うつ病の回復期の5つの特徴|やる気が出ない時や辛い時の対処法も解説

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うつ病の治療を続けていると、次第に「少し楽になったかも?」「もう治ったかな?」と感じるタイミングが訪れるはず。

実は、うつ病の治療には段階があり、症状が少しずつ軽くなってくる時期を「回復期」といいます。症状が最も重い段階からは抜けるので、本人も周囲も安心し始めますが、再発の可能性も十分にあり得るので油断はできません。

そこで今回は、「回復期」の特徴や症状が辛くなったときの方法について解説します。「回復期」の特徴やうつ病の治療について理解を深め、根気よく治療を続けていきましょう。

うつ病の回復期とは?

うつ病の「回復期」とは、うつ病の最も辛い症状が少しずつやわらぎ、回復傾向にある時期のことをいいます。

▼うつ病の治療期間
  • 急性期……うつ病の症状が最も辛い時期
  • 回復期……うつ病の症状が回復傾向にある時期
  • 再発防止期……心身の状態は安定しているが、油断できない時期

うつ病の症状が重く、病院でうつ病の診断を受ける時期が「急性期」です。「回復期」からさらに治療が進み、心身の状態が安定し始める時期を「再発防止期」といいます。

うつ病の診断を受けてから治療が順調に進めば、「回復期」は4〜6カ月くらいで訪れると考えられます。うつ病の症状が軽度な段階で治療を開始すれば、より早く「回復期」に移行することもあるでしょう。

「回復期」は心身の辛さが少しずつ軽減されていくので、社会復帰を考え始める方も多い時期です。もう治ったと自己判断して薬を減らしたり、服用をやめたりしてしまうケースも多くあります。

しかし、「回復期」だからといって安易に薬をやめると、再発の可能性が高まるので注意が必要です。元気になったと感じても、医師と相談しながら根気よく治療を続けていくことが重要になります。

うつ病の回復期の5つの特徴

うつ病の「回復期」で見られる5つの特徴を紹介します。ご自身の状態が「回復期」の特徴に当てはまる場合は、医師に相談しながら治療を継続してください。

1.気分や体調の波がある

うつ病の「回復期」は、元気になったり調子が悪くなったり……心身の状態に波が見られるのが特徴です。

調子がよくなったと感じても、波のように気分が落ち込む瞬間が訪れます。気分が落ち込むと体調が悪くなって、まるで急性期に戻ったかのように辛く感じることもあるでしょう。

しかも「回復期」に気分が落ち込んだとき、何が理由でそうなったのか自覚できません。「回復期」の気分の波は自然変動と考えられ、とくに理由がなくても落ち込んでしまうのです。

そして、しばらくすると気分の落ち込みは回復し、また調子のよい状態に戻ります。つまり、「回復期」の気分の波は自然なことなので、焦らずに療養を続けることが大切です。

2.とにかく眠い、寝込む

「眠くて眠くて仕方がない」という状態も、うつ病の「回復期」における特徴的なポイントです。

人によっては10時間以上眠っても眠気が取れず、日中も過眠状態になったり寝込んだりしてしまうこともあります。回復期に入ったとはいえ、急性期のつらい症状によってエネルギーを消耗しきった状態だからです。

しかし、この「眠くて眠くて仕方がない」という時期をすぎると、心身の状態は一気に回復していく傾向にあります。眠いときは心と身体が回復する時期だと考えて、十分に睡眠をとりましょう。

3.意欲が湧いて行動するものの、すぐ疲れる

「回復期」には、意欲はあるのに疲れやすいという特徴も挙げられます。

メンタルの回復に伴い、脳がクリアになって行動する意欲が湧いてくるかもしれません。しかし、精神面の回復に対して体力の回復が追いついていない場合が多く、身体を動かすとすぐに疲れてしまうのです。

思うように動けない「回復期」ですが、無理のない範囲で身体を動かしてみることが大切です。気力とともに少しずつ体力をつけて身体的にも余裕が出てくると、少しずつ治療がよい方向に進みやすくなります。

4.焦りを感じる、そわそわする

「回復期」に入ると、「急性期」には感じなかった焦りのような感情が起こり始めます。

心身ともに元気だと感じやすいので「早く社会復帰しなければ」という思いが強くなるかもしれません。まだ完全な回復状態ではないのに、無理なトレーニングをし始めたり、予定をいっぱいにしたりしてしまう方もいるでしょう。

しかし、「回復期」に無理をしすぎると疲れが溜まってしまい、うつ病の治療を長引かせることにつながります。焦りの気持ちが出てきても落ち着いて、医師と相談しながら落ち着いて療養を続けることが大切です。

5.何もしたくない、やる気が出ない

「回復期」に訪れる不調の波は、想像以上に絶望感があるものです。

「回復期」にも不調の波がくることを知らないと、一時的な不調にびっくりしてしまうかもしれません。「やっと治ってきたと思ったのに、また悪くなった」「治療を頑張ってきたけど、もう治らないのではないか?」と悲観してしまうこともあるでしょう。

「回復期」は必要に応じて薬を増減したり、薬を変更したりしながら、根気よく治療を続けていく大切な時期です。突然「何もしたくない、やる気が出ない」という精神状態になっても、必ずしも悪化しているというわけではないので、医師に相談しながら治療を続けていきましょう。

うつ病の回復期の過ごし方

うつ病の治療を順調に進めるためには、「回復期」の過ごし方がとても大切です。

「回復期」に落ち着いて過ごすことで、うつ病を改善しやすくなります。気分の波を感じたり体調が悪くなったりしても、焦らず落ち着いて過ごしましょう。

医師と相談しながら薬は継続する

「回復期」には「元気になった」「治ったかも」と感じるものですが、自己判断で減薬したり、服薬を中止するのは絶対にやめてください。

「回復期」に自己判断で薬をやめてしまうと、悪化する可能性が高まります。もう治ったと感じても、医師から指示されるまでは薬を継続しましょう。

薬が合っていないかもしれないと感じるときは、主治医に伝えるか、セカンドオピニオンとして他の医療機関に相談してみてください。

少しずつ身体を動かしてみる

「回復期」に入ったら、少しずつ身体を動かすことにチャレンジして体力をつけましょう。

まずは軽い散歩や体操、ストレッチなど、気持ちがよいと感じる程度の運動から始めてみてください。外出する時間を増やしたり、やってみたかったことにチャレンジしたりするのもおすすめです。

徐々に体力をつけて活動の範囲を広げながら、無理のない程度に社会復帰を目指していきましょう。

しっかりと睡眠をとる

うつ病の回復に欠かせないのは、なんといっても睡眠です。

睡眠をとることで神経の状態が回復しやすくなり、うつ病の治療を後押しします。「回復期」は眠くて眠くて仕方がないという特徴も起こりやすくなるので、眠くなったら無理せず眠りましょう。

起きたときに頭がすっきりとして、熟睡できたと自覚できるのがいい状態です。あまり眠れていないと感じるときは回復が十分でない可能性もあるので、無理せずしっかりと休むことを優先してください。

食事でビタミンB群を摂取する

うつ病の改善に役立つ栄養素が「ビタミンB群」です。

▼ビタミンB群が含まれる食材
  • 緑黄色野菜
  • 赤身肉
  • 魚介類
  • 乳製品
  • 大豆
  • ナッツ類

ほかにも、緑黄色野菜に含まれる「葉酸」という栄養素は、うつ病の方に不足しがちなドーパミンやノルアドレナリンの材料になります。また、魚類に含まれるDHA/EPAは、幸せホルモン「セロトニン」を生成するために役立つ脂肪酸です。

カロリーオーバーにならない程度に、バランスよく食べることを意識してみてください。

無理のない範囲で社会復帰を試みる

「回復期」で調子がよいときは、無理のない範囲で社会活動に参加してみましょう。

活動に参加することで症状が軽減したり、気持ちが落ち着きやすくなることがあります。

社会活動への参加は体力づくりにもつながり、生活リズムも整いやすくなります。楽しみや充実感、達成感を感じることが、メンタルの回復を促進することもあるでしょう。

ただし、回復傾向だからといって、無理は禁物です。無理のない範囲で社会活動の参加にチャレンジして、疲れたらしっかり休むようにしてください。

うつ病の回復期に辛くなったときの対処法

うつ病の「回復期」には、どうしても辛くて耐えられなくなることがあります。

そんなときに効果的な、「回復期」に辛くなった時の対処法をご紹介します。デリケートな「回復期」を順調に乗り越えるため、適切な対処法を取り入れてみてください。

辛いときは無理せず休む

うつ病の「回復期」に気分や体調が悪くなってしまったら、無理せず休みましょう。

周囲から見るとすっかり回復したように見える「回復期」ですが、うつ病の重い症状が波のように出てくることもあります。散歩や趣味などの気分転換ですら、辛いと感じてしまうこともあるかもしれません。

「回復期」は、とにかく無理をしないことが大切です。しっかり休養をとりながら、根気よく治療を続けていきましょう。

回復期は波があるものなので焦らない

うつ病の治療は時間がかかるものなので、焦りは禁物です。

治療のために仕事を休んでいる方は、仕事のことが気になってしまうかもしれません。少し調子がよくなってくると、「早く仕事に復帰しなければ」「普通に働きたい」と焦りの気持ちが湧いてくる方も多くいらっしゃいます。

しかし、「回復期」に無理をすると、逆に悪化してしまうことがあるので注意が必要です。うつ病の治療には時間がかかることを職場にもしっかりと理解してもらい、焦らず根気よく休養と治療を続けていきましょう。

公的機関が運営する窓口に相談してみる

国や各都道府県には、辛くなったときにいつでも相談できるホットラインが設けられています。

電話やLINE、チャットなどで相談できるので、気軽に相談窓口を活用してみてください。利害関係のない誰かに話を聞いてもらうだけで、気分が軽くなっていくこともあります。

公的機関であれば、仕事や収入の不安を解決する方法を提案してくれるかもしれません。顔が見えない相手であれば気軽に話せることもあるので、ぜひ公的な相談窓口も利用しましょう。

カウンセリングを受けてみる

うつ病の「回復期」は、カウンセリングが有効になる場合もあります。症状との付き合い方やストレスへの対処法について考えたり、不安や焦りについて話すことで気持ちが軽くなったりします。

かかりつけ医に相談して、必要があればカウンセリングを受けることも検討してみてください。出かけるのが辛いときは、専門家によるオンラインカウンセリングを利用するのもおすすめです。

かかりつけ医や信頼できる病院で相談する

「回復期」には、希死念慮が生じることも少なくありません。

少しでも辛いと感じたら医療機関を受診しましょう。もし医師との相性が悪いと感じるなら、別の病院に相談することも検討してください。医師に限らず、相談しやすいスタッフがいる病院をかかりつけ医として見つけておきましょう。

「回復期」は心身ともに楽になってくるので、つい本人も周囲も安心しがちですが、まだまだ油断できない時期です。決して軽く捉えずに治療を続け、何か辛いことがあれば医師に相談しましょう。

うつ病の回復期は眠気や疲労感などの特徴がある!焦らず治療を続けよう

うつ病の「回復期」は、治療が進んで症状が軽くなっていくものの、まだまだ油断ができない時期です。

気分や体調の波があったり、強い眠気や疲労感があったり……不安定なことが多くなるのが「回復期」の特徴です。希死念慮も生まれやすい時期なので、改善してきたと思っても油断できません。

心や身体が辛いときは、焦らずしっかりと休んでください。回復期の過ごし方がその後の回復にも影響を及ぼします。自己判断で薬を減らしたり服用をやめたりせず、クリニックや病院で医師のサポートを受けながら根気よく治療を続けていきましょう。

参考サイト・文献

うつ病の治療と予後|こころの耳 厚生労働省
相談総合窓口|こころの耳 厚生労働省

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  2. 初診満足度91%以上が「良かった」「とても良かった」と評価!女性の先生もいるから異性に話しづらいプライベートな相談も対応
  3. ・専門医の資格をもった先生が在籍。専門知識と豊富な臨床経験で早期の解決に導きます
  4. ・新宿駅東口から徒歩3分だから通院しやすい
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精神科医 藤田朋大先生

当記事の監修医師
精神科医:藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医。新宿駅の心療内科・精神科「あしたのクリニック新宿院」で診療を担当

藤田 朋大先生

当記事の監修医師
藤田 朋大先生

三重大学医学部医学科卒業後に南勢病院精神科に在職。緩和ケア研修会修了。認知症サポート医

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