変形性膝関節症でしてはいけないことは？運動や膝に負担がかかる仕事(職業)もチェック！

「変形性膝関節症だけど、運動しても良いのか」
「日常生活で気をつけるべきことはあるのか」

そのような悩みを抱えている方に向けて、本記事では変形性膝関節症の方がしてはいけないことについて解説していきます。

変形性膝関節症でしてはいけないことは？
膝に負担が掛かる動作をチェック！

変形性膝関節症でしてはいけない動作を日常的に行ってしまっている場合、症状が悪化したり治りにくくなったりする可能性があります。

事前に変形性膝関節症の人がしてはいけない動作を理解し、できるだけ行わないようにしましょう。

①立つ・座るの繰り返し

「日常的に立つ・座るの繰り返すこと」は変形性膝関節症の人がしてはいけない動作の1つです。

基本的に膝に負担をかける動作はできる限り控えた方が良いでしょう。立つ・座るの繰り返しに関してもその度に膝に大きな負担がかかってしまいます。

どうしても立ったり座ったりをしなければならない場合は、できるだけ回数は減らすことを心がけましょう。

②ジャンプなど膝に衝撃を与えある動作

ジャンプなどの突発的に膝に負荷がかかる動作もしてはいけないことの1つです。

イメージしやすいと思いますが、ジャンプをして着地する際には膝への負担は非常に大きくなってしまいます。

ジャンプは体重の約5倍ほどの負荷がかかるとも言われています。ジャンプに限らず階段などの少しの段差でもできるだけゆっくり負荷がかからないようにしましょう。

③長時間の立位・歩行

例え動きが少なかったとしても、長時間立ちっぱなしなのもしてはいけない動作となります。

特に立っている際に内股になりやすい方に関しては膝への負担が大きいです。また、当然長時間歩き続けることも膝へのダメージが蓄積されていきます。

適度なウォーキングなどは変形性膝関節症に良い影響をもたらしてくれる場合もありますが、長期間歩き続けることは控えましょう。

④正座

正座は膝に負担が大きい姿勢ですので、してはいけない動作の1つです。ただ、仕事上どうしても正座をしなければならない場面がある方もいらっしゃるかと思います。

もし正座をする場合には「できるだけ正座をする回数を減らす」もしくは「1回の正座をする時間を少なくする」のがおすすめです。

⑤重い荷物を運ぶ

重い荷物を持てば持つほど膝への負担が大きくなるため、してはいけない動作になります。特に重い荷物を持って移動したり、積み下ろししたりする場合には膝への負荷が非常に大きいです。

もし機械などを用いて重い荷物を持つ回数を減らせるのであれば、できる限り手で持つ行動は控えた方が良いでしょう。普段買い物などを行う際は、カゴを手で持つのではなくショッピングカートを積極的に利用するのがおすすめです。

変形性膝関節症で避けたい
膝に負担がかかる運動は？

続いては、変形性膝関節症の方が避けたい運動について解説していきます。全ての運動が変形性膝関節症にとって悪影響を及ぼすわけではありません。

適度な運動は変形性膝関節症の改善を促す場合もある点はあらかじめ理解しておきましょう。

①過度なトレーニング

過度な運動は膝への負担が増加し、変形性膝関節症が悪化する要因となります。

ただし、運動自体が変形性膝関節症に悪いものではありません。例えば、適度なウォーキングやストレッチなどは変形性膝関節症に好影響を及ぼすと言われています。

運動を行う場合は、医師に相談した上で適切な範囲内で行うようにしましょう。

②膝痛を我慢して行う運動

膝痛を我慢してまで運動することはおすすめしません。膝が痛いということは何かしらの異常が発生しているわけです。

つまりその状態で運動をしてしまうと、症状が悪化してしまう可能性が高いでしょう。膝痛を抱えたまま運動をしていると、痛みが起きないような動作を無意識に行ってしまいがちです。

正しい姿勢や動作で運動をしないと、膝への負担が増加してしまうかもしれません。

③ひざへの負荷が大きいスポーツ

膝への負担が大きいスポーツはできる限り控えるべきです。下記に記載したスポーツは膝を酷使するケースも多いため、変形性膝関節症の方は控えるようにしましょう。

記載したスポーツ以外でも急な停止や発進・方向転換やジャンプなど、瞬間的な膝への負担が大きいスポーツは全て対象です。

そのスポーツを行っていいか自分で判断できない場合には、医師に相談してみましょう。

変形性膝関節症で控えたい職業とは？
膝への負担が考えられる参考例5選！

続いて、変形性膝関節症の方が控えた方が良い職業などを紹介します。ただ、記載してある職業に従事している場合に関しても、今すぐに転職することなどは難しいでしょう。

しかし、自分の職業が「膝への負担が大きい職業だ」と理解できれば対処法などを考える良いきっかけになると思います。ぜひ参考にしてみてください。

①長時間膝を使うトラックやタクシー運転手

トラックやタクシー運転手は長時間膝を使う機会が多い職業です。特にマニュアル車を運転する場合には左膝でクラッチの操作を行う必要があるため、なおさら負担が大きくなってしまいます。

また、単純に長時間座りっぱなしであることも変形性膝関節症にとって良い行動ではありません。できる限り膝への負担が少ない姿勢で仕事をする必要があります。

②重い荷物を運ぶ引越し業者・配達員

引越し業者や配達員も膝への負担が大きい職業だと言えるでしょう。重い荷物を持って歩くことはそれだけ膝への負担は大きくなります。

また、引越し業者や配達員の方は荷物を持ったまま階段などを上り下りする機会も多いでしょう。荷物の運搬には荷台を使ってできるだけ負担が減るように工夫すべきです。

加えて、サポーターなどを付けながら仕事ができるのであれば装着して仕事をするようにしてください。

③膝を冷やす可能性もあるデスクワーク

デスクワークも膝への負担が小さいわけではありません。冷房などが付いている部屋でデスクワークをする場合、膝が冷えて血流が悪くなってしまう可能性があります。

血流が悪くなることによって筋肉が硬直し、膝周辺部位に栄養が行き届かなくなってしまうわけです。その結果として膝に悪影響が及ぼされます。

長時間座り続けるのではなく、適度にストレッチなどを交えて仕事を行うことがおすすめです。

④長時間立ち仕事になるコンビニやスーパーの店員

長時間立ちっぱなしのコンビニやスーパーの店員も膝への負担が大きい職業になります。

立っているだけだと膝への負担を加えていないイメージがあるかと思いますが、長時間の立ちっぱなしは予想以上に膝への負担は大きいです。

その場で足踏みをしたり、軽く動いたりするだけで膝への負担は減らせますので、意識しながら仕事を行ってみてください。

⑤長時間歩き回る営業職

長時間歩く機会が多い営業職も膝への負担が大きい職業の1つです。適度な有酸素運動であれば変形性膝関節症にとって良いですが、長時間歩きっぱなしの営業職は悪影響になる可能性が高いでしょう。

営業職の方は靴をできるだけ歩きやすいビジネスシューズにするだけでも膝への負担を減らせます。女性の方はヒールなどの安定感がない靴よりも他の靴を利用した方が良いでしょう。

変形性膝関節症は自力で症状を治すことは可能？

「変形性膝関節症の症状があるけど、病院に行くのは面倒」と感じている方もいらっしゃるかと思います。

結論、変形性膝関節症は自然に治癒することはありません。したがって変形性膝関節症の疑いがある方は一度病院で診てもらうようにしてください。

1.悪化する可能性もあるため専門医の治療を受けるのが良い

変形性膝関節症の初期症状は、膝の軽い痛みや違和感などが多いです。したがってあまり深く考えずに放置してしまう人もいらっしゃると思います。

しかし、変形性膝関節症は最悪の場合、歩くことやしゃがむことさえ困難な状況になりかねません。痛みや違和感がある方は直ちに病院で診てもらうことをおすすめします。

2.安静にしすぎるのも良くない

変形性膝関節症の方で「病気だから安静にしないといけない」と考えている人も一定数いらっしゃるのではないでしょうか。

結論、変形性膝関節症の方は安静にしすぎるのも逆効果です。運動不足は筋肉や靭帯が衰える原因となり、結果的に膝への負担が大きくなります。適度な有酸素運動や膝への負担が少ないスクワットなどを日頃から行うことがおすすめです。

変形性膝関節症を予防するためのポイント6選！

続いて、変形性膝関節症を予防するための方法を6つほど紹介します。今回紹介する方法は、すでに変形性膝関節症を患っている場合にも有効的な方法です。

日常的のちょっとした意識だけでできる方法もありますので、自分ができそうなものはぜひ取り入れてみてください。

①正座はできるだけ避ける

先ほど紹介したように、正座は膝への負担が大きい姿勢です。特に長時間の正座を行う機会がある方は注意してください。

どうしても正座を行わなければならない場合に関してはやわらかいクッションを敷いたり、できるだけ正座する時間を減らしたりするのがおすすめです。

正座は負担も大きい上に血流も悪化します。正座の前後はストレッチなども行うようにしてみましょう。

②減量して肥満を解消する

当たり前ですが、体重が重ければ重いほど膝への負担は大きいです。実際に変形性膝関節症は肥満体型であるほど罹りやすいと言われています。

肥満を解消するためには有酸素運動がおすすめです。有酸素運動によって膝周辺部位の筋肉も鍛えられるため、同時に予防も可能になります。

肥満は変形性膝関節症以外の病気にも悪影響を及ぼす可能性が高いため、できる限り解消するようにしましょう。

③大腿四頭筋(太もも前側の筋肉)を鍛える

変形性膝関節症を予防するためには大腿四頭筋を鍛えるのが効果的です。膝周辺部位の筋肉が衰えると、痛みを感じるケースが多くなります。

大腿四頭筋はスクワットなどで鍛えられますので、毎日少しでも良いので続けてみてはいかがでしょうか。ただ、スクワットはやり方によっては膝への負担が大きくなるため、できる限り膝の負担が少ない方法で行うようにしてみましょう。

④重いものを持つ仕事は避ける

変形性膝関節症を予防するためには、できる限り重たいものを持つ仕事は避けるべきです。

重いものを持つ仕事は他の人に任せたり、荷台を使ったりしてできるだけ手で持って移動することは控えたほうが良いでしょう。また、普段の買い物でもショッピングカートを利用することによって膝への負担は減らすことが可能です。

⑤膝は冷やさず、できるだけ温めて血行を良くする

変形性膝関節症を予防するために、できるだけ膝は冷えないようにするのがおすすめです。膝が冷えて血流が悪くなってしまうと、筋肉が硬直してしまいます。

筋肉の硬直によって軟骨などに栄養分を送る機能が衰えた結果として、変形性膝関節症になりやすくなってしまうわけです。膝が冷えないようにできるだけ温める、もしくは血流がよくなるようにストレッチなどを行うようにしましょう。

⑥洋式トイレを使用する

洋式トイレに比べて和式トイレは膝への負担が大きいため、できる限り利用しない方が良いでしょう。

ただ、外でトイレに行った際にトイレの種類を選ぶことは難しい場合もあると思います。ただ、「洋式トイレがある場所でトイレに行っておくことを心がける」など日常的な意識で和式トイレを使う機会を減らすことは可能です。

変形性膝関節症のケアや
治療法にはどんな種類がある？

万が一、変形性膝関節症になってしまった場合のケアや治療法はどのようなものが存在しているのでしょうか。

具体的には以下の5つが挙げられます。治療法によっては1つのみを行うのではなく、並行して行うケースもある点を理解しておいてください。

①リハビリ

変形性膝関節症を改善するために、リハビリを行うケースがあります。リハビリの内容としては膝の筋肉を伸ばすストレッチなどが一般的です。

さまざまな機械や手技を用いて、関節のゆがみなどを修正が行えます。リハビリを行うことによって膝関節の安定感が高まったり、筋肉量が増えたりさせることが可能です。

②膝を温める

先ほど紹介したように、膝の血流が悪くなってしまうと変形性膝関節症が悪化してしまうリスクがあります。

つまり、血流を促進するために膝を温めることが重要になるわけです。膝のサポーターを着用したり、日頃から入浴をしたりするのがおすすめとなっています。

ただ、炎症などがひどい場合は一時的に冷やす場合もある点には注意が必要です。

③薬物療法

薬物療法とは、塗り薬などの外用薬や飲み薬の内服薬などを用いて治療する方法です。一般的に外用薬・内服薬・座薬などを用いて炎症を抑えるのが最優先となっています。

その後にヒアルロン酸注射を膝に打つ場合もある点を理解しておきましょう。ヒアルロン酸注射を打つことによって、軟骨の修復などが期待できます。

④装具療法

装具療法とは、靴底のインソールやサポーターを用いて治療する方法です。インソールを用いた装具療法は特にO脚の方が対象となっています。

O脚は膝の内側に体重負担がかかりやすく、変形性膝関節症にとって悪影響をもたらします。そこで、体重負担が外側に向くようにインソールを調整して治療をするわけです。

⑤手術

基本的には上記の4つで対応しますが、それでも治らなかったり回復の兆しが見えなかったりする場合には手術が行われる場合もあります。

手術の種類としても、「関節鏡視下手術」「膝関節を温存する方法」「人工関節置換術」の3つが挙げられます。どの手術が行われるのかについては、変形性膝関節症の進行具合によって決められます。

膝に不調を感じたら専門医の受診を受けよう！

膝の病気は変形性膝関節症でなくても放置すべきではありません。最悪の場合、普通に歩くのでさえ困難な状況になってしまう可能性もあります。

下記の症状に該当する場合は、お近くの専門医に相談してみましょう。

1.ひざに痛みや違和感を感じる

変形性膝関節症の初期症状は「膝の軽い痛みや違和感」です。つまり、「これくらい大したことないだろう」と思っていたとしても、実際には変形性膝関節症を患っている可能性もゼロではありません。

病院に行くのが面倒だと感じている方も、万が一の際に備えて早めに病院で診てもらったほうが安心できるでしょう。

2.長時間経過しても痛みが続く

休んだりストレッチをしたりしても継続的な膝の痛みがある場合には、膝の病気である可能性が考えられます。

膝の病気に関わらず、病気は早期発見・早期治療が非常に重要です。痛みが長期間にわたって続くようでしたら、一度病院で診てもらった方が良いでしょう。

もし何も異常がなかったとしても、それはそれで安心できるため、気になったら病院に行くべきです。

3.一時的に痛みは治まるが慢性的な痛み

「膝を使っている時だけ痛みを感じ、少ししたら痛みがひく」といった状態の人もいらっしゃると思います。

しかし、そのような状態が何度も起きている場合には要注意です。変形性膝関節症でなくても、他の膝に関する病気である可能性が考えられます。

「すぐに痛みがひくからいいか」と思わず、まずは近くの病院で診てもらった方が良いでしょう。

変形性膝関節症に関するよくある質問

最後に変形性膝関節症に関する「よくある質問」にお答えしていきます。

よくある質問は以下の5つです。

1. 変形性膝関節症はどんな人に多いですか？
2. 膝が痛い時はウォーキングしない方がいいですか？
3. 変形性膝関節症の寝る姿勢は？
4. 変形性ひざ関節症を治すにはどうしたらいいですか？
5. 変形性膝関節症で運動に自転車に乗るのはOKですか？

変形性膝関節症はどんな人に多いですか？

変形性膝関節症は50代以上の女性によくみられる膝の病気です。80%程度が女性で、これは女性ホルモンの減少が要因だと言われています。

ただ、骨折や靭帯損傷・半月板損傷などの経験がある場合には20代でも発症する可能性がゼロではありません。また、肥満や遺伝的な要因も変形性膝関節症の発症に影響を及ぼす点も理解しておきましょう。

膝が痛い時はウォーキングしない方がいいですか？

膝が痛かったとしても、適度なウォーキングは効果的です。つまり、膝に痛みがある場合でもウォーキングは行うべきです。

ただ、長期間のウォーキングや過度な運動は変形性膝関節症に悪影響を及ぼす可能性があります。サポーターを利用したり、歩きやすい靴を履いたりしてウォーキングをすれば、膝への負担を減らすことも可能です。

変形性膝関節症の寝る姿勢は？

変形性膝関節症の方は、仰向けで寝るのがおすすめです。仰向けで寝る理由としては、血流が促進される点が挙げられます。

ただ、膝を伸ばした状態だと痛みを感じる方も一定数いらっしゃると思います。そのような場合には、膝下にクッションを挟んで膝が曲がった状態にすることで痛みが和らぐでしょう。

寝る姿勢ひとつでも変形性膝関節症は緩和できるため、日頃から意識すべきです。

変形性膝関節症を治すにはどうしたらいいですか？

変形性膝関節症を治すには薬物療法や装具療法などか、もしくは手術を行うかの2択です。軟骨は自然治癒はしないため、放置していて治る可能性は極めて低いです。

まずは薬やリハビリ、サポーターなどを利用して炎症を抑えます。それでも緩和しない場合は最終的に手術を行う必要があるでしょう。

変形性膝関節症で運動に自転車に乗るのはOKですか？

膝への負担が少なければ問題ありません。また、自転車を漕ぐことによって膝周辺の筋肉が鍛えられて変形性膝関節症に好影響をもたらす場合もあります。

ただ、坂道などは膝への負担が大きくなってしまうため注意が必要です。自転車を漕ぐ場合は「坂道で自転車に乗らない」など膝への負担が大きいケースは控えるようにしましょう。

変形性膝関節症でしてはいけないこと！まとめ

変形性関節症でしてはいけないことはたくさんあり、日常的に気をつけるだけで症状が進行しなくなるケースも多いです。

また、最もしてはいけないことは「病院に行かないこと」だと思います。膝の病気に関わらず、何か痛みや違和感を感じた場合にはすぐに病院で診てもらいましょう。

早期治療によって改善するケースも多いため、気になる方は今すぐにでも相談してみるべきです。