「統合失調症の診断書のもらい方が知りたい」
「統合失調症の診断基準や具体的な症状は?」
「診断書を受け取ってから休職までの流れは?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
統合失調症は自然治癒が難しく放置すると症状が重症化する恐れがあります。そのため、統合失調症かもしれないと感じたら早期治療を開始することをおすすめします。
本記事では統合失調症での休職に必要となる診断書のもらい方や休職までの流れについて改善します。具体的な症状や診断基準も解説するため、ぜひ参考にしてください。
*当院では統合失調症の診断は行なっておりません。あらかじめご注意ください。
統合失調症でもらえる診断書とは?
統合失調症の診断書とは、患者の症状や診断結果を公式に記載した文書のことです。
医師が病状を確認し、治療の必要性を客観的に理解してもらう目的で発行されます。
診断書があることで、患者は会社や公的機関に対して治療の必要性やサポートが必要であることを証明できます。
診断書に記載される内容
統合失調症の診断書には、患者の氏名や症状、治療方針、医師の見解など以下の内容が記載されます。
氏名 | 患者様の名前を記載します。 |
病名 | 医師の診断で、「統合失調症」などその人の病名を記載します。 |
診断日 | 診断日を記載します。 |
環境調整の見解 | 環境調整が必要な場合の具体的な見解について記載します。 例)「通院の継続が望ましい」や「自宅療養が望ましい」「配置の転換や異動が望ましい」 |
治療内容 | 治療の実施内容や通院の有無などを記載します。 |
治療期間 | 診断内容をもとに、どの程度の治療期間が必要かを記載します。 |
また、治療に必要な期間も記されます。治療期間はおおよその期間が記さられため、期間が過ぎても症状が回復しなければ延長されることがあります。
診断書の発行にかかる費用
診断書の発行にかかる費用は、医療機関によって異なりますが、おおよそ2,000円から10,000円程度が相場です。
ただし、診断書に記載する内容が複雑である場合はさらに費用が必要となる場合があります。
診断書の発行費用は保険適応外となるため、全額自己負担となります。
そのため、診断書を発行してもらう時は予算に余裕を持ってクリニックに訪れるようにしましょう。
診断書の発行にかかる期間
診断書の発行期間はクリニックの体制や医師のスケジュールによっても多少異なります。
多くのクリニックな場合では、発行までに数日から2週間程度かかることが一般的です。
診断書の発行には時間がかかることを念頭に置いて手続きを行いましょう。
そもそも統合失調症とはどんな症状
統合失調症で現れる症状は大きく4つのタイプに分類できます。
- 陽性症状
- 陰性症状
- 解体症状
- 認知障害
その中から一部の症状が見られる場合もあれば、4つのタイプ全ての症状が見られる場合もあります。それぞれのタイプの特徴を確認していきます。
陽性症状
陽性症状は、統合失調症の最も顕著な症状で、幻覚や妄想が症状として現れます。
知覚や体験の間違った解釈が脳内で起こることにより、現実には存在しないに物や声が聞こえるケースがあります。
また、誰かに見張られている騙されてるなどの被害妄想が起こることもあり周囲の方とコミュニケーションを取ることが難しくなります。
陽性症状が現れると患者様本人だけでなく、周囲の人々にも精神的な負担をもたらす可能性があります。
陰性症状
陰性症状は感情が失われ、情動の平坦化や無気力といった状態が現れる症状のことです。
日常生活を送る上での意欲低下や社交性の欠如、人とのコミュニケーションを面倒に感じるといった行動が見られる傾向にあります。
陰性症状は、患者様の生活の質を大きく低下させてしまう恐れがあるため適切な治療と支援が不可欠でとなります。
解体症状
解体症状とは思考や行動のまとまりがなくなる症状のことを指します。
この症状では、論理的な会話が難しかしくなったり、目的のない反復行動が見られたりなど奇妙な行動が見られる場合があります。
患者様は自身の考えをまとめたり、他者の話を理解することが困難になるため日常生活や人間関係に支障をきたす可能性があります。
認知障害
認知障害とは集中力や注意力、記憶力、思考の柔軟性などの機能が低下した症状のことです。
これにより、患者様は本を読むことができなくなったり、新しいことを覚えることが困難になったりします。
集中力や注意力、記憶力などは仕事をするうえで重要な能力となるため、これらに問題を抱えると仕事を続けていくことが難しくなります。
統合失調症の診断基準
統合失調症の診断は米国精神医学会が作成した診断基準である「DSM-5」をもとに診断されることが一般的です。
「DSM-5」の診断基準では以下の5つの症状のうち2つ以上が当てはまり、かつその症状が6ヶ月以上見られる場合に統合失調症と診断されます。
(1)妄想 (2)幻覚 (3)まとまりのない発語 (4)ひどくまとまらない、または緊張病性の行動 (5)陰性症状 |
上記の診断基準に当てはまる場合は早急にクリニックに訪れて診断を受けることをおすすめします。
統合失調症の症状を行動からチェック
統合失調症は感情や思考、行動に影響を及ぼす精神疾患です。
症状は多岐にわたり、初期の段階では気付きにくいこともあります。
統合失調症は、日常生活の行動をよくチェックすることで症状な気づくことができます。
以下に挙げる行動が頻繁に見られる場合は、統合失調症の可能性が高いため専門家に相談することをおすすめします。
いきなり笑い出す
統合失調症の症状の一つに、場面にそぐわない感情表現があげられます。
具体的には、一人でいるときに突然笑い出すといった行動が見られることがあります。
見当違いなタイミングでの笑いは、周囲から理解されづらく、不信感を生むこともあります。
場にそぐわないタイミングで急に笑い出す場合は統合失調症のおそれがあやらます。
異様な行動をとる
統合失調症の患者様は、他者には理解し難い特異な行動をとることがあります。
不適切なタイミングでかんしゃくを起こしたり、突拍子もないことを口にしたりする場面が見られます。
このような行動は、本人の錯覚や妄想によって引き起こされることが多く周囲とのコミュニケーションや日常生活に支障をきたすことがあります。
暴力的になる
統合失調症の進行によっては、感情のコントロールが困難になると暴力的な行動をとることがあります。
このようケースでは、家族や他者などに危害を加える可能性があるため非常に注意が必要です。
これまで穏やかな性格だった方が急に暴力的になった場合も統合失調症の可能性があります。
被害妄想が多くなる
統合失調症の特徴的な症状として被害妄想があります。
周囲の人々が自分を傷つけようとしている、監視されているといった考えが頭から離れず、常に不安感に苛まれることがあります。
このような妄想は他者とのコミュニケーションの場において誤解や対立を招くことがあります。
急に被害妄想が多くなった場合も統合失調症の可能性があるため注意が必要です。
統合失調症の診断書のもらい方
統合失調症の診断書のもらい方を4つのステップで紹介します。
- 【ステップ1】神経科・心療内科を受診する
- 【ステップ2】医師の診断を受ける
- 【ステップ3】診断書の発行依頼をする
- 【ステップ4】診断書を受け取る
それぞれのステップを確認してスムーズに診断書を受け取れるようになりましょう。。
【ステップ1】神経科・心療内科を受診する
統合失調症の診断を受けるためには、神経科または心療内科を受診する必要があります。
電話やWeb予約からご自身の都合のよい日時に診療予約をとりましょう。
また、問診や診察に備えて具体的な症状をメモしておくことでスムーズに医師に症状を伝えることができます。
【ステップ2】医師の診断を受ける
予約日になったらクリニックを訪れて診察を受けます。
医師は患者様へのヒアリングを通して症状の詳細を確認し、統合失調症かどうかの診断を行います。
場合によっては心理テストや血液検査が行われる場合があります。
医師から統合失調症と診断されたら、今後の治療方針についての説明を受けてください。
【ステップ3】診断書の発行依頼をする
医師から統合失調症の診断を受けたら、診断書の発行を依頼します。
診断書は患者様から発行依頼をしないと作成されないため、必ず依頼をしてください。
診断書には具体的な症状や病名、治療計画などが記載されます。
【ステップ4】診断書を受け取る
診断書の準備ができたらクリニックから受け取ります。クリニックによっては発行に時間がかかる場合は自宅に郵送されてくるケースもあります。
診断書を受け取ったら、必ず記載内容を見て記載ミスがないか確認しましょう。
また、診断書は休職や公的制度の申請において重要な書類となりますので大切に保管してください。
統合失調症は診断書がすぐもらえる?
統合失調症の治療を早急に始めたいと考える方の中には、診断書をすぐもらうことはできるのか疑問に思う方も多くいます。
統合失調症での診断書は条件を満たすことで即日発行してもらうことができます。
ここでは、診断書をすぐもらうための条件を確認していきましょう。
診断書をすぐもらうための条件
統合失調症は医師から症状が認められすぐに治療が必要と判断された場合はすぐにもらうことができます。
クリニックに訪れる際は以下の2つの条件を確認してから診察を受けてください。
- 統合失調症の診断基準に当てはまる
- 診断書の当日発行に対応しているクリニックに相談する
それぞれの詳細を確認していきます。
統合失調症の診断基準に当てはまる
診断書をもらうためには、統合失調症の診断基準に当てはまらなければ医師から診断してもらうことはできません。
そのため、前述した統合失調症の診断基準に当てはまることを事前に確認してから診療に行くようにしましょう。
クリニックで、診断基準に当てはまることを伝えることで医師も患者様の症状を統合失調症と認めることができます。
診断書の当日発行に対応しているクリニックに相談する
条件の2つ目として、診断書をすぐもらうためには診断書の即日発行に対応したクリニックに相談する必要があります。
一般的なクリニックは診断書の発行に数日から1週間ほど時間がかかる場合があります。
その場合、医師から統合失調症の診断を受けたとしてもクリニックの体制的にすぐに診断書を受け取ることができません。
そのため、診断書をすぐ欲しい場合は診察を受けるクリニックが診断書の即日発行に対応していることを確認してから訪れるようにしましょう。
診断書を発行するとできること
診断書を発行することで、以下のことが可能となります。
- 休職して療養に集中できる
- 各種公的な制度へ申請できる
それぞれ確認していきましょう。
休職して療養に集中できる
診断書を提出することで、会社に対して休職の必要性を証明することができます。
会社の就業規則にもよりますが、休職の際は診断書の提出が求められケースがほとんどです。
会社からの休職の許可を得ることで安心して療養に専念することができ、心身の回復を最優先に考えた環境を整えることができるでしょう。
特に、長期にわたる療養が必要な場合には、診断書があることで職場からの理解を得やすくなり、復帰に向けた計画も立てやすくなります。
各種公的な制度へ申請できる
診断書は、様々な公的福祉制度に申請する際に必要となります。
統合失調症を治療するためには定期的な通院が必要となるため医療費がかさみます。
また、休職する場合場合は一時的に収入が減少してしまいます。
公的な福祉制度を利用することで、治療を続ける際の経済的な負担を削減することができるのです。
以下では、統合失調症と診断された場合に利用すべき制度を紹介します。
傷病手当金制度
傷病手当金制度は、労働者が病気やケガで働けない場合に一定の所得を保証する制度です。
労働者が健康保険に加入していることが条件となりますが、休職した場合でもお金の支給を受けることができ生活の安定を図ることができます。
この制度によって休職期間中の経済的負担を軽減し、回復に専念するための環境を整えることができます。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、精神疾患や特定の障害を持つ方が医療費の軽減を受けられる制度のことです。
診断書により医師からの正式な認定を受けることで申請が可能となります。
この制度を活用すると、医療費の負担が軽減されるます。
統合失調症の治療に必要な治療費の自己負担額が1割となるため、治療にかかるコストを抑えながら治療を継続できます。
障害年金制度
障害年金制度は、病気により日常生活や労働が困難である人に対し、年金給付を行う制度です。
障害年金制度も申請の際には診断書の提出が求められます。
障害年金制度を利用することで生活費の一部を補填してもらえます。
統合失調症の治療をする際は、国が提供する福祉制度を利用するようにしましょう。
統合失調症で休職・復職するまでの流れ
統合失調症を治療するためには心理的にストレスがかかり環境を避ける必要があるため、完治を目指す場合は休職することをおすすめします。
ここでは、診断書を受け取った後の休職・復職までの流れを紹介します。
- 休職を会社に相談する
- 仕事の引き継ぎをする
- 自宅で完全療養して治療する
- 復職か退職か判断する
それぞれ確認していきましょう。
休職を会社に相談する
休職を決断したら、まずは上司や人事部門に相談しましょう。
その際に、医師からの診断書を提出して症状の詳細を誠実に伝えるようにしましょう。
また、治療にはどのくらいの期間が必要となるのか休職期間についても話し合っておくことが重要です。
会社側にとっても突然の休職は業務に支障をきたす可能性があるため、できる限り会社に負担の内容に休職するようにしましょう。
仕事の引き継ぎをする
休職が決まったら、業務の引き継ぎを行います。業務内容の詳細や進捗状況をまとめ、後任者に分かりやすく伝えましょう。
また、引き継ぎの際に業務上の注意点などをメモでまとめておくと後任者が助かります。
休職の前の引き継ぎをしっかりと行うことで、職場への負担を最小限に抑えられます。
自宅で完全療養して治療する
引き継ぎが完了したらいよいよ休職に入ります。休職中は心理的にストレスがないように自宅にて完全療養に努めましょう。
また、休職中の生活は医師の指導に従い、規則正しい生活を心掛けることが症状の改善への近道です。
また、無理のない範囲での軽い運動や趣味を楽しむことも大切です。
統合失調症で療養中の主な治療方法は以下の2つがあります。
主な治療法①薬物療法
薬物療法は、統合失調症の治療において非常に重要な役割を果たします。
薬物療法では、統合失調症の症状を緩和し、症状を改善するために抗精神病薬が処方されます。
医師の指示に従って適切な服用を心がけ、副作用が出た場合はすぐに相談するようにしましょう。
主な治療法②心理社会的治療
統合失調症の治療として、薬物療法と併用して心理社会的治療も行われる場合があるます。
「支持的精神療法」「認知行動療法」「集団精神療法」など代表的な心理社会的治療を通して症状の改善を促します。
治療を通して、ストレスへの対処法を学んだり、自己肯定感を高めたりすることで社会復帰に向けた準備を整えることができます。
復職か退職か判断する
休職期間の終わりに近づいてきたら体調を考慮しながら復職するか退職するかを考えましょう。
復職をする場合は無理のない勤務形態や職場環境の調整が可能か確認し、徐々に身体を慣らしていくことが必要です。
一方で、症状が安定しない場合には、退職を検討することも選択肢の一つです。
無理に復職したとしても統合失調症を再発するリスクがあります。
自身の体調を確認しながら復職か退職か判断しましょう。
統合失調症や診断書に関するよくある質問
統合失調症や診断書の取得に関するよくある質問を3つ紹介します。
- 統合失調症の治療に必要な休職期間はどの程度ですか?
- 統合失調症は働きながらでも治療できますか?
- 統合失調症を患う方にはどのような行動の特徴がありますか?
それぞれの解答を確認して、疑問や悩みの解消に役立ててください。
統合失調症の治療に必要な休職期間はどの程度ですか?
統合失調症の治療に必要な休職期間は、個人の症状の重さや治療の進行状況によって異なります。
一般的には、急性期には数週間から数ヶ月の休職が必要となる場合があります。
休職機関をなるべく少なくしたいと重い復職を急ぐと症状が悪化する可能性があるため、主治医の指示に従いながら復職計画を立てましょう。
統合失調症は働きながらでも治療できますか?
統合失調症は症状が軽い場合は、働きながらでも治療することが可能な場合があります。
ただし、その場合でも勤務形態の調整をしてもらうなどしてストレス管理をしていくことが必要となります。
なお、症状が重い場合は休職をして完全療養することをおすすめします。
働きながらの治療は、仕事でストレスを受けながらの治療となるため十分な改善が見込めない場合もあるため症状の改善に努めましょう。
統合失調症を患う方にはどのような行動の特徴がありますか?
統合失調症を患う方の行動にはいくつかの特徴が見られることがあります。
例えば、幻覚や妄想の体験、考えのまとまりのなさ、感情表現の変化、不安や落ち着きのない行動が挙げられます。
また、自宅への引きこもりや興味・関心の低下なども見られることがあります。
これらの行動が見られる場合は、早期にクリニックに訪れて診断と治療を受けることが大切です。
統合失調症で休職するためには診断書はかならずなくてはならないのですか?
休職する際は多くの会社が社員に対して診断書の発行を義務付けています。
そのため、休職の際は診断書の提出が求められケースが一般的です。
ただし、会社によっては就業規則に診断書の提出を義務づけることを記載していないこともあります。
会社によっては診断書の提出が不要なケースもあるため、休職の際は就業規則を確認するようにしましょう。
統合失調症の早期治療をスタートしよう!
統合失調症は早期の診断と治療が素早い回復へのカギとなります。
症状が軽いうちに適切な治療を開始することで、症状に苦しむ期間を最小限に止めることが可能です。
早めの行動で自身の健康を守るようにしましょう。
*当院では統合失調症の治療は行なっておりません。ご注意ください。