膝の外側が痛い原因の腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは? 治療法や症状緩和のストレッチも紹介!

「膝の外側が痛いんだけど原因は?」
「膝の外側が痛いときはどうすればいい?」

そんな方に向けて、膝の外側が痛い原因や膝の外側が痛いときにできる対処法などを紹介していきます。

膝の外側が痛い原因に多い
腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは?

膝の外側が痛い場合、「ランナー膝」とも呼ばれる腸脛靭帯炎を発症している可能性が考えられます。

特に日頃からランニングを行っている人がよく発症するためランナー膝と呼ばれています。しっかりと症状や原因などを知っておくことで、膝をケアしやすくなることもあるので要チェックです。

参考:Dr.KAKUKOスポーツクリニック

  1. 腸脛靭帯の概要
  2. 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の症状
  3. 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の主な原因

①腸脛靭帯(ランナー膝)の概要

「ランナー膝」とも呼ばれる腸脛靭帯炎は歩行や走行などにより、太ももや膝の外側にある腸脛靭帯に炎症が起こる疾患です。

腸脛靭帯は安定した歩行をサポートしてくれる役割がある一方で、長時間ランニングしていると大腿骨(太ももの骨)の出っ張りと何度も擦れ、膝の外側に痛みを感じるようになるのが特徴。

腸脛靭帯炎の原因はランニングに限定されているわけではないですが、ランニング動作により発症するケースが多いことから「ランナー膝」とも呼ばれています。

画像引用:ひざ関節症クリニック

②腸脛靭帯炎(ランナー膝)の症状

腸脛靭帯炎の症状は運動時の痛みを中心に歩行や安静時にも痛みを感じるケースもあり、膝の外側(腸脛靭帯のある辺り)を押す・曲げると痛いといった特徴も。

膝の外側に違和感がある場合は腸脛靭帯のある辺りを押して痛みを感じるかを目安に、腸脛靭帯炎であるかどうかをチェックしてみましょう。

  • 膝の外側 押すと痛い
  • 膝の外側 曲げると痛い

運動時の痛み

腸脛靭帯炎の症状として多いのが運動時に痛みを感じるケースで、ランニングやサイクリングなどの膝の曲げ伸ばしをくり返すスポーツで痛みやすいです。

初期症状では安静にしていれば痛みが治まることもありますが、再び動かすと痛むケースもあるので注意しましょう。

歩行時や安静時の痛み

腸脛靭帯炎の症状が悪化してくると、運動時だけでなく歩行や安静時にも痛みが生じるケースもあります。

ただ歩いたり横になったりしているだけなのに膝の外側が痛い場合は、腸脛靭帯炎が悪化している可能性があるので医師に診てもらいましょう。

③腸脛靭帯炎(ランナー膝)の主な原因

腸脛靭帯炎の主な原因には過度なランニングの他に、O脚や体の硬さ、急に運動を始めたことなどもあります。

長時間のランニングをしていない人でも発症するケースがあるので、ランニングをしない人も要チェックといえるでしょう。

過度なランニングやスポーツ

腸脛靭帯炎の原因として多いのが過度なランニングやスポーツで、特に「ランナー膝」とも呼ばれている通り、長時間のランニングで発症しやすい傾向にあります。

ランニング以外ではサイクリングや登山、スキー、バレーボールなどに多いといわれており、膝の曲げ伸ばしをくり返すスポーツを行う人も注意が必要です。

 内反膝(O脚)

腸脛靭帯炎を発症する原因として内反膝(O脚)も挙げられ、O脚は太ももから脛にかけて内側に曲がっている状態です。

O脚は脚の外側に体重がかかることから腸脛靭帯と大腿骨が擦れやすく、正常な脚のラインの人よりも発症しやすいと考えられています。

体が硬い・急に運動を始めた

腸脛靭帯炎には体の硬い人や急に運動を始めたケースでも発症しやすいといわれています普段運動していない人は筋肉が硬く弱い傾向に。また、腸脛靭帯の柔軟性も弱いケースが多いです。

そうした状態から急に運動を始めると大腿骨と擦れた際の摩擦抵抗が強くなり、運動時間が短くても痛みが出やすい傾向にあります。

参考:Dr.KAKUKOスポーツクリニック

腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療法は?

腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療法には安静・休養に加え、運動療法や対外衝撃波治療などもあります。

それぞれの症状と当てはめながら自分に合った治療法を選ぶことで、効率的にストレスなく改善できるので要チェックです。

  1. 安静・休養
  2. 運動療法
  3. 対外衝撃波治療
  4. 多血小板血漿
  5. 手術

①安静・休養

腸脛靭帯炎を発症したばかりの時期は安静や休養が重症であり、一旦運動やスポーツを控えると良いでしょう。

できるだけ膝を曲げたり伸ばしたりする動作を控えるのがポイントで、湿布や消炎鎮痛剤などを使用することもあります。

運動やスポーツよりもO脚が原因である可能性が高い場合は安静にするとともに、テーピングをしたりO脚を改善する治療を受けたりすると良いでしょう。

参考:徳島県歯科医師会

②運動療法

腸脛靭帯炎の治療法として、運動療法を行うことがあります。

腸脛靭帯の柔軟性を高めれば大腿骨との摩擦抵抗を抑えられるほか、病院やクリニックによっては筋力トレーニングを取り入れているケースもあります。

今の症状を改善するのはもちろん、今後運動しても腸脛靭帯炎を発症しにくくする治療としても用いられます。

参考:きたひろしま整形外科 松田整形外科記念病院

③対外衝撃波治療

体外衝撃波治療とは皮膚の上から患部に照射する治療法で、腸脛靭帯炎の治療として行われるケースもあります。

治療機器を使い衝撃波を送ることにより膝を損傷していることを自覚させ、自然治癒力を高め回復させるといったメカニズムです。

さまざまな治療法を試してみたけど改善しない人や、長年腸脛靭帯炎に悩まされている人などに用いられることがあり、整形外科などで治療を受けることが可能です。

参考:三軒茶屋整形外科・スポーツクリニック

④多血小板血漿

多血小板血漿は自分の血液から採取した血小板を使った治療法で、「PRP(療法)」と呼不こともあります。

血小板から放出される成長因子により損傷した組織を回復・再生させる効果を期待でき、長年腸脛靭帯炎に悩まされている場合でもアプローチできるのが嬉しいポイント。

参考:阿部整形外科

⑤手術

腸脛靭帯炎の症状が改善しない場合は、筋膜切開手術や腸脛靭帯延長手術などの手術が行われるケースも。

腸脛靭帯炎の症状が改善してもスポーツに復帰するとすぐに再発するといった難治例には手術治療が検討されます。

手術治療では腸脛靭帯を部分的に切除したり延ばしたり、骨の出っ張り部分を削ったりすることで、腸脛靭帯炎の症状を改善を試みます。

参考:JCHO東京山手メディカルセンター

膝の外側が痛い時にできる
ストレッチ・筋トレ・マッサージ5選

膝の外側が痛い場合はストレッチや筋トレ、マッサージなどを行うこともあります。

また日頃から膝をケアしておくことで柔軟性を保ち、腸脛靭帯炎を予防する効果も期待できるのでチェックしてみてください。

  1. 腸脛靭帯を伸ばす
  2. 体の外からストレッチポールで腸脛靭帯を刺激する
  3. 座った除隊でバンドを外に広げる運動を繰り返す
  4. 寝た状態で横を向いてv運動
  5. 膝から太ももの外側をマッサージ

①腸脛靭帯を伸ばす

膝の外側が痛い場合は腸脛靭帯を伸ばしてみるのがおすすめで、ストレッチ方法としては座って行うのが簡単です。

まずは脚を伸ばした状態で床に座ってから片足をクロスするように立て、クロスさせている足を反対側の手で抑えながら体を後ろへとひねります。

しっかりと腸脛靭帯が伸びているかを意識するのがポイントで、腸脛靭帯の柔軟性を高めましょう。

参考:JCHO東京山手メディカルセンター

②体の外からストレッチポールで腸脛靭帯を刺激する

ストレッチポールを持っている場合は体の外から腸脛靭帯を刺激し、腸脛靭帯の柔軟性を獲得します

床にストレッチポールを置いた状態で太ももの外側部分を乗せ、そのまま上下に転がしながら動くと腸脛靭帯を刺激できます。腸脛靭帯を刺激することにより、腸脛靭帯の緊張を緩めます。

参考:ほりお鍼灸・整骨院

③座った状態でバンドを外に広げる運動を繰り返す

膝の外側が痛い場合は脚の外側に位置する筋肉や靭帯を鍛える筋トレを行うこともあります。具体的には外側広筋や腸脛靭帯、大腿筋膜張筋を意識します。

これらは脚を外側に開く際に機能するのが特徴で、膝の外側が痛い場合は脚を閉じる方向に抵抗を加えた状態であるため、外に開くような動き(トレーニング)を行います。

トレーニング方法としては椅子に座った状態で太腿にトレーニング用のバンドをつけ、外に広げる運動をくり返しましょう。バンドがない場合は手で押して力を加えても問題ありません。

画像引用、参考:ひざ関節症クリニック

④寝た状態で横を向いて運動

床に寝た状態で鍛えたい場合は、横を向いて運動を行い、脚の外側の筋肉や靭帯などを鍛えます。

床に横を向いた状態で上にある脚を上下に動かすことにより鍛えられるトレーニングで、テレビを見ながらでもできるのが嬉しいポイントです。

より負荷を与えたい場合はトレーニングバンドを足につけて行う方法もあるほか、床で行うと痛みを感じる場合はタオルやストレッチマットを用意するといいでしょう。

画像引用、参考:ひざ関節症クリニック

⑤膝から太ももの外側をマッサージ

膝の外側が痛い場合は膝から太ももの外側をマッサージしで、脚の外側にある筋肉や靭帯の緊張を緩められます。

膝の外側からお尻にかけてある筋肉を中心に、手の平で軽く圧迫しながらほぐしていき、次は押しながら揺ってみましょう。

太ももを揺する際は、太ももの上から下に走っている筋繊維とは垂直になるようにするがポイントです。

画像引用、参考:ひざ関節症クリニック

痛みが続く場合は整形外科の受診を検討
考えられる他の原因や病気は?

膝の外側が痛い場合は必ずしも腸脛靭帯炎ではなく、他の原因や病気である可能性もあります。

他の病気として考えられるのは変形性膝関節症や外側半月板の損傷などで、医師に相談し診断してもらいましょう。

  1. 変形性膝関節症
  2. 外側半月板の損傷
  3. 膝外側側副靭帯の損傷

①変形性膝関節症

変形性膝関節症は軟骨がすり減ることにより炎症が起こる疾患で、軟骨がすり減る原因は加齢や激しい運動などと言われています。女性や50代以上に多く見られるのも特徴です。

軟骨はクッションのような役割を担っており、軟骨がすり減ると関節内の隙間が狭くなり炎症が起きやすくなります。

初期症状では歩き始めや立ち上がり、階段の上り下りの際に痛みや違和感を覚えるケースが多く、だんだんと正座ができない、膝を伸ばしきれないなどといった症状に。人によっては膝が変形してしまうケースもあります。

画像引用:ひざ関節症クリニック

②外側半月板の損傷

外側半月板の損傷は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある半月板(外側)が損傷している状態で、主な原因はスポーツや激しい運動、交通事故によるケガなどです。

半月板は内側と外側にありますが、膝の外側が痛い場合は外側の半月板が損傷していることがあります。症状としては膝の中に引っかかり感を覚えたり、急に膝が動かなくなるということがあります。

参考:ひざ関節クリニック

③膝外側側副靭帯の損傷

膝外側側副靭帯の損傷は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)を結ぶ靭帯が損傷している状態で、柔道やラグビーなどの強い衝撃を加わるスポーツで起きる傾向にあります。

膝の外側に痛みが生じるほか、膝が抜けるような違和感や不安定感を覚えるのも特徴で、スポーツ以外では交通事故でも損傷する可能性があります。

参考:おおつか整形外科

膝の外側が痛い場合によくある質問

最後に、膝の外側が痛い場合のよくある質問について紹介していきます。

受診する前に知っておいたほうがいいこともあるので、ぜひチェックしてみてください。

腸脛靭帯炎はどんな痛み?

腸脛靭帯炎はずきずきとした痛みを感じるのが特徴で、ランニングやサイクリングなどの運動中に起きることもあります。

初期段階では安静にしていると痛みが治まる傾向にありますが、だんだんと運動後や安静時にも痛みを感じるようになります。

日頃からストレッチやマッサージなどでケアするほか、症状が繰り返される場合には医師に相談してみるといいでしょう。

参考:田中スポーツ整骨院

腸脛靭帯炎はどれくらいで治る?

症状の程度にもよりますが、論文によると腸脛靭帯炎の80%の人は半年以内に保存療法で改善されます。中には痛みが改善せず症状が長引くこともあり、その場合は痛みの原因の根本的な治療が必要です。

日頃からストレッチなどを行い、腸脛靭帯炎を発症しにくくなる身体作りを目指しましょう。

参考:オクノクリニック

膝が痛い時は歩かない方がいいですか?

膝が痛いときは安静にするのがおすすめですが、日常的な動作として歩く分には問題ありません。

家の中を移動したり階段を上り下りしたりしてもまったく問題なく、無理のない範囲で歩くことにより筋力低下を防ぐ効果も期待できます。

ただ、重い荷物を持ったり長時間歩いたりすると、膝に負担がかかる傾向ににあるので注意しましょう。

参考:永振クリニック

膝の外側の痛みに効くマッサージはありますか?

膝の外側が痛みには、膝から太ももの外側やお尻にかけての筋肉や靭帯をほぐすのがポイント。

マッサージを行う際は手の平で押しながら揺らすようにし、入浴後などは筋肉も温まっているのでほぐしやすいでしょう。

ただし、原因が分かっていない場合だと逆効果になってしまうリスクもあるので、まずは医師の診断を仰ぎましょう。

膝の外側が痛い|まとめ

膝の外側が痛い原因には「ランナー膝」とも呼ばれる腸脛靭帯炎があり、長時間ランニングする人などは発症しやすい傾向にあります。

しばらく安静にすることにより落ち着くケースもありますが、繰り返す場合や症状が改善しない場合は医師に相談しましょう。

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