可能性もあります。こころの病気だけではなく、精神症状が表れる身体の病気もあるため注意してください。

何もかもが嫌になる病気としては、うつ病や双極性障害などが考えられます。精神面の症状が表れる身体の病気では、甲状腺疾患が代表的です。気分の変化以外に体調不良を感じている場合は、病気の可能性も疑ってみましょう。

なお、うつ病や双極性障害については、以下のページでくわしく説明しています。

【あわせて読みたい】

「うつ病の主な症状や分類、回復過程について解説|早期治療がポイント」

「双極性障害とは?原因やなりやすい性格、Ⅰ型とⅡ型の違いも解説」

何もかもが嫌になったらとるべき対処法7つ

何もかもが嫌になって、どうにか気持ちを立て直したいと思っている方もいるでしょう。行動や考え方を変えると、嫌な気持ちから回復する可能性があります。ここでは何もかもが嫌になったとき、とるべき対応について詳しく解説します。

1. ゆっくり休養する

何もかもが嫌になったとき、まずはゆっくり休養しましょう。何も考えずのんびり過ごすと、心身が回復し前向きな気持ちになるかもしれません。

何もかもが嫌になっているのは、こころが「疲れた」とサインを送っている状態と言えます。うつ病などこころが不調のときは、心身の休養が推奨されています。まずは仕事や学校を休む、家事や育児のサポートを受けるなど、自分の時間を取れるよう工夫してみてください。

休んでも気持ちが回復しない場合は、治療が必要かもしれません。まずはゆっくり休んで回復するか確かめてみてください。

2. 合わない人間関係から離れる

何もかもが嫌になったときは、合わない人間関係から離れてみるのも効果的です。人間関係のストレスが緩和されれば気持ちが楽になる可能性があるためです。

たとえば職場の人間関係がストレスなら、信頼できる上司や同僚に相談してみましょう。部署やチームの変更で人間関係が変われば、ストレスが減り気分も変わるかもしれません。ほかには転勤を希望する、転職するなどの方法もあります。

同居している家族と折り合いが悪くストレスを感じているなら、相手と顔を合わせる時間を減らすよう工夫しましょう。生活リズムを変える、家にいる時間をずらすなどの方法で嫌な気分になる機会を減らせます。

3. 仕事の量や進め方を変える

仕事でストレスを感じているなら、仕事の量や進め方を変えてみましょう。効率よく業務をこなせるようになれば、気持ちが軽くなる可能性もあります。

まず仕事の量や質が自分の能力を超えていないか見直してみてください。厚生労働省の調査では「仕事の量」にストレスを感じる方が36.3%、「仕事の質」は27.1%と、どちらも上位の結果でした。視点を変えると、仕事のやり方を自分なりにコントロールできれば、ストレスを減らせる可能性があるということです。

仕事のストレスを減らすには以下の方法を試してみてください。

  • 仕事時間と休養のメリハリをつける
  • 無理をしないとこなせない仕事は断る
  • 同僚に仕事を手伝ってもらう
  • 上司に相談し業務内容の調整をおこなう

4. 環境を変える

何もかもが嫌な気持ちのときは、思い切って環境を変えてみるのも1つの方法です。生活環境が変われば、こころの状態が良い方向に変わる可能性があります。

新しい環境に身を置きたいなら引っ越しがおすすめです。住む場所が変わると見える景色や行動範囲が変わるので、気持ちにも変化が表れます。家具やインテリアの配置などを考えるのも楽しく、ポジティブな気持ちになれるでしょう。

気分転換のため引っ越しをするなら、日当たりを重視しましょう。こころの健康には日照時間が関係する場合もあります。目覚めたときに日光を浴びられるよう、朝日が差し込む部屋がおすすめです。

5. 新しい人間関係を築く

人間関係の悩みが気分に影響しているなら、人脈を広げてみるのも効果的です。1つのコミュニティで人間関係に悩んだとしても、逃げ場があるとこころの安定に役立ちます。

人脈を新しく広げるなら、共通点があるコミュニティがおすすめです。趣味や目的が似ている仲間なら盛り上がりやすいでしょう。趣味のサークルなら、好きなことを通して仲間作りができます。同業種交流会に参加すると、仕事の悩みを相談できる仲間ができるでしょう。

6. 第三者に相談する

悩みのため投げやりな気持ちになっているなら、第三者に相談してみるとよいでしょう。話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になりますし、他者の意見を聞くことで解決策が見つかるかもしれません。

悩みは身近な方より全く関係のない方のほうが相談しやすい場合もあります。その場合、まずは自治体の悩み相談などを利用するとよいでしょう。こころと身体の問題について相談できる窓口や、トラブルを解決するための法律相談窓口などがあります。

7. 医療機関を受診する

何もかもが嫌な気持ちが続き、セルフケアで対処できない場合は医療機関での受診をおすすめします。身体やこころの病気が隠れている可能性があるためです。

身体の病気でも、こころの症状が表れる場合があります。健康診断を受けていないなら、内科での一般的な検査や、婦人科でのホルモンバランスチェックなどを受けてみましょう。身体の病気がなければ、精神科や心療内科の受診を検討してください。

何もかもが嫌でつらいときは精神科や心療内科に相談しよう

何もかもが嫌になるのは、解決できない悩みや人間関係のストレス、自分を責めてしまう性格など、さまざまな原因が考えられます。女性の場合はホルモンバランスの影響も軽視できません。

何もかもが嫌になったときは、ゆっくり休養するのが一番です。休むだけでこころと身体が回復する可能性があります。ほかには、合わない人間関係から離れたり、仕事量を減らしたりするのも効果的です。引っ越して環境を変えるのもよいでしょう。

セルフケアで改善がみられない場合は、こころや身体の病気も考えられます。身体に異常がなければ、精神科や心療内科に相談しましょう。症状に合わせた治療で、気持ちが楽になるでしょう。

参考サイト
厚生労働省|令和4年雇用動向調査結果の概況
厚生労働省|市町村・地域包括支援センターによる家族介護者支援マニュアル
厚生労働省|令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)の概況
働く女性の心とからだの応援サイト
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藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医

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