ストレス社会といわれる現代。人間関係で疲れたり悩んだりする人は多いのではないでしょうか。
人間関係で悩んでいる人の中には、
「会社の人間関係に疲れた」
「こころをリセットする方法を知りたい」
「なんで自分は人間関係のトラブルが多いのだろうか」
このような悩みや疑問を持っている人もいるのではないでしょうか?
人間関係の疲れはストレスを蓄積させ、うつ病の発症につながる危険性もあります。早めに対処するのが重要です。
そこで本記事では以下について解説します。
- 人間関係で疲れたときにこころをリセットする方法
- 人間関係で疲れないための3つの思考習慣
- 人間関係に疲れやすい人の特徴
記事の冒頭には、ストレスチェックも用意しています。人間関係に疲れ、悩んでいる人は参考にしてみてください。
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人間関係で疲れたときにこころをリセットする3つの方法
人間関係で疲れたとき、こころをリセットする3つの方法は以下の通りです。
- 思い切って休暇をとる
- 医師のカウンセリングを受ける
- 転職する
それぞれ解説します。
1.思い切って休暇をとる
人間関係の疲れで蓄積されたストレスを解消するために、思い切って休暇をとるのも1つの方法です。ストレスを解消するために、休暇中は以下のような過ごし方をするとよいでしょう。
- 適度な運動
具体的には水泳やジョギング、ヨガなどの有酸素運動が望ましいといわれています。有酸素運動を続けると、いわゆる幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質の「セロトニン」が分泌され精神的な落ち着きをもたらしてくれます。
- 好きなことをしてリラックスする
疲れたこころをリセットするには、好きな映画を観たり、こころが落ち着く音楽を聞いたりしてリラックスするのが効果的です。
- 何もせずにゆっくりする
こころが疲れて「何もやる気が起こらない」という場合、無理に活動する必要はありません。何もせずにゆっくりと休養しましょう。睡眠不足の傾向にある人は、休暇を利用して生活リズムを整えるのも有効です。
2.医師のカウンセリングを受ける
人間関係に疲れ、こころが悲鳴をあげそうになった場合には、迷わず専門医のカウンセリングを受けましょう。心療内科や精神科の医師に相談すれば、「こころの疲れ」に対する適切な対処方法をアドバイスしてもらえるからです。
もし休養が必要と判断されれば状況に応じた助言をしてくれます。また疲れからくる何らかの症状があれば、必要に応じて薬を処方してもらえるでしょう。
万が一、うつ傾向であった場合には早期の治療を受けられます。人間関係の疲れに対し、自分ではどうにもできないと感じた場合には、躊躇せず専門医に相談しましょう。
3.転職する
休暇をとっても疲れが顕著に残っていたり、カウンセリングを受けても問題解決の兆しが見えなかったりする場合には、転職も視野に入れましょう。
人間関係のトラブルは心身共に負担がかかり、場合によってはうつ病などの精神疾患の発症につながる危険性があります。自分自身の健康を考慮すると、転職も一つの選択肢といえるでしょう。
ただし、人生における大きな決断になるため、家族や信頼できる人に相談することをおすすめします。転職は、さまざまな面で自分の生活に影響します。それらを十分考慮してから総合的に判断しましょう。
人間関係で疲れないための3つの思考
そもそも人間関係で疲弊しないために大切なのが、人間関係で疲れないための思考を身に付けることです。人間関係で疲れないための3つの思考は以下の通りです。
- 人は人と割り切る
- 相手のよい部分を見るようにする
- 無理に付き合おうとしない
それぞれ解説します。
1.人は人と割り切る
相手のことを考えすぎてしまうために人間関係に疲れてしまうケースがあります。そのため、「人は人、自分は自分」と割り切る気持ちが大切です。
生まれや育ち、価値観が異なるため、他者を完璧に理解するのは不可能といってよいでしょう。感情やこころの平穏を保てるよう、自分の考えや思いを大切にする行動が不可欠です。
相手と適度な距離感を保ち、相手の価値観でものごとを考えすぎないようにしましょう。
2.相手のよい部分を見るようにする
一度でも「苦手」や「嫌い」と感じてしまうと、ついつい相手の嫌なところばかりに目がいきがちですが、よい部分にも目を向けるようにしましょう。
よい部分に目を向けることで、相手への感謝や尊敬の気持ちが湧き、信頼関係を築ける可能性が高まるからです。
人のよい部分に注目する思考が身に付いてくると、コミュニケーション能力の底上げにもつながります。その結果、苦手なタイプであった人とも円滑にコミュニケーションが取れるようになり、人間関係で疲弊することが少なくなるでしょう。
3.無理に付き合おうとしない
人付き合いには相性があります。価値観の合う人もいれば、そうではない人もいます。価値観の合わない人と付き合おうとすると無理をする場面が増えるため、こころが疲れやすくなります。
たとえ今、深い親交のある友人がいなかったとしても、価値観の合う友人はきっと見つかります。
仕事で苦手な相手とどうしても接しなければならないときは、無理に仲良くしようとする必要はありません。当たり障りのない表面上のやり取りに徹し、こころが疲れないように注意しましょう。
人間関係で疲れやすい人に共通する3つの特徴
人間関係で疲れやすい人には、共通の特徴があります。その特徴を把握して、自分自身で直せるところがないか確認しておきましょう。人間関係で疲れやすい人に共通する3つの特徴は以下の通りです。
- 他者からの評価を気にしすぎる
- 自分にも他者にも完璧を求める
- 過去の失敗を引きずる
それぞれ解説します。
1.他者からの評価を気にしすぎる
他者からの評価を気にしすぎる人は、人間関係で疲れやすい傾向にあります。
たとえば「あの人は自分のことをどう思っているのだろう」「今の自分に対する言葉はどういう意味だったんだろう」といった考えです。必要以上に他者からの評価を気にする人は、人間関係で疲れやすいでしょう。
2.自分にも他者にも完璧を求める
完璧を求めすぎる人も人間関係で疲れやすいでしょう。
具体的には「これは常識的にこうすべき」や「自分はこう思うから、相手にもしてもらわないと困る」といった発想や考え方です。自分の想定通りにならなかった場合に多大なストレスを感じ、人間関係に疲れやすくなるため注意が必要です。
3.過去の失敗を引きずる
人間関係における過去の失敗を引きずる性格も、人間関係に疲れやすい人にみられる特徴です。
「以前、年上の女性の人に怒られたことがあるから自分は年上の女性とは相性がよくない」「後輩とふたりで食事に行ったときに沈黙が長く続き、変な空気になったからもう絶対に行きたくない」といった考えです。状況は常に変わり続けるにもかかわらず、過去の失敗にとらわれすぎる人は疲れやすい傾向にあります。
人間関係の疲れはうつ病発症のきっかけになりうる
うつ病は、性別や年齢、ストレスなどの要因が複雑に絡み合って発症します。そのなかでも、発症のきっかけとなりやすいのが以下のような「環境要因」です。
- 家族や友人などの死
- 大切にしているものを失う
- 家庭内や人間関係のトラブル
- 役割の変化(昇格、降格、結婚、妊娠など) など
上記であげたようなことがきっかけでうつ病を発症する方は珍しくありません。そのため人間関係のトラブルによる疲れを放置するのはリスクがあるのです。
うつ病を発症すると、気分の落ち込みをはじめとしたさまざまな症状がみられます。場合によっては家庭や仕事、学業などの日常生活に影響が出るため、予防や早期発見・早期治療が重要です。
人間関係の疲れでうつ状態になっていないかチェックをしてみよう
人間関係のトラブルがあると、心身共に疲れます。ストレスの蓄積は、うつ病などの精神疾患の発症につながる危険性があるため注意が必要です。以下に該当する項目がないかチェックしてみましょう。
直近2週間以内に定常的に当てはまる項目があった場合には、人間関係による疲れやストレスが蓄積している可能性があるため、医療機関での受診をおすすめします。
人間関係に疲れやすい人は発達障害(※)の可能性がある
※現在は発達障害のことを「神経発達症群」「神経発達症」などとも呼びますが、発達障害という用語が広く知られている状況を踏まえ、この記事では発達障害と表記しています。
「子どもの頃から人間関係のトラブルが多い」「いつも人間関係で疲れを感じている」という人は、発達障害の可能性があります。
発達障害をもつ人はコミュニケーションを苦手とすることが多く、人間関係で困りごとをかかえやすいといわれています。
具体的な発達障害と主な特徴は以下の通りです。
自閉スペクトラム症 (ASD) | 自閉スペクトラム症は、社会性や他者とのコミュニケーションに困難をかかえることが多い発達障害の一つです。 相手の表情やジェスチャーを見て感情を理解するのが難しく、その場にふさわしくない言動や振る舞いをしてしまいがちです。 また、特定のものへの執着心が強く、変化を嫌う傾向にあります。そういった面から「極端にこだわりが強い人」と勘違いされることも少なくありません。 |
注意欠如・多動症 (ADHD) | ADHDは不注意や多動/衝動性を主な特徴とする発達障害で、女性より男性に多いことがわかっています。 注意が散漫であったり細かい部分に注意が払えなかったりするため、他者とのコミュニケーションでもマイナスな印象を与えてしまいがちです。 「頼んだことをしてくれない」「いつも話を聞いてくれているかどうかわからない」などの悪い印象を与えてしまうことがあります。 |
学習障害 (LD) | 学習障害は、算数や書字、読字能力に障害をきたす疾患です。知的能力障害と異なり、知能レベルはさまざまです。 学習能力の遅れと共に、注意力の欠如や話し言葉の理解困難を認めるため、他者とのコミュニケーションがうまくいかないケースがあります。 |
以上のような傾向がある場合、発達障害の可能性があります。
人間関係のトラブルが多かったり疲れやすかったりする場合、これらの発達障害が原因になっていることもあります。こういったケースでは医学的な対処方法があるので、気になる人は専門の医療機関を受診しましょう。
人間関係に疲れた人はカウンセリングを受けてみよう
ストレス社会といわれる現代。人間関係の疲れは、誰しも経験する悩みかもしれません。人間関係の疲れやストレスは、うつ病発症のきっかけになる可能性があるため、早期の対応が必要です。
人間関係の疲れやストレスをリセットするには、有酸素運動や趣味活動、環境の一新が有効です。しかし疲れが全くとれなかったり、こころが悲鳴をあげそうになったりする場合もあるでしょう。
それでも無理をしたりがまんしたりすると、うつ病などの精神疾患を発症する危険性があります。疲れを一人でため込まずに、心療内科や精神科などの医師に相談することが大切です。
当院では、うつやストレス、不眠、不安などの症状に対して、専門医によるサポートを受けられます。人間関係の疲れで悩んでいる人は、お気軽に当院までご相談ください。
参考サイト:
・日本精神神経学会日本語版用語監修、髙橋三郎ほか監訳:DSMー5精神疾患の診断・統計マニュアル、医学書院、2014
・スポーツ庁Web広報マガジン|デポルターレ|数字で見る!スポーツで身体に起こる気になる「6」つのデータ
・厚生労働省|こころもメンテしよう|若者のためのメンタルヘルスブック|p10~
・厚生労働省|e-ヘルスネット|健やかな眠りの意義
・日本REBT協会オフィシャルサイト|REBTとは
・日本経済新聞|医師が明かすストレスに強い人、弱い人の決定的違い
・j-stage|堀弘明|うつ病の発症におけるストレスの役割
・厚生労働省|こころの耳|2うつ病の主な症状と原因
・東京大学先端科学技術研究センター|自閉症者は大人距離を短く取る