脂腺増殖症のイソトレチノイン内服療法について

脂腺増殖症のイソトレチノイン内服療法

2024年6月号の皮膚科の雑誌に脂腺増殖症に対してイソトレチノイン内服療法が効果があるとの報告がありました。これまで、脂腺増殖症の治療はメスで円形にくりぬく方法やCO2(炭酸ガス)レーザーで焼灼する方法ですが、症状が多発する患者さんに対してはあまり良い方法がありませんでした。

治療の対象になるのは、3-5mm程度の皮膚~やや白色のできものです。ニキビなどとは異なり今までの内服薬や外用薬では脂腺増殖症は治療できません。さらに、脂腺増殖症液体窒素、手術、CO2(炭酸ガス)レーザーで治療することが一般的ですが、再発や手術痕などが問題になっていました。そこで注目を浴びたのがイソトレチノインです。

イソトレチノインとは?

イソトレチノインはビタミンA( レチノール)の活性型(レチノイン酸)のイソ体(光学異性体の1つ)を抽出したものです。
イソトレチノインを飲むと、以下の2つの効果が期待できます。
①原因となる皮脂腺が小さくなる
②角質による毛穴詰まりを解消してくれる

1日1回1錠で服用するお薬になります。基本的には、継続的な服用が必要になるお薬で6ヵ月ほどで効果が期待できるお薬になります。

イソトレチノインの料金

イソトレチノイン20mg×30日分税込15000円
推奨:イソトレチノイン6ヵ月定期初月0円
2ヵ月目以降、15000円

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イソトレチノインの服用方法

毎日、1日1回、必ず食後に内服してください。

※内服を忘れた場合でも、1度に2回分を服用することは避けてください。

治療の最初の数週間でニキビが悪化することがあります。多くは、2ヶ月程度で改善がみられます。

イソトレチノインの副作用

よくあるもの

口唇の乾燥、皮膚の乾燥

まれにあるもの

頭痛、発疹、軽度の痒み、落屑、眼瞼炎、結膜炎、筋肉痛や関節痛、肝機能低下、脱毛、めまい、吐き気

イソトレチノインの注意点

保険が適用にならない自由診療

飲む量やクリニックにもよりますが、大体月々15,000円~40,000円ほどかかります。それを8ヶ月~9ヶ月続けるため、費用の負担はデメリットの一つとなりえます。

女性の場合、妊娠中・妊活中は飲めない

妊娠中に飲むと赤ちゃんの奇形の発生率が高まるため、妊婦さん・妊活中の方は飲めません。
ただイソトレチノイン自体は体からすぐ排出されるので、飲み終わって1ヶ月経てば普通通り妊娠していただいて大丈夫です。妊娠中・妊活中は絶対に飲めないので注意してください。

ひどい乾燥

イソトレチノインを飲んでいると皮脂腺の働きが弱まるため、必然的に肌が乾燥しやすくなります。そのため乾燥肌の方や真冬の時期は少し使いづらさを感じる場合があります。
とはいえ当院のように我々皮膚科医が常駐しているのであれば、しっかり保湿剤を処方したりスキンケアのやり方をご案内しますので、それで乗り切れる方がほとんどです。

イソトレチノインが服用できない人

  • 18歳未満の方・成長期で身長が伸びている方
  • アレルギーのある方 (アスピリン喘息のある方、パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方)
  • フルクトース不耐症の方
  • 精神疾患をお持ちの方
  • 妊娠中/妊活中/授乳中の方
  • 炎症性腸疾患をお持ちの方など
  • レーシック手術の前後6ヶ月の方

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