「アルコール依存症で診断書はすぐもらえる？」
「診断書のもらい方や休職までの流れは？」
「アルコール依存症の診断基準や治療方法が知りたい」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
アルコール依存症は放置すると全身の臓器に障害を及ぼす恐れがあります。また、うつ病や自律神経失調症など他の精神疾患を併発するリスクもあるため早期治療が必要です。
本記事では、アルコール依存症の診断書のもらい方や休職までの流れを紹介します。早期療養により、アルコール依存症をすぐに治したい方はぜひ参考にしてください。
＊当院では診断を行なっておりません。あらかじめご了承ください。
アルコール依存症で診断書はもらえる？
医師からアルコール依存症と診断されることで、診断書をもらうことは可能です。
診断書は、職場へ自身の健康状態を説明するために重要な書類です。
診断書を提出することで、職場からの配慮が得られ業務量の調整や休職の許可を得られます。
まずは、アルコール依存症と診断された際に発行依頼できる診断書について確認していきます。
診断書に記載される内容
診断書には患者様の名前や診断名、診断日、治療方針などアルコール依存症の症状や今後の治療に関する内容が記載されます。
| 氏名 | 患者様の名前を記載します。 |
| 病名 | 医師の診断で、「アルコール依存症」などその人の病名を記載します。 |
| 診断日 | 診断日を記載します。 |
| 環境調整の見解 | 環境調整が必要な場合の具体的な見解について記載します。 例）「通院の継続が望ましい」や「自宅療養が望ましい」「配置の転換や異動が望ましい」 |
| 治療内容 | 治療の実施内容や通院の有無などを記載します。 |
| 治療期間 | 診断内容をもとに、どの程度の治療期間が必要かを記載します。 |
また、アルコール依存症の場合、依存の度合いや身体的・精神的な健康状態、社会的な影響など詳細な項目が含まれることもあります。
必要な治療期間も記されますが、治療期間が過ぎても症状が良くならなければ治療期間が延期されるケースもあります。
診断書の発行にかかる費用
診断書の発行にかかる費用は、数千円から一万円程度である場合がほとんどです。ただし、発行費用は診断書の内容や病院の規模、記載内容によっても異なります。
また、診断書の発行費用は保険適応外となるため全額自己負担となります。
正確な費用を確認しておきたい場合は、あらかじめクリニックに確認しておくことをおすすめします。
診断書の発行にかかる期間
診断書の発行には、通常1週間から10日程度かかる場合があります。
また、医療機関の状況や診断書に記載する内容により、さらに時間がかかる場合もあります。
そのため、急ぎの場合は事前に相談し、発行のスケジュールを確認しておくことが大切です。
余裕を持った計画を立てることが、スムーズに診断紹介を受け取るためのポイントとなります。
そもそもアルコール依存症とはどんな症状
アルコール依存症は、アルコールの摂取をコントロールできなくなる精神疾患です。
長期間にわたる過剰な飲酒により、身体的な健康への悪影響や社会生活における問題が生じます。
アルコール依存症には、身体依存と精神依存がありいずれも治療が必要です。また、他の精神疾患を併発する恐れも高く、総合的な医療ケアが求められます。
身体依存
身体依存とは、アルコールが中枢神経系に影響を与えることで自身で飲酒をコントロールできず、中止すると離脱症状が出現する状態のことです。
アルコールの摂取を急に中止すると、離脱症状が発生し、震え、発汗、不安、さらには痙攣や幻覚などが見られることがあります。
これにより、強い飲酒欲求が生まれ、日常生活に支障を来すことが多々あります。
精神依存
精神依存は、アルコールを摂取することで、精神的な安定や快楽を得ようとする状態を指します。
飲酒により一時的なストレス解消や気分転換を図ろうとするものの、次第にそれが習慣化し、アルコールなしでは精神的に不安定な状態になります。
精神依存が強まると、自制心が失われ、理性では飲酒を止めたいと思ってもやめられない状態になります。
併発する恐れのある精神疾患
アルコール依存症に伴い併発する恐れのある精神疾患には、うつ病、不安障害、双極性障害などがあります。
これらの精神疾患は、長期にわたる飲酒が及ぼす脳への影響や社会的問題から発症することが多いです。
アルコール依存症に伴い他の精神疾患が併発すると治療が長期化する恐れがあります。
そのため、早めの治療を心がけて早急にアルコール依存を克服することが大切となるのです。
アルコール依存症の診断基準
アルコール依存症の診断基準は国際的な基準である「ICD-10」をもとに作成されています。
アルコール依存患者の具体的な症状は以下の通りです。
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上記の6つの項目のうち3つ以上に当てはまる場合はアルコール依存症と診断されます。
アルコール依存症での診断書のもらい方
アルコール依存症の診断書を取得するための流れを4つのステップで紹介します。
- 【ステップ1】神経科・心療内科を受診する
- 【ステップ2】医師の診断を受ける
- 【ステップ3】診断書の発行依頼をする
- 【ステップ4】診断書を受け取る
あらかじめ、流れを理解しておくことでスムーズに診断書を受け取れます。それぞれ確認しておきましょう。
【ステップ1】神経科・心療内科を受診する
アルコール依存症の診断書を取得する最初のステップは、信頼できる神経科や心療内科を受診することです。
クリニックのホームページや電話にてご都合のよい日時に受診予約をしてください。
なお、クリニック選びの際はクリニックの口コミや評判を確認することも重要です。
スタッフの対応のよさやクリニックの清潔感なども事前に確認しておきましょう。
【ステップ2】医師の診断を受ける
予約日当日となったらクリニックに訪れて診察を受けます。
診察では、医師から飲酒の頻度や量、生活における影響などをヒアリングされ、アルコール依存症の症状に該当するかどうか確認されます。
ヒアリング内容はアルコール依存症を診断するための重要な情報となるため医師からの質問に対して正直に答えてください。
また、必要に応じて心理テストや血液検査が行われることもあります。
【ステップ3】診断書の発行依頼をする
医師からアルコール依存症と診断された場合、診断書の発行が可能となるため、医師や受付に診断書の発行依頼をしましょう。
診断書は患者様から発行依頼をしないと作成されないため、必ず医師や受付に相談してください。
依頼時には診断書がどのような目的で必要かを具体的に伝え、発行にかかる期間についても確認しておくとよいでしょう。
クリニックによっては、発行までに時間がかかることがあるため余裕を持って準備することが大切です。
【ステップ4】診断書を受け取る
診断書発行の準備が整ったら、医療機関または郵送で受け取ります。
受け取りの際には内容をしっかりと確認し記載ミスがあれば修正を依頼しましょう。
また、診断書は重要な個人情報となるので、紛失しないように保管することが大切です。必要に応じてコピーを取っておくと良いでしょう。
アルコール依存症で診断書はすぐもらえる？
患者様の中には診断書をすぐに受け取り素早く療養に入りたいと考える方も多くいます。
しかし、アルコール依存症の診断書をすぐに発行してもらうためにはいくつかの条件を満たす必要があります。
診断書をすぐもらうための条件
アルコール依存症で診断書をすぐにもらうためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- アルコール依存症の診断基準に当てはまる
- 診断書の当日発行に対応しているクリニックに相談する
スムーズに診断書をもらえるようにそれぞれ確認していきましょう。
アルコール依存症の診断基準に当てはまる
自身の症状が診断基準に該当するかどうか把握しておくと、診断書の発行がスムーズになります。
また、医師からの診察の際に診断基準に当てはまることを伝えることもポイントです。
診断基準に該当していることで、医師も患者様がアルコール依存症であると認めることが可能となります。
診察を受けるために、自身で診断基準を確認しておくようにしましょう。
診断書の当日発行に対応しているクリニックに相談する
診断書を急ぎで取得したい場合には、診断書の当日発行に対応しているクリニックを事前に探して予約を取ることがポイントです。
アルコール依存症と診断されても、クリニックの体制として診断書の即日発行ができないとすぐに受け取ることができません。
そのため、すぐに診断書をもらうためには診断書の即日発行に対応したクリニックを選ぶようにしましょう。
診断書を発行することできること
アルコール依存症と診断され診断書を発行しておくことで以下の3つのことが可能となります。
- 仕事の業務量を配慮してもらえる
- 休職して療養に集中できる
- 各種公的な制度へ申請できる
診断書を取得することで、職場や学校などに自分の健康状態を正式に伝えることができます。症状に対する理解を得やすくなります。
また、各種公的制度の申請にも必要となるため、以下でそれぞれの詳細を確認していきます。
仕事の業務量を配慮してもらえる
診断書を提出することで、上司や人事担当者に自分の健康状態を把握してもらえます。
これにより、業務の過重労働を避け、適切な業務量に調整してもらうことが可能になります。
診断書を基に労働条件の見直しや勤務時間の短縮などを検討してもらうことができ、アルコール依存症の治療を優先した働き方が実現しやすくなります。
休職して療養に集中できる
休職を申請する際にも診断書が必要となる場合があります。
会社の就業規則によっても異なりますが、多くの会社では休職の際に診断書の提出を義務づけられているケースが多いです。
診断書があることで療養が必要であることの理解が得られ、スムーズに休職の許可をもらうことができるでしょう。
休職して療養に専念したい場合も診断書を発行しておくようにしましょう。
各種公的な福祉制度へ申請できる
診断書は、各種公的福祉制度の申請においても必須の書類となります。
傷病手当金制度や自立支援医療制度など、治療を続けていく上で経済的な負担を軽減するための制度は多数あります。
休職に伴い収入が減少する場合でも、公的制度を利用することで負担を抑えられるため診断書は発行しておくようにしましょう。
以下で、代表的な公的な福祉制度を紹介します。
傷病手当金制度
傷病手当金制度は、健康保険に加入している方が病気や怪我で働けない場合に、給料の一部が支給される制度です。
診断書を提出することで、支給の対象者となることが証明され、申請が承認されれば給付を受けとれます。
傷病手当金制度は、療養中の収入の減少を補うための重要なサポートであり、経済的な不安を軽減することで療養に集中しやすい環境を提供してくれます。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、精神疾患や慢性病などの特定の疾患に対する医療費の負担を軽減するための制度です。
この制度を利用する際も診断書を用意する必要があります。
自立支援医療制度の申請が認められると、治療に必要な医療費の自己負担金が1割となります。
治療に必要な負担金も削減できるため、ぜひ活用しましょう。
障害年金制度
障害年金制度は、症状が長期的に及び労働や日常生活に支障をきたす場合に支給される年金の制度です。
申請時に診断書を提出することで、障害の程度や日常生活への影響を客観的に証明できます。
診断書に記載される医師の意見は、審査の重要な要素となり、制度の利用をスムーズに進めるために不可欠です。症状の重さにより与えられる等級が決定します。
診断書取得後の休職・復職までの手順
診断書を取得したのちの休職・復職までの手順を紹介します。
- 診断書を会社に提出して休職を願い出る
- 休職の許可が出たら仕事の引き継ぎをする
- 自宅で完全療養して治療を進める
- 復職の判断をする
スムーズに休職できるように確認しておきましょう。
診断書を会社に提出して休職を願い出る
診断書を取得したら速やかに会社に提出し、正式に休職を願い出ます。
提出の際には診断書の内容や医師の所見も説明し、症状の詳細や休職の必要性を誠実に伝えてください。
症状について丁寧に説明することで、会社側の理解を得ることができ信頼関係を維持したまま休職できます。
また。休職の申請時には具体的な休養期間についても相談し、会社の規定に基づいた手続きを行いますしょう。
休職の許可が出たら仕事の引き継ぎをする
会社から正式に休職の許可が下りたら、速やかに業務の引き継ぎ準備を進めましょう。
引き継ぎは業務の流れを滞らせないよう、同僚や後任者に丁寧に引き継いでください。
日々の業務内容や進行中のプロジェクト、重要な連絡先などをリストアップして漏れの無いように説明します。
また、必要に応じて、引き継ぎ書を作成し休職期間中に何か問題が発生した場合の対応方法についても指示を残すと良いでしょう。
自宅で完全療養して治療を進める
引き継ぎが完了したら自宅での完全療養を心がけ、医師の指導に従って治療に専念します。環境を整えて心身の負担を軽減し、リラックスできる空間を作ることが重要です。
規則正しい生活習慣を心がけ、適度な運動も取り入れることで回復を促します。
また、休職中も定期的にクリニックを訪れて治療を継続しましょう。
復職の判断をする
治療が進み体調が安定してきたら、復職のタイミングを慎重に判断します。
医師の意見を参考にしながら、自身の体調や職場の状況を総合的に考慮して復職を決めてください。
無理に早く復職すると体調が再び悪化する可能性があるため注意が必要です。
復職後は職場復帰プログラムの活用や、徐々に仕事量を増やすなど身体を慣らしながら職場復帰をしていきます。
アルコール依存症や診断書に関するよくある質問
アルコール依存症は現代社会において重要な健康問題の一つです。ここでは、アルコール依存症に関するよくある質問を紹介します。
- アルコール依存症の離脱症状にはどのようなものがありますか？
- 理想的な1日のアルコール摂取量はどれくらいですか？
- アルコール依存症の予防方法は？
- アルコール依存症を放置するとどうなりますか？
疑問や悩みの解消に役立ててください。
アルコール依存症の離脱症状にはどのようなものがありますか？
アルコール依存症の離脱症状は身体的および精神的な影響を含まれます。
身体的症状としては、手の震え、発汗、吐き気、頭痛などが一般的です。
重症の場合、痙攣や心拍数の増加、さらにはせん妄（意識混濁や幻覚）を伴うこともあります。
一方で精神的な影響としては不安、うつ、イライラ感が見られることがあります。
これらの症状はアルコール摂取を急に中断した際に数時間から数日以内に現れることが多くあります。
理想的な1日のアルコール摂取量はどれくらいですか？
理想的な1日のアルコール摂取量は、個人の健康状態や生活習慣によって異なりますが男性であれば1日平均2杯程度、女性であれば1日1杯程度が推奨されます。
ここでの「1杯」はビールであれば約350ml、ワインであれば約150ml、蒸留酒であれば約40mlを指します。
依存リスクを減らすためには、飲酒しない日を週に数回設けることも重要です。
過剰な飲酒は健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、適度な摂取を心掛けることが大切です。
アルコール依存症の予防方法は？
アルコール依存症の予防には、日常の生活習慣の見直しが重要です。
まず、意識的に飲酒の頻度や量を減らすようにしましょう。
また、ストレスを感じた際は飲酒以外の方法でリラックスする習慣を持つこともアルコール依存症の予防に役立ちます。
アルコール依存症を放置するとどうなりますか？
アルコール依存症を放置してしまうと、身体的にも精神的にも深刻な影響を及ぼすことがあります。
長期間の過剰飲酒は肝機能障害や心疾患、消化器系のトラブルを引き起こす可能性があります。
また、精神的な面では、うつ病や不安障害のリスクが高まることもあります。
社会的にも仕事や人間関係に悪影響を及ぼし、孤立を招くことがあるため、早期の治療が重要です。
放置せず、専門家のサポートを受けながら治療を進めるようにしましょう。
アルコール依存症ですぐに療養したい方はよりそいメンタルクリニックへ！
アルコール依存症でお悩みの方やすぐに治療を開始したいと考えている方はあしたのクリニックにご相談ください。
アルコール依存症は放置すると臓器障害を発症し、健康面へ深刻な影響をあたえてしまいます。
健康的な生活が送れるように早期治療を進めていきましょう。
