AGAの原因とメカニズムを徹底解説

AGAとは何か?

AGA(Androgenetic Alopecia)は、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれる進行性の脱毛症です。日本人男性の約3人に1人が発症するとされ、20代から始まるケースも少なくありません。

AGAの原因:DHTとは

AGAの主な原因は、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)です。テストステロンが5α-還元酵素(5αリダクターゼ)という酵素の働きによりDHTに変換されます。このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)に結合すると、髪の成長を抑制するシグナルが発せられ、ヘアサイクルの成長期が短縮されます。

5α-還元酵素の種類

5α-還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、AGAに深く関わるのは主にⅡ型です。Ⅱ型は前頭部や頭頂部の毛包に多く存在するため、これらの部位から薄毛が進行する傾向があります。フィナステリドはⅡ型を阻害し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。

遺伝との関係

AGAの発症には遺伝的要因が大きく関与しています。特に母方の祖父が薄毛の場合、AGAを発症するリスクが高いとされています。これは、男性ホルモン受容体の感受性を決定する遺伝子がX染色体上に存在するためです。ただし、父方からの遺伝的影響もあり、AGAの発症は複数の遺伝子が関与する多因子遺伝と考えられています。

ヘアサイクル(毛周期)の仕組み

正常な髪の毛は、以下の3つの段階を繰り返しながら成長します。

  • 成長期(2〜6年):毛母細胞が活発に分裂し、髪が太く長く成長する時期。頭髪の約85〜90%がこの段階にあります。
  • 退行期(2〜3週間):毛母細胞の分裂が停止し、毛包が縮小する移行期間です。
  • 休止期(3〜4ヶ月):髪の成長が完全に止まり、やがて自然に抜け落ちます。その後、新しい髪の成長が始まります。

AGAでは、DHTの影響によって成長期が数ヶ月〜1年程度にまで短縮されます。その結果、髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちるようになり、軟毛化(細く短い産毛のような髪)が進行します。最終的には毛包自体が委縮し、目に見える髪の毛が生えなくなります。

AGAの進行パターン

AGAの進行パターンは「ハミルトン・ノーウッド分類」によって7段階に分類されています。

  • Ⅰ型:額の生え際がわずかに後退し始めた初期段階
  • Ⅱ型:生え際がM字型に後退
  • Ⅲ型:生え際の後退がさらに進行、または頭頂部の薄毛が出現
  • Ⅳ〜Ⅶ型:前頭部と頭頂部の薄毛が拡大・融合

日本人にはⅡ vertex型(頭頂部から薄くなるタイプ)も多く見られます。

早期治療の重要性

AGAは進行性のため、治療を始めないと薄毛は徐々に悪化します。毛包が完全に委縮してしまうと、薬による治療効果は期待しにくくなります。そのため、抜け毛が増えた、生え際が後退してきたと感じたら、できるだけ早い段階で専門クリニックへの相談をお勧めします。

現在のAGA治療では、フィナステリドやデュタステリドによるDHTの生成抑制と、ミノキシジルによる発毛促進を組み合わせることで、多くの方が改善を実感されています。まずは無料カウンセリングで、自分の薄毛の状態を正しく把握することが治療の第一歩です。

参考文献:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」